好中球機能異常症の症状

好中球とは白血球の一種であり、身体の免疫機能の一部を担っています。好中球機能異常症では、この好中球の能力に異常がある場合や量が減少することにより、さまざまな症状があらわれます。先天性の異常であることも多いです。
好中球機能異常症では、免疫に関わる好中球が正常に働ける状態ではないために、免疫機能が正常に作用せずに、さまざまな感染症にかかりやすくなります。健康な時にはあまり問題にならない、黄色ブドウ球菌やカンジダ感染症などを繰り返し発症するようになります。
感染症の他には、好中球の何が異常であるかにより変わってきますが、乳幼児期からの、慢性的な湿疹や持続性の歯肉炎、腫瘍などがあらわれ、また肺炎や敗血症などを起こし、死亡することもあります。

好中球機能異常症の原因

好中球とは白血球の一種であり、食作用を持ちます。体内に侵入した細菌や真菌のもとへ遊走し付着し貪食し、殺菌消化します。好中球機能異常症では、この好中球の機能に異常があらわれた場合や好中球の量自体が減少することが原因で症状が起こります。
高IgE症候群では、好中球を活性化させるインターフェロンが生産されないために、好中球の遊走能が低下しておこります。ミエロペルオキシターゼ欠損症では、酵素が生産されないために、殺菌能が働かなくなります。白血球粘着不全症では、白血球は血管内皮細胞と付着してその機能を果たすのですが、付着するために必要な分子が生産されないために、粘着能がなく機能しません。
その他にも慢性肉芽腫症など、好中球機能異常症には、さまざまな原因疾患があり、それぞれさまざまな原因により引き起こされます。これらの異常は、先天性の機能異常により、遺伝することが多く、診断には遺伝子解析などが行われることもあります。

好中球機能異常症の治療法

好中球機能異常症は、その機能異常は、先天的におこることが多く、予防することは難しいとされます。
早期発見し、さまざまな感染を
防ぎ、重症化しないようにすることが最大の予防となります。
予防接種をしっかり受け、感染を避けることが大切です。

好中球機能異常症の診断には、持続性の歯肉炎や腫瘍などの検査や血液検査、遺伝子検査などを行うことがおこなわれます。

好中球機能異常症の治療法としては、細菌感染症になった場合は抗生物質、抗真菌剤やインターフェロンガンマなどの投与が行われます。

造血幹細胞の移植を行うこともあります。