手指屈筋腱損傷とは
手指屈筋腱損傷は、屈筋腱が断裂してしまっている状態です。切創や挫創により、屈筋腱が断裂する開放性損傷と、強打するなどにより傷が無くて断裂する閉鎖性損傷の二通りがあります。どちらかというと、開放性損傷の方が多く発生する場合が多いです。屈筋腱が断裂すると、指を曲げられなくなったり伸ばせなくなったりします。
手指屈筋腱損傷の症状
手指には、深指屈筋腱と浅指屈筋腱の2本の腱があります。
手指屈筋腱損傷を起こし、両方が断裂してしまった場合は、手指が伸びた状態になり、全く曲げることが不可能になるという症状になります。
もし、深指屈筋腱だけが断裂して、浅指屈筋腱が断裂せずに残って率場合は、DIP関節(第一関節)だけが伸びた状態になるため、手指を曲げることができなくなりますが、PIP関節(第二関節)を曲げることだけは可能です。
屈筋腱を断裂したときに、同時に神経も断裂してしまうことが多いので、注意が必要で整形外科医や手の外科専門医によく見てもらうことが必要です。
いずれにしても、誤って手指を切ってしまい、手指が動かない事態になった場合は、速やかに専門医の診察を受けることが賢明といえます。
手指屈筋腱損傷の原因
手指屈筋腱損傷は、開放性損傷の場合は、誤って刃物が手を切ってしまい、屈筋が断裂することが原因として多いです。また、自動車事故やオートバイ事故などで屈筋が断裂する場合もあります。また、閉鎖性損傷の場合は、自動車事故やオートバイ事故、高所作業中の落下事故に加えて、スポーツを行っている間に起こる可能性があります。
いずれにしても、傷の存在や、手指の関節が動くかどうかを確認することで、手指屈筋腱を損傷しているかどうかの診断は、比較的容易に行うことができます。
腱の断裂には、傷の大きさはあまり関連性が無いため、手指が動かない状態に陥ったら、早期に整形外科医か手の外科専門医に見てもらうのが賢明です。
手指屈筋腱損傷の治療法
手指屈筋腱損傷は、手指が巻き込まれてしまうような装置を扱う作業で起こりやすいです。事故の予防には、作業を行うときには細心の注意を払う必要があるのと、手指が巻き込まれないよう装置に工夫をする必要があります。
また、作業中に使用する工具の整理整頓を行うことも事故の防止へとつながります。
また、強打することを避けるためにも、自動車やオートバイの運転については交通ルールを守り事故を起こさないように気を付ける必要があります。
スポーツ中の事故についても、準備運動をしっかり行い、事故が起きないように各種安全対策を心がけることが大切です。
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