単純ヘルペスウイルス脳炎の症状

単純ヘルペスウイルス脳炎で起きる症状としては、脳の炎症による頭痛や発熱などが生じるようになります。また、体に痙攣の病状が起きることも多いです。さらに、神経の機能に影響を及ぼし、各種の神経症状を引き起こします。さらに病状が深刻化すると、意識障害に至ります。単純ヘルペスウイルス脳炎が重症である場合には、急速にこん睡状態に陥る恐れもあります。
しかし、こうした病状は、人によっては発現の仕方が異なります。発熱や頭痛などの症状が現れず、精神の病状のみが生じるといったことも起こりうることです。こうした発熱などの病状があまり表面化しないケースでは、病気の早期発見が遅れることもあり注意を必要とします。

単純ヘルペスウイルス脳炎の原因

単純ヘルペスウイルス脳炎の原因には、単純ヘルペスウイルスに感染し、そのウイルスが脳へ移行することにより生じます。本来、単純ヘルペスウイルスは、人間の体に対してあまり悪い影響を与えません。しかし、突発的に重いヘルペス脳炎を引き起こすことがあり、脳炎の症状を引き起こします。なぜ単純ヘルペスウイルスが活性化するかについては判明していません。

単純ヘルペスウイルスは、神経や血流を経由して脳に達し、主に大脳辺縁系に対して影響を与えます。脳は、他の臓器と違い損傷箇所の修復が難しいという問題があります。そのため、単純ヘルペスウイルスが起こす脳への炎症が問題となって、患者の体に対して重い障害を残すことも多々あります。

単純ヘルペスウイルス脳炎の治療法

単純ヘルペスウイルス脳炎に対する予防方法は、単純ヘルペスウイルスへの感染を防ぐことが一つとしてあります。しかし、健常な人でもヘルペスウイルスを持っている人は多く、感染を予防することは難しいです。単純ヘルペスウイルス脳炎の症状が生じた場合に、すぐに治療を行うということが、具体的な対策方法になります。
病状が急激に悪化することも多いため、抗ヘルペスウイルス薬や副腎皮質ステロイド薬などの投薬などにより速やかに治療を開始することが必要です。現在では抗ヘルペスウイルス薬の開発によって、かつてよりも死亡率が下がっています。