肝包虫症の症状

肝包虫症により生じる症状としては、上腹部に対して引っ張られるような傷みが生じます。また、膨満感を感じるようにもなります。さらに、肝臓も腫大する傾向にあります。病状が進行すると、腹水や脾腫、あるいは黄疸といった身体的病状が現れ、肝不全に陥ります。
肝包虫症は、感染から病状が発現するまでに数十年もの時間がかかることが多いのが特徴です。肝包虫症に感染した場合には、血液中に嚢胞内液が入り込むことで、アレルギーの症状が生じたり、あるいは重大なアナフィラキシーショックを体に引き起こし生命に危機をもたらすといった問題も起こりうる事です。そのため、重体化する前に、包虫への感染がないかどうかをチェックすることが重要です。

肝包虫症の原因

肝包虫症が生じる原因は、エキノコックス属の条虫の幼虫にあたる包虫への感染があります。肝包虫症の原因となる条虫は、北半球の寒冷地に広く生息しているのが特徴です。包虫の成虫は、イヌなどの動物に寄生します。

それらの動物が排泄した便には、条虫の卵が潜在しています。さらにその条虫の卵に汚染されている水や食品などを口にすることによって、体内に包虫が侵入する恐れがあります。

体内に入り込んだ卵は十二指腸内で幼虫にかえります。さらに、肝臓内に包虫が忍び込みます。その結果、肝臓の腫大や変形を引き起こします。肝包虫症への感染から発病に至るまでは時間がかかるため、その経過は非常に長く、感染原因の特定は難しくなりがちです。

肝包虫症の治療法

肝包虫症の予防のための方法としては、条虫の卵に汚染されている水や食品を口にしないことが重要です。また、ほこりを介して感染する可能性もあるため、できるだけ野生生物とは距離を置くことが必要です。
それでも卵が体内へと侵入して包虫が巣くい、肝包虫症による肝臓異常などの各種の病状を示すようになった場合には、外科的な治療対策が必要です。体内に巣くっている包虫を外科的処置によって直接摘出し、原因となっている虫を取り除きます。また、包虫を排除することに効果がある区助役の使用も有効な手段として使うことができます。