風邪を引いて咳や痰(たん)がでることはだれでもあると思いますが、あまりにも長く続く場合には思ってもみなかった病気の可能性もあります。
今回の記事では、痰がでる時に考えられる代表的な疾患について見ていきたいと思います。
痰は黄緑っぽい色をしていますが、実はあれは白血球の死骸なのです。体に細菌やウイルスが侵入してくると、体の防衛部隊である白血球が出動して、細菌やウイルスと戦ってくれます。
その勇者たちの骸が痰として出てくる訳です。
体のどこかに問題が起きると、そこを回復させようと体から血液が集まってきます。その時に必ず、熱と痛み=炎症が現れます。つまり、炎症は悪くなっているのではなく、治そうとしている時に起こる治癒反応なのです。
それが気道に起きている時、痰が生じるというわけです。
風邪は医学的には「かぜ症候群」と言われる疾患で、上気道に炎症症状が起きる疾患の総称のことです。医師によっては下気道に見られる疾患までその範疇に加える人もいます。
上気道とは、鼻からのどにかけての空気の通り道のことで、下気道とは、器官を通って気管支を抜け、肺へと至る空気の通り道のことをいます。ここで起こる炎症がかぜ症候群という訳です。
原因のほとんどが、ウイルスによる感染であると言われています。ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスやRSウイルスがその代表的なものです。
かぜ症候群の症状はよく知られている通り、鼻水や咳、くしゃみや痰、発熱などがその代表的なものです。
風邪を治すには、基本的に安静と栄養補給です。よく「風邪を治せる薬が発明されたらノーベル賞ものだ」なんて言われますが、それは風邪のほとんどがウイルス性だからです。ウイルスに特効のある薬はありません。
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とも呼ばれており、空気の通り道となる気管支や肺に問題が起きることで、呼吸に支障が現れる生活習慣病の一種であるとされます。
最大の原因は喫煙です。喫煙者の割かはいずれ慢性閉塞性肺疾患を発症すると言われています。タバコの煙によって肺の中の気管支に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなります。
タバコの煙によって肺の中の気管支に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなることによって呼吸が苦しくなったり、肺胞が破壊されて「肺気腫」になってしまうと、肺におけるガス交換機能が低下します。
慢性閉塞性肺疾患によって起こった肺の変性は元に戻すことが出来ないため、まずは禁煙が必要となります。治療法としては薬物療法や運動療法、在宅酸素療法などが行われることとなります。
肺に見られる結核菌による感染症のことです。昔は日本人の死因のナンバー1だった時代もありましたが、医学の進歩にともなって患者数は一時期に比べて激減しました。それでも現代でも毎年2万人程度が発症する厄介な病気です。
結核の原因は結核菌に感染することですが、感染=発症ではありません。
免疫機能が正常に働いている場合は、結核菌の働きは抑えられているため休眠状態ですが、免疫機能が低下してくると、結核菌が悪さを始めることとなります。
結核の初期症状は風邪とよく似ていて、咳や痰、発熱といった症状が見られます。ただ、風邪と違う点は、通常風邪が1週間程度で症状が収まるのに対して結核の場合には、症状が2週間以上にわたって続くという点です。
結核の治療は通常、薬物療法によっておこなわれます。ただし、症状があまりにも強く、周囲への感染の恐れが高い場合には入院しての加療が必要となるケースもあります。
また、タバコはなるべく早いうちに卒業することも重要な予防法となります。
(監修:Doctors Me 医師)
今回の記事では、痰がでる時に考えられる代表的な疾患について見ていきたいと思います。
痰ってそもそもなんですか? なぜ出るのでしょうか
体の防衛反応
痰は黄緑っぽい色をしていますが、実はあれは白血球の死骸なのです。体に細菌やウイルスが侵入してくると、体の防衛部隊である白血球が出動して、細菌やウイルスと戦ってくれます。
その勇者たちの骸が痰として出てくる訳です。
治癒反応
体のどこかに問題が起きると、そこを回復させようと体から血液が集まってきます。その時に必ず、熱と痛み=炎症が現れます。つまり、炎症は悪くなっているのではなく、治そうとしている時に起こる治癒反応なのです。
それが気道に起きている時、痰が生じるというわけです。
その1:風邪
風邪とは
風邪は医学的には「かぜ症候群」と言われる疾患で、上気道に炎症症状が起きる疾患の総称のことです。医師によっては下気道に見られる疾患までその範疇に加える人もいます。
上気道とは、鼻からのどにかけての空気の通り道のことで、下気道とは、器官を通って気管支を抜け、肺へと至る空気の通り道のことをいます。ここで起こる炎症がかぜ症候群という訳です。
原因
原因のほとんどが、ウイルスによる感染であると言われています。ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスやRSウイルスがその代表的なものです。
症状
かぜ症候群の症状はよく知られている通り、鼻水や咳、くしゃみや痰、発熱などがその代表的なものです。
治療法
風邪を治すには、基本的に安静と栄養補給です。よく「風邪を治せる薬が発明されたらノーベル賞ものだ」なんて言われますが、それは風邪のほとんどがウイルス性だからです。ウイルスに特効のある薬はありません。
その2:慢性閉塞性肺疾患
慢性閉塞性肺疾患とは
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とも呼ばれており、空気の通り道となる気管支や肺に問題が起きることで、呼吸に支障が現れる生活習慣病の一種であるとされます。
原因
最大の原因は喫煙です。喫煙者の割かはいずれ慢性閉塞性肺疾患を発症すると言われています。タバコの煙によって肺の中の気管支に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなります。
症状
タバコの煙によって肺の中の気管支に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなることによって呼吸が苦しくなったり、肺胞が破壊されて「肺気腫」になってしまうと、肺におけるガス交換機能が低下します。
治療法
慢性閉塞性肺疾患によって起こった肺の変性は元に戻すことが出来ないため、まずは禁煙が必要となります。治療法としては薬物療法や運動療法、在宅酸素療法などが行われることとなります。
その3:結核
結核とは?
肺に見られる結核菌による感染症のことです。昔は日本人の死因のナンバー1だった時代もありましたが、医学の進歩にともなって患者数は一時期に比べて激減しました。それでも現代でも毎年2万人程度が発症する厄介な病気です。
原因
結核の原因は結核菌に感染することですが、感染=発症ではありません。
免疫機能が正常に働いている場合は、結核菌の働きは抑えられているため休眠状態ですが、免疫機能が低下してくると、結核菌が悪さを始めることとなります。
症状
結核の初期症状は風邪とよく似ていて、咳や痰、発熱といった症状が見られます。ただ、風邪と違う点は、通常風邪が1週間程度で症状が収まるのに対して結核の場合には、症状が2週間以上にわたって続くという点です。
治療法
結核の治療は通常、薬物療法によっておこなわれます。ただし、症状があまりにも強く、周囲への感染の恐れが高い場合には入院しての加療が必要となるケースもあります。
痰が出る時の注意点について
通常の風邪の場合は、1週間もすれば症状がなくなって平常に戻りますが、2週間以上に渡って痰が見られるような場合には、風邪以外の疾患の可能性も考えられるので、医療機関を受診して原因を特定することが大切です。まずはお医者さんで見てもらいましょう!
痰があまりにも長く続く場合、自己判断で放置せずに専門家の意見を聞きましょう。また、タバコはなるべく早いうちに卒業することも重要な予防法となります。
(監修:Doctors Me 医師)