腟欠損とは
腟欠損症とは、生まれつき膣の全部もしくは一部を欠いている病気で、多くは子宮の欠損も伴うといわれており、その場合はロキタンスキー症候群とよばれています。 卵巣は機能している場合がほとんどで、女性ホルモンの分泌も正常に行われます。このため二次性徴がみられ、幼少期から思春期頃までは発見されないケースがほとんどです。 5000人に1人の割合で発症する稀な疾患といわれています。
腟欠損の症状
腟欠損では、外陰部や卵巣は正常に形成されて、膣や子宮の一部、または全部が欠損した状態がみられます。このことにより、月経がみられなかったり、妊娠することが難しかったりといった症状がでます。また、外からは月経はみられないものの、血液がたまって周期的に腹痛などが起こることはあります。程度はさまざまですが、欠損状態によって、大きく分けると3つに分類されます。
比較的経度に分類されるものでは、膣の一部が欠損しており、子宮や卵巣、卵管といった器官は存在しています。中等度のケースでは、子宮と膣が欠損しており、卵巣と卵管は存在しています。重度のケースでは、膣と子宮、そして卵管が欠損しており、卵巣だけが存在しています。
このように、さまざまなケースがありますが、その程度によって、その後の治療効果や予後が大きく変わってきます。
腟欠損の原因
腟欠損の原因は、はっきりしたことは分かっていませんが、母親の胎内での発達段階においての血流障害が原因であると推測されています。母親の子宮内にいる胎児では、女性の生殖器は、「卵巣」と「卵管と子宮と膣」と「外陰部」の3つがそれぞれ別に発生してきます。これがその後につながっていき、生殖器としての機能を有するようになります。
しかしこの発生段階において、「卵管と子宮と膣」を発生させるためのミューラー管などの組織へ栄養を送るための血管が、なんらかの原因で血流を送れず、この器官の発生ができなくなっているとされています。この血流の問題は、卵巣や外陰部を発生させる組織ではほとんど見られず、子宮・膣・卵管を発生させる組織において高確率で起こるため、この器官が欠損するとされています。
腟欠損の治療法
腟欠損の予防としては、現在のところ有効な手段が見つかっていません。子宮や膣が大きく欠損している場合では、治療によって正常な月経や妊娠・出産などを望むのも難しくなります。しかし膣の一部が欠損している場合では、人工的に膣を造る手術によって、月経や性行為、妊娠、出産が可能になるケースがあります。このようにさまざまなケースがありますが、まず正確な診断によって、病気の程度や状態を把握することが重要になります。この病気の診断と検査には、内診や基礎体温、MRI検査、超音波診断、血液中ホルモン検査、腎臓や尿管の検査などが必要となります。
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