暴飲暴食や体調を崩して下痢になったことって、だれでも一度や二度はなったことがあると思います。
特に若い人の場合、あまり下痢について深く考えることはないと思いますが、下痢のメカニズムを知ることで下痢への対処法も変わってきますよ。
疾患の可能性や対処法も含めてご紹介していきたいと思います。
□下痢とは水分量が90%を超えた便のことである
□原因は細菌・ウイルス・食習慣など様々である
□下痢止めを飲むのは必ずしも正解とは言えない
下痢について知らないという人はいないと思いますが、一応説明しておくと、健康な人の便の水分量が60%から80%なのに対して、
下痢便の水分量は90%を超えた状態で、軟便や泥状便、水様便などと表現されるように、非常に緩いゲル状、または液状の便のことをいいます。
下痢は大きく分けて急性下痢と慢性下痢の2つに分類されます。急性下痢は1日に十数回も水様便が出る下痢のことで、脱水症状を引き起こしかねないくらいの下痢のことをいいます。通常は4週間以内に収まると言われています。
慢性下痢は、1日の間に1回から2回の下痢便がでる状態のことをいい、些細なことがきっかけで下痢になってしまいます。症状が続く期間は急性下痢よりも長いという特徴があります。
水を1リットル飲むように言われると結構しんどいものですが、お酒好きの人ならビールを1リットル飲むのなどへっちゃらという人も多いと思います。
お酒好きの人にとってはそれだけアルコールは摂取しやすいということなのですが、飲み過ぎれば当然下痢という結果が待っています。
暴飲暴食によって腸が消化不良を起こすことで下痢になるパターンです。食べ過ぎると腸の蠕動運動が活発になり、早く出そうとするあまり水分の吸収が不十分になると、下痢便となって排泄されるという訳です。
アレルギー反応とは、体に入った異物を外に出そうとする働きが過剰になることをいいます。花粉症がその良い例ですが、アレルゲンのある食品を食べた場合、それを排出するために下痢や嘔吐がおこります。
ちなみに、花粉症によって下痢を起こすこともあるそうですよ。
子供の頃は平気だったのに、大人になって牛乳を飲むとお腹がゴロゴロと鳴ってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特にその症状が強い場合には、乳糖不耐症が疑われます。乳製品全般がダメという人は注意する必要があります。
ある種の薬を飲むことで下痢を起こしてしまうケースです。薬も体にとっては異物なので、排出反応が起こるのはある意味当然なのかもしれません。
特に抗生物質を飲んだ場合、悪玉菌だけではなく善玉菌も殺してしまうため下痢になりやすいと言われています。
下痢を起こすウイルスとして有名なものとしてはノロウイルスがあります。牡蠣などの二枚貝や、ウイルスに汚染された水などから感染すると言われています。
下痢以外にも発熱や嘔吐などが見られますが、通常は3日もすれば回復してしまうということです。
ノロウイルスと並んで有名なのがロタウイルスです。非常に感染力の高いウイルスで、特に乳幼児の間で爆発的に流行することが知られています。
下痢や嘔吐が3日から1週間程度も続き、高熱を発することもあります。乳幼児は抵抗力が弱いため、特に注意が必要となります。
細菌感染によって起こる下痢は、そのほとんどが食中毒と言われるものです。最もポピュラーなのが黄色ブドウ球菌です。
黄色ブドウ球菌の厄介なところは、100℃で30分加熱しても分解されない点で、食後数時間程度すると下痢やおう吐などの症状が現れるのが特徴です。
その他の細菌感染症による下痢の原因としては、カンピロバクターやサルモネラ菌、腸炎ビブリオなどが知られています。
寄生虫によっても下痢を起こすことがあります。下痢を起こす寄生虫としては、クリプトスポリジウム、ジアルジア、サイクロスポーラ、回虫、裂頭条虫、横川吸虫などがその代表的なものとして知られています。
下痢がおこった場合、辛いからといってなんでもかんでも下痢止めを飲むのは危険です。たとえばウイルス感染症の場合、ウイルスに対する特効薬はないので、下痢という形でウイルスを外に排出している訳です。
それなのに下痢止めを飲んでしまうとウイルスが長く体内に留まることになってしまいます。
ウイルスの場合と違って、細菌の場合には抗生物質という特効薬があります。そのため、細菌性の下痢で腸炎を起こしているような場合には、通常は抗生物質が処方されることとなります。
食あたりや食中毒は、同じものを食べてもなる人もいればならない人もいます。もちろん耐性の問題もあるのでしょうが、健康でいれば感染のリスクは低くなりますし、感染したとしても症状を軽微で済ませることが可能でしょう。
生のお肉や魚はよく加熱してから食べるようにしましょう。また、使い終わったまな板なども消毒することで感染のリスクを低下させることが可能です。手もよく洗うようにしましょう。
下痢や便秘になったら安易に薬を飲んで解決するのではなく、なぜそうなったのか日頃の生活習慣を振り返ってみることも必要でしょう。
便の状態が良ければおおむね健康と言って良いと思いますよ。
(監修:Doctors Me 医師)
特に若い人の場合、あまり下痢について深く考えることはないと思いますが、下痢のメカニズムを知ることで下痢への対処法も変わってきますよ。
疾患の可能性や対処法も含めてご紹介していきたいと思います。
要チェック項目
□下痢とは水分量が90%を超えた便のことである
□原因は細菌・ウイルス・食習慣など様々である
□下痢止めを飲むのは必ずしも正解とは言えない
下痢とはどのような状態のことをいうのですか?
水分量の多い便
下痢について知らないという人はいないと思いますが、一応説明しておくと、健康な人の便の水分量が60%から80%なのに対して、
下痢便の水分量は90%を超えた状態で、軟便や泥状便、水様便などと表現されるように、非常に緩いゲル状、または液状の便のことをいいます。
急性下痢
下痢は大きく分けて急性下痢と慢性下痢の2つに分類されます。急性下痢は1日に十数回も水様便が出る下痢のことで、脱水症状を引き起こしかねないくらいの下痢のことをいいます。通常は4週間以内に収まると言われています。
慢性下痢
慢性下痢は、1日の間に1回から2回の下痢便がでる状態のことをいい、些細なことがきっかけで下痢になってしまいます。症状が続く期間は急性下痢よりも長いという特徴があります。
下痢の原因となる飲食物や飲食習慣を教えて下さい!
アルコール
水を1リットル飲むように言われると結構しんどいものですが、お酒好きの人ならビールを1リットル飲むのなどへっちゃらという人も多いと思います。
お酒好きの人にとってはそれだけアルコールは摂取しやすいということなのですが、飲み過ぎれば当然下痢という結果が待っています。
暴飲暴食
暴飲暴食によって腸が消化不良を起こすことで下痢になるパターンです。食べ過ぎると腸の蠕動運動が活発になり、早く出そうとするあまり水分の吸収が不十分になると、下痢便となって排泄されるという訳です。
アレルギー
アレルギー反応とは、体に入った異物を外に出そうとする働きが過剰になることをいいます。花粉症がその良い例ですが、アレルゲンのある食品を食べた場合、それを排出するために下痢や嘔吐がおこります。
ちなみに、花粉症によって下痢を起こすこともあるそうですよ。
牛乳
子供の頃は平気だったのに、大人になって牛乳を飲むとお腹がゴロゴロと鳴ってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特にその症状が強い場合には、乳糖不耐症が疑われます。乳製品全般がダメという人は注意する必要があります。
薬剤
ある種の薬を飲むことで下痢を起こしてしまうケースです。薬も体にとっては異物なので、排出反応が起こるのはある意味当然なのかもしれません。
特に抗生物質を飲んだ場合、悪玉菌だけではなく善玉菌も殺してしまうため下痢になりやすいと言われています。
感染性の下痢について
ウイルス
下痢を起こすウイルスとして有名なものとしてはノロウイルスがあります。牡蠣などの二枚貝や、ウイルスに汚染された水などから感染すると言われています。
下痢以外にも発熱や嘔吐などが見られますが、通常は3日もすれば回復してしまうということです。
ノロウイルスと並んで有名なのがロタウイルスです。非常に感染力の高いウイルスで、特に乳幼児の間で爆発的に流行することが知られています。
下痢や嘔吐が3日から1週間程度も続き、高熱を発することもあります。乳幼児は抵抗力が弱いため、特に注意が必要となります。
細菌
細菌感染によって起こる下痢は、そのほとんどが食中毒と言われるものです。最もポピュラーなのが黄色ブドウ球菌です。
黄色ブドウ球菌の厄介なところは、100℃で30分加熱しても分解されない点で、食後数時間程度すると下痢やおう吐などの症状が現れるのが特徴です。
その他の細菌感染症による下痢の原因としては、カンピロバクターやサルモネラ菌、腸炎ビブリオなどが知られています。
寄生虫
寄生虫によっても下痢を起こすことがあります。下痢を起こす寄生虫としては、クリプトスポリジウム、ジアルジア、サイクロスポーラ、回虫、裂頭条虫、横川吸虫などがその代表的なものとして知られています。
下痢がおこった時の対処法を教えて下さい!
ウイルスの場合
下痢がおこった場合、辛いからといってなんでもかんでも下痢止めを飲むのは危険です。たとえばウイルス感染症の場合、ウイルスに対する特効薬はないので、下痢という形でウイルスを外に排出している訳です。
それなのに下痢止めを飲んでしまうとウイルスが長く体内に留まることになってしまいます。
細菌の場合
ウイルスの場合と違って、細菌の場合には抗生物質という特効薬があります。そのため、細菌性の下痢で腸炎を起こしているような場合には、通常は抗生物質が処方されることとなります。
下痢を予防するにはどうしたら良いでしょうか?
体調管理
食あたりや食中毒は、同じものを食べてもなる人もいればならない人もいます。もちろん耐性の問題もあるのでしょうが、健康でいれば感染のリスクは低くなりますし、感染したとしても症状を軽微で済ませることが可能でしょう。
加熱
生のお肉や魚はよく加熱してから食べるようにしましょう。また、使い終わったまな板なども消毒することで感染のリスクを低下させることが可能です。手もよく洗うようにしましょう。
下痢は体からのサインです!
下痢や便秘というのは、「体が今こんな状態ですよ」とサインを出してくれていることに他なりません。下痢や便秘になったら安易に薬を飲んで解決するのではなく、なぜそうなったのか日頃の生活習慣を振り返ってみることも必要でしょう。
便の状態が良ければおおむね健康と言って良いと思いますよ。
(監修:Doctors Me 医師)