もはや冬の風物詩とも言えるインフルエンザですが、意外と潜伏期間については無頓着なのではないでしょうか。

罹ってしまうと辛い症状がたくさん現れるので、予防法なども併せて紹介したいと思います。

インフルエンザとは?



実はインフルエンザとは「風邪の一種」です。

風邪は医学的に「かぜ症候群」と言われていて、上気道にウイルスによる感染症を起こすことで、喉の痛みや咳、鼻水、発熱などが見られる疾患のことを言います。

インフルエンザも上気道にウイルス感染による炎症が見られ、発熱するのが特徴なので、まさにかぜ症候群の条件にピッタリと当てはまっている訳です。

医師によっては「インフルエンザなんてただの風邪だから」という人もいて、自分の身内にはタミフルは飲ませないという人もいます。

ただ、国立感染症研究所によると、インフルエンザは風邪と似た症状が見られるものの、症状が重篤化しやすいため、一般のかぜ症候群とは分けて考えるべきだという見解のようです。

潜伏期間

一般的に潜伏期間は24時間から5日間であるとされています。医師によっては24時間から72時間と説明している方もいらっしゃいます。

また、実際に発症してから5日間はウイルスの排出が続けられ、その間は感染を拡大してしまうリスクがあるため注意が必要です。

幼児や高齢者の潜伏期間


幼児の場合、ウイルスに抵抗するリンパ球機能は成人と比較して低いです。このため、ウイルスに感染すると、ウイルスの増殖する速度が成人と比べて早いため、発症するまでの潜伏期間は短い=感染症の発症が早い傾向があります。幼稚園ではクラスで発生すると、あっという間に流行し学級閉鎖となる傾向も早いです。

その一方で、高齢者の場合では、発症するまでの期間は比較的長いです。この理由としては、高齢者の場合では、1年に1回必ず流行するインフルエンザにかかっていることが多いです。

体の免疫のシステムとして、一度ウイルスにかかると、体を守るリンパ球が、インフルエンザウイルスに感染した時のパターンを、どこかで覚えているからです。

そのため、ある程度の免疫細胞の記憶があるために、ウイルスに感染しても免疫細胞によりウイルスの増殖がある程度抑えられます。ウイルスがある程度増えて発熱という症状が出るまでにの時間が長くなり、潜伏期間が長引くと考えらております。

潜伏期間中でも人にうつることはありますか?


一般的に、発症する1日前から他の人に感染させる能力があるとされています。
しかし、発症する前から常に警戒して他の人に移さないようにするにはかなり精神的に参ってしまうと思います。

<予防法>
風邪と同じく常日頃からお部屋の換気、加湿、うがい、手洗いをしっかりしておきましょう。ヨード系のうがい薬はウイルスを殺す作用もあるのでお勧めです。と同時に風邪予防にもなります。
ウイルスは細菌と違って寒さに強く乾燥が大好きです。ウイルスの種類によっては冬場の自然環境で10日程度生きているとか。また乾燥していますと私たちののどは防御面でダメージを受けやすいです。

ただでさえ粘膜が荒れているところにウイルスがやってくると感染しやすくなります。お茶に含まれるカテキンには抗ウイルス効果があるといわれます。

のどを潤す目的と抗ウイルス効果を期待して適宜、お茶を飲まれるのもよいかと思います。立証されているわけではありませんがシャワーで鼻の中を洗うのもある程度有効ではないかと思います。

鼻から息を出しながら強めの流水のシャワーを鼻の穴の中に入れることで洗浄できます。慣れれば全く苦になりませんので、試されてもよいかもしれません。

潜伏期間だと判断することはできますか?


インフルエンザは感染者に接触し、感染者から排出されたウイルスが体内に入ってから、そのウイルスが私たちの上気道(鼻やのどの奥の粘膜細胞)の中で増殖し、細胞の外に出て、ネズミ算式に数が増え、一定以上の数になった時点で症状が現れます。

ウイルスが体内に侵入してから発症するまでの時間、つまり潜伏期間は1~2日間と考えられています。

この期間中には特に症状はなく、発症前にインフルエンザウイルスの検査を行っても陰性であり、血液検査をしても特に異常は見られません。

自分が潜伏期間中であり、これから発症するところなのかどうかを知る方法はないと考えて良いでしょう。

ワクチンの予防接種を受けておらず、発症した場合に重症化するリスクがある方(免疫抑制状態にある方、65歳以上の高齢者、呼吸器や心臓、腎臓に病気がある方など)、受験を控えていてどうしても発症したくないなどの事情がある場合、発症者に接触してしまった後に抗インフルエンザ薬の予防内服を行うことがあります。

予防内服は治療ではないので健康保険が効かず自費診療になります。ただし、例えば病院に別の病気で入院していた場合、同室の患者がインフルエンザを発症してしまったと判明した場合などに、費用を病院が負担の上で予防内服が行われることがあります。予防内服を行う場合、患者と接触してから36時間以内に内服を行うことが望ましいとされています。

ウイルスの感染力


人から人に感染する際に「飛沫感染」および「接触感染」すると言われています。
<飛沫感染>
感染した患者が、咳やくしゃみをすることで周囲にウイルスの含まれた飛沫を飛び散らせ、それを1m以内ぐらいの近くにいた人が吸いこむことで感染するというものです。
<接触感染>
感染患者がウイルスを含む唾液や鼻水のついた手で触れたものに触った者が、その手で自分の鼻・口を触ることで感染するというものです。
<空気感染>
つまりウイルス粒子単独が空気中を広範囲に舞い飛び感染するという感染方式は取らないとされています。

「空気感染」する病原体には結核や麻疹(はしか)があります。これらの病原体は乾燥に強く、唾液や粘液粒子に囲まれていなくても生存できますが、ウイルスは液体に包まれて空中を飛び、カーテンや壁に付着すればそれ以上は移動しません。

ですので病院に入院している患者でインフルエンザウイルス感染患者が出た場合、大部屋で周りをカーテンで囲むカーテン隔離が有効とされています。

また、結核に使用するN95マスクは必要なく、通常のマスクで効果があります。ただし鼻の根本や頬、あごにマスクと顔の隙間ができているとそこから漏れ出すことがあります。

ウイルスが物体に付着したあとどのぐらい生存し感染源となるかは、気温や湿度、ウイルスの状態や量によっても変わってきますが、通常2~8時間程度は感染力を持つと考えられます。

ドアノブやパソコンのマウスなど、多数の人が触る物体に付着しているかもしれないウイルスを無害化したい場合、60~80%のアルコール、次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用すれば15秒以内にウイルスを消毒することができるとされています。

単なる水拭きであっても、付着しているウイルスを減らす意味は十分にあります。患者と接触した場合、3日間症状が出なければ発症していないと考えて良いとされています。

潜伏期間は1日から3日程度で急激に発症するとされています。通常は自然に1週間程度で治るものですが時に気管支炎、肺炎、脳炎なども起こす怖い病気です。

個人の免疫力を高めるほか集団の免疫力を高めて流行を未然に防ぐためにもなるべく11月頃にインフルエンザワクチンを打っておくのがいいですね。成人でしたら1回の接種で約5か月効果が持続しており3月まで有効ですのでワンシーズン乗り越えられると考えられます。

症状


発熱


インフルエンザの最大の特徴は、通常の風邪とは違って高熱を発するということです。

あっという間に38.5度を超えるような高熱が出る傾向があります。

関節痛


高熱にともなって関節痛が現れます。普段よく使っている関節に特に強い痛みが出る傾向があるようです。

粘膜の炎症


上気道に炎症が起きることによって鼻やのどといった粘膜が腫れることにより、喉の痛みや咳、くしゃみや鼻水といった症状が現れます。

治療法、予防法


治療法


一般的にタミフルを内服したり、リレンザを吸入することがよく知られています。

その他にも、イナビルを吸入したり、ラピアクタの点滴を行うことがあるということです。

薬で治るの?


薬を飲むのは、これ以上体内のウイルスを増殖させないためで、ウイルスを殺せるわけではありません。

そのため、殺菌というより症状が出る期間を短くするということです。薬を飲まなくても、体が丈夫なら自然に治ります。なぜなら一種の風邪だからです。

予防法


予防法として最も一般的なのは、予防接種です。

一般的に、ワクチンの効果は予防接種を行った2週間後くらいからおよそ4~5ヶ月程度と考えられています。早目に打てばよい、というものではありません。

手洗いうがいの励行


インフルエンザも上気道に起こる感染症なので、うがいと手洗いほど大事なことはありません。あとは、健康状態に気をつけることです。

周りに発症した人がたくさんいても、自分が健康でさえあればそうそう感染するものではありません。外出の際にはマスクをすることも忘れずに。

治療の問題点


予防接種の是非


日本では予防と称して、ワクチンがジャブジャブ使われていることは先述しました。ただ、それによって罹患者が減っているという有効なデータはありません。

また、予防接種をしておけば、インフルエンザに罹った場合の症状が軽くなるなんて言いますが、定かではありません。

ウイルス耐性


日本では湯水のごとくワクチンが使われている結果、ワクチンへの耐性をもったインフルエンザウイルスが出現してきています。

つまり、ワクチンを用いることで、新たな脅威を生み出しているともいえます。

発症期間

発症期間


発熱や関節痛などが生じるまでの発症までの間は潜伏期間とされていて、その期間は早ければ1日、遅くても4-5日とされています。
そうして発症してから熱が下がるまでおおよそ4-7日程度の間が発症期間とされます。

ただし注意すべきはその感染力の強さで、潜伏期間の間や解熱してからの48時間(2日間)のあいだですら、人にインフルエンザをうつしてしまうリスクがあるという事です。
おや??と思ったら早めに検査をして、治ったと感じてもそれから2日間はしっかりと休むことが自分だけでなく他人へも大切なことなのです。

感染期間


感染期間は約1週間程度とされていますが、感染期間の終了はどこをもってして決まるのかというと、
インフルエンザ特有の高熱が治まってから48時間つまり、2日後までが感染期間とされています。

逆に言うと熱がなくなったとしてもそれ以降2日間はインフルエンザの感染期間であり、まだ他人への飛沫感染を起こしてしまうリスクのある患者という事になるのです。
そのため、学校や会社などには解熱から2日までは出席することをやめるように注意しましょう。この点は自分だけならず周りの人のためでもあります。

自宅待機期間


学校に通う方が罹患した場合に何日出席停止になるかは学校保健安全法で定められています。
現在は「発症した後5日を経過し、かつ解熱後2日(未就学の幼児は3日)経過するまで」出席停止が必要とされています。解熱が遅ければ出席停止期間は伸びることになります。

また欠席者が多い場合は学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖を4~5日行うこともあります。かつては「解熱後2日を経過するまで」出席停止だったのですが、抗インフルエンザ薬の普及により、早期に解熱してしまい、まだウイルス排出が続いているのに出席してしまう事態が起こるようになったため、平成24年から上記へと変更になりました。

社会人の場合は法律による決まりはなく、何日休業させるか・休業中の扱いは有給休暇になるのか病気休業になるのか・給料の扱いはなどの決まりは会社によって異なっています。
一般的にはインフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスが排出される可能性が高いとされています。そのため外出を控える必要があります。

排出ウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスは排出されています。咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクを着用する等の配慮が必要です。

予防には生活習慣の見直しが大事


インフルエンザを予防するには手洗い・うがいももちろん大事ですが、体を健康に保っておくことも大事です。

そもそも病気とは生活習慣の結果なので、普段から睡眠、栄養をしっかりとっておくことが肝心ということですね。

(監修:Doctors Me 医師)