多指症/多趾症の症状

多指症/多趾症は先天性の異常で、手足の指が通常の5本よりも多いものをいいます。先天性の異常の中では発生頻度が高く、手足の先天性異常の中では最も多いとされ、1000人あたり0.5人から1人の患者がいると言われています。
日本では、手の指は親指が最も多く、次いで小指、人差し指の順に多く発生します。足の指の場合は外側の指が多く、小指に最も多く発生します。余剰な指はきちんとした形を持つ場合もありますが、イボ程度のもの、痕跡がある程度のものなど様々です。多合指症といって、多指と指が融合した合指が同時に現れる場合もあります。
こうした症状は出生後直ちに発見されますし、胎児のときに超音波検査で発見されることも多いようです。

多指症/多趾症の原因

多指症/多趾症の原因は手足の指の形成・分離の異常と言われています。妊娠9週(胎齢7週)くらいに、手足の指の間にあたる部分の細胞がアポトーシスというプログラムされた自然死を起こすことによって指が分離・形成されるのですが、多指症/多趾症では、本来1本になるべき指が何らかの理由で分離してしまったものとされています。このため、多指症/多趾症の指は正常のものに比べて小さい場合が多いようです。
こうした異常が起こる原因ははっきりしていませんが、遺伝子の変異の可能性もあると言われています。家族全員が多指症という事例もあるように、染色体異常の場合もあり、こうした場合には他の部位の先天異常も起こしている可能性があります。

多指症/多趾症の治療法

多指症/多趾症は先天性の異常で、原因自体がはっきりしないので、予防は難しいところです。ただ、妊娠中の喫煙が原因の一つとも言われています。喫煙は低体重や早産、流産のリスクを高めることが明らかにされていますから控えたほうがいいかもしれません。
このように予防自体は難しいところがありますが、治療により多指症/多趾症に伴う美観や運動機能などへの悪影響を避けることは可能です。多指症/多趾症では1歳前後に手術が行われ、余剰な指の切除や分離した2本の指から健常な指を作るなどして、動きも見た目も普通の指に近い形に形成していきます。