外傷性脳室内出血とは
外傷性脳室内出血とは、その名が示すように、頭部の外側から衝撃を受けて受傷した際に、中の脳にもダメージを受けて出血する状態の事を現しています。他の脳出血と同じように、脳に溜まっていく血液を体外に排出する外科処置が必要となるため、脳外科や脳神経内科を標榜する救急指定病院に運び入れることが重要です。
外傷性脳室内出血の症状
外傷性脳室内出血の症状は、脳梗塞や脳溢血と同じような、頭痛、吐き気、めまい、手足が動きにくい、しびれが出る、意識消失して倒れる、等の症状がみられることが特徴です。脳が外傷を受けた時に、本人に意識があって普通に会話していても、知らないうちにじわじわと脳室から出血して、突然倒れてしまうこともあります。頭を打った時には、外から見える傷が無くても、病院で検査してもらうことが大切です。脳は頭蓋骨に守られていますが、頭蓋骨の容積以上に出血した場合には、耳や口など脳の血管とつながっている部分からも出血することがあります。意識がなく、脳以外の部位から出血があったときには、大量出血が考えられますので、速やかに救急指定病院へ搬送する必要があります。
外傷性脳室内出血の原因
外傷性脳室内出血の原因は、病気の名前の通り、外傷によるものです。乳幼児などの、頭が重くて重心が安定していない子どもの場合には、転倒の際には頭から転ぶため、脳にダメージを負う事があります。成人の場合の原因は事故と転倒が大半を占めます。交通事故や事件などによる外傷も起こりえますが、一番多いのは、高齢者の転倒です。高齢者になると、移動する際の足の運びがおぼつかなくなり、足も上がりにくくなるため、少しの段差でも転びやすくなります。転ぶ際にも、若い人では手を付いて頭を守る行動が瞬時にできますが、高齢者は反射も鈍くなっており、頭に傷を負いやすくなります。めまいなど、転ぶ原因になる病気を抱えやすくなることも大きな要因です。
外傷性脳室内出血の治療法
外傷性脳室内出血の予防は、頭への衝撃を避けることが必要となります。交通事故などの突発的な外傷は別としても、普段の生活では転倒や転落を防ぐことが出来ます。子どもの場合には、外出や散歩の時にできるだけ親が目を離さないようにすること、家の中では、テーブルやベッド、階段など転落の危険性がある場所に柵を用いることで、身の回りで起こる事故は回避出来ます。高齢者の場合には、転倒の原因となる筋力低下を避けるために適度に運動すること、家の中でも整理整頓をして転ぶ原因となる物を置かないことが予防の一つとなります。転倒を誘発するような、めまいや足のけがなど、普段から患っている病気の管理を良くしておくことも欠かせません。
治療は緊急手術により、貯留した脳室内の出血を除去しなくてはなりません。
脳室にチューブを挿入し、脳脊髄液とともに脳室内の出血を取り除く脳室ドレナージ術が行われるでしょう。
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