慢性砒素中毒とは
慢性砒素中毒という病気があります。この病気は一般的には職業病として問題になることが多いものとして知られています。いわゆる細菌やウイルスなどの感染症とは違い、毒物に長期的に暴露することによって健康被害を発生させるという種類の病気に分類されているのです。日本でも環境汚染のために大きな問題になった歴史が存在しています。
慢性砒素中毒の症状
慢性砒素中毒の主な症状としては色素沈着があります。そして皮膚に独特な角化症が現れます。足の裏や手のひら等を中心に角化症が認められ、それが顔や四肢等の内服とこすれる部分から角化が進行していくという症状が発生します。これを放置するとボーエン病や皮膚がんの原因となります。また呼吸器系にも影響が出てくることがあり、疲労や倦怠感が発生したり、神経痛に似た末梢神経系の炎症が発生することもあります。特に三酸化砒素の高濃度暴露をした場合には鼻中隔裂孔を引き起こすことが知られています。この様な砒素を使用することのある金属精錬関係者にこの様な症状が多く発生しているということも知られています。
慢性砒素中毒の原因
この慢性砒素中毒の原因となっているのは言うまでもなく砒素です。しかし砒素と言うのはあまり身近に感じるものではありません。それでは慢性砒素中毒とはどのような条件下で発生するものなのでしょうか。基本的にはこの病気になる過程は全くと言ってよいほど無自覚に行われているケースがほとんどなのです。結論から言うと砒素や砒素化合物を経口摂取するか吸入することで長期的に少しずつ摂取した場合に慢性砒素中毒となります。業務上ヒ素化合物を取り扱う場合には過失で発生することもありますが、そうでない場合には元々土壌に砒素が多いケースであったり、ヒ素汚染によって砒素の含有量の高い水を飲んでいる場合にこの様な問題が発生することがあるとわかっています。
慢性砒素中毒の治療法
この慢性砒素中毒を予防するためには日常から注意して可能性を疑うことです。もしも職業性のものであれば定期健康診断の際に行われる特殊健康診断で現在の状況を確認することが出来ます。実際に早期にこの様な毒性のある素材を用いて仕事をしている人に悪影響が出ていないかを調査するのがこの特殊健診の目的なのです。しかし普段その様な習慣が無かったり、およそ砒素とは縁のない生活をしている場合にはなかなか注意するということも難しいでしょう。予防のためにできることとしては身体の不調を感じた時に早めに病院受診をするということが重要になります。
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