捻挫を「腫れてるくらい」と甘く見ると・・・
ウォーミングアップの重要性
高校生の頃、初めて捻挫を経験した時の事です。その日の体育の授業はバスケットボールで、2チームに別れて試合をしました。
ゴールポスト付近で一人がシュートを打った後リバウンドを取ろうと、私と何人かが同時にジャンプし着地した次の瞬間、私の足首に激痛が走ったのです。記憶にあるのは、足を床に着いた時に誰かに踏まれ、踏まれたままで倒れ込んだという事でした。
足首がうめき声を上げるほど痛み、腫れてるのが目に見えてわかった時、捻挫という言葉が頭に浮かびました。
腫れてる足を引きずって保健室に行き、結果は予想通り足首の捻挫でした。捻挫の痛みも辛かったですが、くるぶしが見えないぐらい腫れてる事に驚いたのを覚えています。それから数時間、冬の寒い季節に冷水の入ったバケツに足を浸けた状態でいなければならず、痛みと寒さで二重の苦しみでした。実は、ウォーミングアップせずに試合に出たため、まだ体が温まる前の出来事だったのです。柔軟な動きができない事が原因で捻挫をしたのではないかと思います。しばらく腫れてる足首の痛みは続き、登校するのも一苦労でした。
腫れてる足首の具合からして、相当ひどい捻り方をしたのでしょう、完治までかなりの日数がかかったのを覚えています。
これに懲りて、その後は必ず準備運動をするようになりました。
たかが捻挫と甘くみると・・・
友人が、会社の帰りに自転車で転んで怪我をしたという話を聞きました。
何日かしてその後の様子をメールで聞いてみると怪我した方の足首が何日しても治らず痛くて腫れてると言っていました。最初は転んで血が出た部分の痛みかと思っていたみたいですが、どうやら違ったみたいです。
特に歩くと痛くてどうにもならず後日友人は、整形外科を受診し捻挫と診断されました。応急処置としてその日は、内出血を抑えるために患部を包帯で固定し腫れを取る湿布と痛みを取る薬を処方されたようです。
先生によると、捻挫を軽いからと言って放っておくと、それが慢性化してしまい何度も捻挫を繰り返し、何か月、何年とずっと痛みが続き、ひどい時には手術になってしまう場合もあるようです。またさらにひどくなると骨折したり靭帯を損傷して歩けなくなったりするそうなので、たかが捻挫と言っても注意が必要です。捻挫は、膝痛や股関節痛、腰痛なども同時に起こる事もあり体全体にも悪影響を及ぼすようです。
幸い友人は、早めの対処が功を奏したのか一週間ほどで腫れが治まり痛みも和らぎ快方に向かっているようなので安心しました。しかしまだ油断は禁物、安静が必要な状態です。
転んだり脚をくじいたりして脚が腫れてる場合は放っておかないで早めに医者に受診する事をお勧めします。
捻挫は応急処置が肝心!
捻挫とは関節の動ける範囲を越えて動いたときに、その関節についている靭帯や周辺組織が損傷するものを言います。
捻挫をした時に多く現れる症状は、関節付近に熱を感じる・関節付近が腫れてる・関節付近に痛みがでる、といったものです。ほとんどの捻挫は軽いものなのですが、正しい応急処置をしなかったり、症状が重いものだと、上記に加えて内出血や靭帯断裂のほか骨折などが現れることもあります。ここまでの症状がでると完治まで時間がかかることが多いです。
症状を重くしない為にも、捻挫したらすぐに応急処置をすることが大切です。捻挫の応急処置にはRICE(ライス)処置と言われる処置を行うことが一般的に知られています。RICE処置とは、安静・冷却・圧迫・挙上の英単語の頭文字を取ったものです。これらの4つの処置は上がってしまった熱感を下げ、腫れてる状態を抑えて、できる限り痛みがでないようにするためのものです。
そして、この応急処置をした後は、できる限り早く医療機関を受診し、捻挫の程度を診断してもらうことが望ましいです。歩けないほど痛みが強く、関節付近がひどく腫れてる場合や数日経っても痛みが引かない場合には、迷わず医療機関を受診することを考えます。
捻挫の腫れは冷やせば治るの?
捻挫をして、患部が腫れてる時、とにかく冷やせばいいと思っていませんか。
確かに炎症を抑えるためには、ある程度腫れてる部分を冷やす必要がありますが、それだけだと、逆にしもやけになり、痛みが増す危険性もあります。
捻挫をした際には、有効な応急処置を取ることによって、早期回復が期待できます。
それは『RICE』と呼ばれる方法で、REST, ICE, COMPRESSION, ELEVATIONの頭文字をとってそういわれています。まずRESTは、痛む部分をテーピングなどをすることにより、極力動かさないということ。次にICEは冷やすこと、しかし、先に述べたとおり、冷やし過ぎるとしもやけになることもあるので注意が必要です。COMPRESSIONは腫れの原因の内出血を止めるために軽く圧迫することで腫れをひかせること。最後にELEVATIONは患部を心臓より高い位置にあげることで、血を腫れてる部分に上らせないようにし、腫れを緩和させるという方法です。これらの応急処置を素早く正しく行うことで、捻挫の腫れを最小限に抑えることができます。
しかし、捻挫後大きく腫れ上がり、強い痛みを伴う場合は、自分で何とかしようとするのではなく、医療機関の診察を受けることをお勧めします。