子供に起こるアレルギーは始めて接した物質に対して起こることが多いですが、大人に起こるアレルギーは今までアレルギー反応が起きていなかったものに対してある日突然起こることがあります。
この2種類のアレルギー反応はいずれも体質が影響しますが、メカニズムは異なります。

今回はこの、ある日突然発症するアレルギーのメカニズムについて、医師に解説していただきました。

大人になってある日突然アレルギー発症するのは何故?

初めて接した物質に対するアレルギー反応は純粋に異物に対して起こるものですが、今までアレルギー反応が起きていなかったものに対するアレルギー反応は、初めて原因となる物質に接した時から身体の中にその物質へのアレルギーの記憶が徐々に蓄積されていき、ある日限界の量を越えることによってアレルギー反応が起こるというものです。

1度アレルギー反応が起きてしまうと、それからは毎回同じ物質に接することによってアレルギー反応が起こるようになります。アレルギー性鼻炎食物アレルギーにこのタイプのアレルギー反応が多いです。対象となる物質は身の回りにあるものが多いので、原因となる物質が分かりにくいことがありますが、疑わしい物質に対する血液のアレルギー検査を行うことによって、比較的容易に原因となる物質を見つけることができます。

同じものばかり食べ続けるとアレルギー発症する場合も!

このタイプのアレルギーを予防するには、0~2歳の幼児期早期は、まだ免疫の機能の発達が十分ではありませんので、卵、大豆製品等やたんぱく質の多く含まれている食物を避けるようにして下さい。また、幼児期を過ぎてからは同じ食物を食べ続けるのもよくありません。特にダイエットだからといって乳製品等の同じ食物を食べ続けるのは将来的にそのダイエット食品が原因のアレルギーになる可能性があります。

アレルギーの治療法は?

このタイプのアレルギーに対しても、初めて接した物質に対するアレルギー反応と同様に薬でアレルギー反応を抑えることができますが、薬以外の治療法としては減感作療法という方法があります。これはアレルギーの原因となる物質を皮膚に注射する方法ですが、濃度の薄いものから徐々に濃くしていって身体を慣れさせる方法です。

この方法の注意点としては、アレルギーの原因物質を皮膚に注射しますので、たとえ濃度が薄くてもアレルギー反応が起こる可能性があることです。アレルギー反応がおこるとまたやり直しになりますので、時間がかなりかかる治療ということになります。

また、複数の原因物質を同時に治療できない欠点があります。一時はよく行われた治療ですが、最近はあまり行われなくなってしまっています。上手くいけば、薬が不要になる良い治療法ではあります。

医師からのアドバイス

このような治療法がありますが、あくまでアレルギー治療の原則はアレルギーの原因となる物質に接しないようにすることですので、安易に薬を使うのではなく、花粉ならマスク等を適切に使って花粉を避け、食物なら原因となる食物を誤って食べたり、触れたりしないように注意して下さい。それでも上手くいかない時は病院を受診し、治療法を試してみて下さい。

(監修:Doctors Me 医師)