リッサウイルス感染症の症状

リッサウイルス感染症により生じる症状には、食欲の不振や倦怠感、さらには発熱や手足の痛み、かゆみといったものがあります。またさらに、中枢神経に異常が生じ、興奮性の亢進や恐水症状、さらに精神撹乱といった狂犬病と同様の病状を示します。

リッサウイルス感染症による病状は、急激に進行する傾向が強く、痙攣や攻撃的行動が強く持続するようになります。さらに、手足の筋肉の脱力が進み、昏睡に陥り最終的には死に至ります。

リッサウイルスに感染してからの潜伏期間があるため、感染してからすぐにこうした症状が起きるわけではありません。感染から一ヶ月程度から数ヶ月を経て発症し、場合によっては発病が感染から数年に及ぶケースもあります。

リッサウイルス感染症の原因

リッサウイルス感染症が起きる原因は、ラブドウイルス科リッサウイルス属のウイルスへの感染です。感染の媒体となるのが、コウモリです。ウイルスは問題となる動物の唾液中に多く含まれています。そのため、リッサウイルスに感染しているコウモリに噛まれた場合に、体内へとウイルスが侵入しこの病気を発病します。

このウイルスへの感染例としては、ヨーロッパや、オーストラリアあるいはアフリカなど、海外で複数のケースが認められています。しかし、日本ではまだリッサウイルス感染症は報告されてはいません。もしリッサウイルス感染症のような病状が生じた場合には、患者の治療やウイルスの拡大の予防のために、早期の対処を行う事が必要です。

リッサウイルス感染症の治療法

リッサウイルス感染症に対する予防方法としては、ワクチンの事前の摂取が有効です。リッサウイルス感染症は、狂犬病ワクチンを用いることで対策できます。オーストラリアコウモリリッサウイルスと狂犬病ウイルスは、それぞれに抗原性が類似しているため、狂犬病ワクチンの摂取によって予防ができます。

リッサウイルスに対する抗体がなく感染した場合には、有効な治療の方法はありません。そのため、ウイルス感染の危険性がある地域を訪れる際には、コウモリを警戒するなど、感染を避けるための十分な対策を施しておくことが求められます。