症状

慢性副腎不全は、副腎不全の症状が慢性的に続いている状態です。

副腎不全の症状には、発熱や嘔吐、悪心が高い確率で見られます。しかし、副腎不全特有の症状というものは特になく、これらは全身や消化器で現れるために、風邪や急性腹症などと誤診されてしまうこともあり、副腎不全であることを見落とし、治療が遅れたり、治療せずにいたりすると死に至る可能性もあります。

慢性副腎不全の特徴は、慢性のコルチゾール欠乏のために下垂体からのACTHが分泌されることが原因による、力のかかる皮膚のところや日光に当たるところの色素沈着です。そのほかには立ちくらみや味覚、嗅覚の異常、男性では関節内の石灰化、女性では閉経、恥毛や腋毛の減少があります。

原因

慢性副腎不全の原因は、一つには、副腎の発生と分化に関わる転写因子の異常によって副腎欠損を呈するDAX-1やSF-1遺伝子の異常によって起こる先天性副腎低形成症があります。DAX-1遺伝子が含まれた大きな遺伝子の欠失による隣接遺伝子症候群や副腎低形成症を引き起こすものとしてACTH受容体遺伝子異常やMRAP異常などがあります。

そのほかに原因は不明ですが、子宮内発育不全や、停留精巣や小陰茎などの外陰部以上、骨幹端異形成、副腎低形成などが症状に現れるIMAge症候群も慢性副腎不全になる理由の一つです。

以上の先天性副腎低形成や副腎無形成だけでなく、ステロイド合成障害やがん転移、感染症による副腎破などで発症することもあります。また、ステロイド剤の投与が原因で発症することもあります。

治療法

慢性副腎不全を予防するには、定期検診をしっかり受けることです。腎不全は自覚症状があまりなく、知らず知らずのうちに進行してしまう病気です。

腎機能が30パーセント以下になって初めて自覚症状が現れてくるため、気がついたときにはかなり病気が進行してしまっていることもあります。ほとんどの腎疾患が慢性腎不全に移行する可能性があり、定期検査による早期発見が重要です。

健康診断などで血尿や尿蛋白が出ていると診断された場合には、他の症状が出ていなくても必ず医師の診断を受ける必要があります。慢性腎炎や高血圧、糖尿病など慢性腎不全や慢性副腎不全を引き起こす可能性の高い病気を持つ人は治療、定期検診をきちんと受けることが大切です。