性分化異常症の症状

性分化異常症の症状は状態により異なり、まず精巣性女性化では、染色体上の性は男でも、男性化に関連する分化が上手くいかず女性として発育していきます。女性として発育はしていくものの、子宮と卵巣は存在せず、未熟なままの精巣がありますがこれは精巣としての機能を果たさず、そのまま残しているとガンへ変化することもあるため、摘出が必要です。思春期になっても月経は起こりません。

性染色体がXXである場合は通常女性となりますが、男性として認識される場合はXX男性とされます。男性として成長はしているものの、成長とともに精巣の組織に問題が起こり、無精子症という症状で現れることもあります。尿道下裂があるなど、性器や泌尿器形成の状態で問題が起れば見た目から早期に発覚しますが、精巣や子宮の発達段階での異常をきたした場合は思春期まで判明しないということもあります。
概ね未発達により二次性徴はありませんが、月経はあったものの不妊症として判明することもあり、難聴や心疾患など合併症の可能性も多いため早い段階での治療が必要です。

性分化異常症の原因

男女が決定されていない時期の胎児は男女とも同じ形をしており、遺伝子情報などによってそれぞれの性別へと分化していきます。しかし性分化異常症ではその分化が上手くいかないという問題があります。
胎児に男性ホルモンが作用しなかったり、男性を決定づける遺伝子が作用しなかったり、21ー水酸化酵素などの欠損する先天性副腎過形成症候群で起こったり、ターナー症候群など染色体の異常で起こることもあります。

性分化異常症の治療法

遺伝的な問題であるため性分化異常症の予防法はありません。
先天性の合併症を引き起こしているケースもあるため、早期治療が必要となることもあり、分かった時点で専門の医師に受診することが重要です。
新生児期に判明すれば長い時間をかけてメンタル面への配慮をする可能性もありますが、無月経など思春期以降で判明した場合、基本的にはそのままの性別で生活していくことにはなりますが、本人の感覚にも混乱が見られることもあるため、カウンセリングを行ったり、適切な知識が求められます。