グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症(G6PD欠乏症)の症状

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症の主な症状は、赤血球が壊れやすくなったことによって生じる溶血性貧血と、それに伴う腹痛や下痢などの腹部不調とヘモグロビン尿が現れます。

ほかにも、溶血性貧血が原因となる症状としては、異常な青白や肌の色の欠如、黄疸ないし皮膚、目、口の黄変、発熱、虚弱、目まい、混乱、身体活動への不寛容、各臓器の肥大、心拍数の増加、心雑音といったものがあげられます。
ただし、溶血性貧血の症状はほかの血液疾患などと類似する傾向があるため、疑いのある人は定期的に医療施設での検査を受ける必要があります。検査方法は血液検査になりますが、高い確率で発見に繋がります。

発病の分布および頻度には地域差が確認されており、主にアフリカや地中海沿岸、各アジア地域と同地域の出身者によく見られます。

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症(G6PD欠乏症)の原因

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症の発病にいたる主な原因は、X染色体上にある酵素の欠損と考えられています。そのため、酵素の欠損は事実上遺伝性であり、遺伝子疾患とする見方が今日では定説となっています。

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症の患者は、遺伝的にグルコース6リン酸脱水素酵素が欠乏しているため、様々な脱水素酵素の補酵素として機能するニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADP)が還元されず、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)が不足するようになります。

結果、酸化型グルタチオンの還元も困難となり、還元型グルタチオンの数も不足事態となります。還元柄グルタチオンの数が体内で不足すると、体内に発生活性酸素が除去できなくなり、発病に至るのです。

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症(G6PD欠乏症)の治療法

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症は遺伝子疾患としての側面があるため、予防する方法の確立は困難を極めます。そのため、予防よりも発病後の対症療法が優先されることになります。

対症療法に関しては、患者の状態に応じて医師が決定を下すことになります。決定に関する要素としては、患者の年齢や全体的な健康状態、および病歴、疾患の程度、特定の薬、手順、または治療のための患者の許容範囲、疾患の経過に対する期待、そして患者の要望などがあげられます。

なお、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症には臨床症状がないとされています。しかし、酸化的な損傷には過敏であるため、投薬による治療を行なううえでは考慮する必要があります。