ヘモグロビン異常症の症状

ヘモグロビンが異常でも程度によっては症状が無い場合が多いのですが、多くの場合は子供の頃に脾臓が腫れて大きくなり、慢性的な溶血性貧血として発症します。

溶血性貧血とは、赤血球が破壊され、本来の赤血球の寿命より短くなることによって現れる病気です。

溶血性貧血の患者では、一過性無形性発作と呼ばれる急激な貧血や黄疸の進行が認められ、注意が必要です。このような症状が現れた場合、ヘモグロビン異常症の可能性がありますので、病院で検査をするようにしてください。

ヘモグロビン異常症の種類は、鎌状赤血球貧血とサラセミア、不安定ヘモグロビン症があります。そのうち、鎌状赤血球貧血は日本人にはほとんど発症がみられない病気です。

ヘモグロビン異常症の原因

ヘモグロビン異常症は、遺伝的要素の強い病気です。両親のどちらかに症状がある場合、小児期より発症します。まれに、突然変異によって発祥することもあります。

原因は、赤血球の中にあるヘモグロビンが異常を起こすことにあります。ヘモグロビンの中のグロビン鎖に異常をきたすことによって、ヘモグロビンが不安定な構造に成ってしまい、酸素の運搬が正常にできなくなります。

不安定な構造のヘモグロビンは、酸化作用によって崩壊し、尿として体外へ排出されます。また、異常なヘモグロビンの一部は、変形を起こして赤血球膜に障害を与え、赤血球を破壊してしまいます。症状が出ると体内で酸素の運搬が慢性的にできなくなるので貧血気味になります。

ヘモグロビン異常症の治療法

ヘモグロビン異常症は、多くが遺伝のため発症する病気ですので、明確な予防方法はありません。

両親のうち、どちらかがヘモグロビン異常症である場合は、小児期より血液検査を定期的に行い、発症の傾向が無いかを調べる必要があります。溶血性貧血の症状である、貧血や網赤血球の増加、間接ビリルビンの上昇、結成ハプトグロビンの低下が出ていないか、血液検査をして調べてください。また、貧血のほかに黄疸の進行が認められる場合も注意が必要です。

また、栄養バランスのよい食事をとるようにしてください。良質のタンパク質と鉄分が不足しないように気をつける必要があります。