ニパウイルス感染症とは
ニパウイルス感染症とは、ニパウイルスに感染することにより、脳炎などを引き起こす病気です。マレーシアやインドなどで流行した記録がある感染症であり、死亡率が比較的高い傾向にあります。日本にはニパウイルスは存在しません。コウモリや豚などの動物が、ニパウイルスを保菌しています。
ニパウイルス感染症の症状
ニパウイルス感染症の症状としては、頭痛や発熱、めまい、さらに筋肉痛といった症状が起きます。これらはインフルエンザのような病状に近い傾向にあります。またさらに、脳炎が引き起こされることにより、眠気を感じたり、痙攣が起きるといった症状が生じます。さらに脳炎が進行し、数日でこん睡状態に陥ります。脳幹の機能がはたらかなくなることもあります。ニパウイルス感染症による脳炎が発症した場合には、死に至る可能性が大きいです。また、重体を脱した場合でも、その後の神経障害を後遺症として残すケースがあります。一方で、たとえニパウイルスに感染したとしても発症しないという場合もあり、感染したから必ずしも発病するというものではありません。
ニパウイルス感染症の原因
ニパウイルス感染症が起きる原因は、コウモリや豚などの動物を介して、ニパウイルスが感染することによるものです。マレーシアや、インド、バングラデッシュなどで生息しているコウモリや豚が感染源の一つとしてあります。コウモリの唾液や尿中に存在するニパウイルスが、果物などを介して人間に感染する恐れがあります。また、豚の分泌ぶつや尿からも感染するため、豚のニパウイルスの感染が流行することにより、人に対しても感染します。
また、ニパウイルスに感染した患者からの二次感染が、ニパウイルスを流行させる新たな問題になります。
ただし、日本ではニパウイルスの存在は確認されておらず、アジアを中心とした地域への渡航により感染するというケースが多くあります。
ニパウイルス感染症の治療法
ニパウイルス感染症に対する予防方法としては、感染する可能性がある地域への渡航をできるだけ控えるといった対策手段があります。また、感染する可能性がある場所へと向かう必要がある場合には、感染の可能性ある動物たちとの接触をなるべく避けることが大切です。もしニパウイルスに感染してしまった場合には、対症療法で症状を抑えることを行います。ニパウイルスに対する特効薬はない事から、症状や病状に対して、投薬などを行い、改善をはかります。
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