乳児ビタミンK欠乏性出血症の症状

乳児ビタミンK欠乏性出血症の症状としては、生後まもない乳児が下血や吐血などの消化管出血をおこすなどがあり、新生児出血症(新生児真性メレナ)と呼ばれています。

また、生後1~2ヶ月頃に頭蓋内出血をひきおこす特発性乳児ビタミンK欠乏性出血症があります。乳児にはビタミンKを産生する腸内細菌システムが未熟な為、ビタミン不足になってしまいます。

そうなると出血を止めるための凝固因子が正常に作られなくなり出血しやすくなってしまい結果として頭蓋内出血の症状を引き起こします。また、母乳にはビタミンKが少ないため同じように症状が出ることがあります。重症化してしまうと死亡してしまうケースもあるので気をつけなければなりません。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の原因

乳児ビタミンK欠乏性出血症の原因は、ビタミンK不足からおこります。生後6ヶ月くらいまでの乳児はさまざまな理由からビタミンKが欠乏してしまうのです。

1、出産時に胎盤を通過しない為に持って生まれる量が少ない。
2、母乳の中にビタミンKの含まれる量が少ないため。
3、腸内細菌の生成システムがまだ形成されていないため。
4、肝臓の機能がまだきちんと発達していないため。などが主な原因として考えられています。

これらのことから凝固因子であるビタミンKが足りないために体の中で出血しやすい状態となり胃腸や皮下などに症状が現れることがあります。
また、先天性胆道閉鎖症など肝胆道の異常や長期の抗生剤の投与によりビタミンKが欠乏してしまうことも考えられるので注意することが大切です。

乳児ビタミンK欠乏性出血症の治療法

乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防としては、生後6ヶ月頃までビタミンKの不足が考えられているため内服を行っています。現在日本では、出生したときと生後一週間以内、一ヶ月検診時の計三回におよび予防内服を行う方法と、生後から毎週8週間飲む方法が採用されています。

与える量としては出生後はビタミンK2シロップ1mlを減菌水10mlで薄めたものを与えます。生後一週間のときにはビタミンK2シロップ1mlを前回の時と同じく与えます。そして一ヶ月検診のときにも同じく与えるようになっています。もし頭蓋内出血が発症してしまうと死亡や後遺症が残ってしまったりすることからビタミンKの内服による予防がとても重要になっています。