症状

腟中隔自体は基本的に無症状となっており、性交渉を行ったときにも気づかれることはなく、また進行した重複膣の状態においてもその状態と気づかれることは存在しません。産婦人科の医師より妊娠のときの検査や内診を行うことで分かる場合がほぼ全てとなっています。
ただし、重複膣の状態において片方の膣の入口部分が閉じた状態である場合には月経血が溜まった状態になって膣留血腫を形成することがあります。その場合には卵管や子宮内部にも血腫をつくり不正出血をおこすことがあるため、場合によっては手術により原因となっている部分を取り除く必要を生じます。
また、腟中隔がある場合はしばしば同時に子宮部にも異常を起こしていることがあるため、子宮の部分についても産婦人科で検査してもらう必要があります。

原因

腟中隔の原因としては、まず子宮及び膣にはミュラー管という左右2対についている原器があります。ミュラー管は中央部分で癒合することで膣や子宮が形成されています。
腟中隔はミュラー管の癒合の際になんらかの異常を起こして癒合が上手くいかなかった場合に発生します。膣の形成にはミュラー管の末端部分の細胞と隣の部分に当たる尿生殖道の細胞が増殖することで元となる膣板ができ、また空洞化されることで膣が形成されますが、空洞となるべき場所の中央部分に障壁が残ってしまうことでできます。
なので、腟中隔と診断された際には子宮においてもなんらかの異常がある場合も多くあります。子宮は形成過程においてなんらかの奇形を伴うことが多い臓器です。

治療法

腟中隔は先天性の異常であるため予防に関しては特に存在せず、またそのような状態であっても流産になりやすい状態ともいえず普通に出産時に出産している例もたくさんあります。
流産になる原因は精子や卵子に問題があることがほとんどです。なので膣奇形や子宮奇形など母体の疾患による原因によって流産してしまうような事態になることはほとんどありません。
腟中隔を見つけるためには、日常生活において気になった場合には産婦人科などの医師による検診を心がけ早期発見につなげるように意識を持つことが大事といえます。あとは通常の妊娠、出産と同様の注意を払っておけば大丈夫です。