歯肉線維腫症の症状

歯肉線維腫症とは、歯周病の一種として知られ、さまざまな原因で歯肉の過形成が起こることをいいます。遺伝性のものは過形成が激しく、女性に多くみられ、家族内で発現します。
歯肉線維腫症の症状は、口の中全体に歯肉の肥大が対照的に起こることが通常で、奥歯よりは前歯の部分にとくに見られます。上あごの場合は舌側に、下あごの場合は表側の歯肉が特に肥大するようになります。増殖し肥厚した歯肉はピンク色で、硬く表面は平滑であり、炎症状態になることはほとんどなく、くわえて歯の形や生える順番、あごの骨の発育異常が認められることもありません。
多毛症や精神発達遅滞、てんかんの三つのうちいずれかの徴症を伴うことが多く知られていますが、すべてを伴うことは少ないようです。また、その他の疾患として甲状腺機能減退や軟骨異常などが見られるものもあります。

歯肉線維腫症の原因

歯肉線維腫症は、遺伝子が関係する遺伝性歯肉線維腫症と遺伝子とは関係のない特発性歯肉線維腫症とに分けることができます。遺伝性のものは、歯肉の増殖の程度が早く、女性に多くみられ、家族内で発現することが知られています。遺伝性のものがあることは知られていますが、その原因は、はっきりとは解明されていません。
歯肉の肥大は、乳歯が生えるころからはじまり、ときには永久歯が生えるころからはじまります。この歯肉の肥大増殖は、薬物による歯肉増殖症と類似しています。
特発性のものは、薬物服用の副作用として発見されるものが多いようですが、その原因は不明のものが多いです。引き起こすとされる薬は、フェニトイン、ニフェジピン、シクロスポリンなどが知られています。

歯肉線維腫症の治療法

歯肉線維腫症の原因には二つあり、ひとつは遺伝性のものであり、不明な点が多いことからもこれの予防は難しいとされています。また、もうひとつの特発性のものに関しては、不明な点も多いですが薬物服用の副作用として起こることがわかってきています。これを予防するためには、医師との相談のうえで服用する薬物の量を決めることになります。
歯肉線維腫症の治療は、以前は歯の抜歯が行われていましたが、現在は肥大増殖した歯肉を外科手術で切除することが一般的です。再発することも多いですが、その都度切除しブラッシングの指導を行うことが重要とされています。近年では、レーザーを応用した手術を行うことで再発が少ないと期待されています。