下痢げり

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医師監修

下痢とは

理想的な便は、形や硬さがバナナの状態のものですが、それよりも便の水分が多くなった状態の便が出ることを下痢と言います。普段より少し柔らかい便を「軟便」、水のような便を「下痢便」と呼び、食あたりや消化不良、ストレスで下痢になることもあれば、ウイルスや細菌、腸内部の腫瘍が原因の下痢もあります。

下痢の症状

正常な便はバナナ状で水分量は60~70%程度で、表面がつるっとしておりひびが入っていません。これが80%以上になると軟便と呼ばれ、さらに90%以上を下痢便と呼びます。

便の種類はその性質によって軟便や泥状便、水溶便とも呼ばれます。たかが下痢と考えるかもしれませんが、発展途上の国々では主な死因の1つともなっており、侮ってはいけません。

●便の状態を見分けるポイント
便の色と形から分かる病気の一覧
1. 形:つるんとしている、コロコロしている、泥のようだ、ツブツブが浮いている など
2. 色:茶色、黄色っぽい、白っぽい、黒っぽい、血が混じっている など
3. その他の確認:悪臭がする、油っぽい など

●ブリストル便形状スケール
便の症状を伝えるためのブリストル排便スケールという7段階の指標も参考にしてみましょう。
ブリストル便形状スケール
日々の観察で、体調の変化、もしくは病気の種類や危険性などをある程度予測することが可能です。では、具体的にどのように事に注意して観察すればよいでしょうか?
まず、排便時に腹痛があるかどうかを確認してください。

●排便時に腹痛がない場合
もし、排便時に下痢の症状は見られてもそれに腹痛が伴っていない場合には、そこまで危険性が高いとは言えません。
2~3日ほど様子を見て、症状の移り変わりを観察してください。その間、水分補給も重要ですが、冷たい飲み物は症状を悪化させる危険性がありますので、冷えていない飲み物で水分補給するようにしてください。安静にして様子を見ておくことが重要です。

●排便時に腹痛がある場合
座ってお腹抑える男性
基本的に下痢の排便時に腹痛を伴っている場合は、出来る限り早い段階で病院へ行って検査を受けるようにしてください。腹痛だけではなく「発熱」の症状が出ている場合も同様です。

何らかの病気の存在が疑われますので、早めに治療を開始することで危険性を最小限に抑えられます。その際、可能な限り「どのような便が出たのか」を医師に報告することが重要です。

例えば、「便に血が混ざっている」とか「便がいつもよりも黒い」といった様子が見られる場合には、腸で出血が起こっている可能性があります。そうなると、胃腸系の重大な病気の可能性が高くなりますので、医療機関を受診されることをおすすめします。

「水下痢の色」で判る お腹の状態


水下痢の色で現在お腹がどのような状態なのか判断する事ができます。































水下痢の色 お腹の状態
茶色の水下痢 茶色の水下痢は正常に働いていて、腸がいつも以上に負担が発生しており、消化不良を起こしている状態になります。
黒色の水下痢 黒に近い色は、腸内温度が高くて匂いがかなりきつくなっています。
黄色の水下痢 黄色に近い便は栄養を正しく吸収しておらず、栄養もしくは貧血気味のお腹状態です。黄色の下痢が数日続いている場合、過敏性腸症候群を発症しており、ストレスなどが原因で発生する事も少なくありません。
赤色の水下痢 赤い便は出血を起こしていて、など原因になっている事が多いです。
白色の水下痢 白色はウイルス感染を引き起こしている可能性があって、ロタウイルスに感染している場合には白い水下痢が発生します。

このように、水下痢の色によって、どのようなお腹や体の調子なのか判断を行えます。

下痢の原因

便が下痢になってしまう原因としては、腸が正常な動きをしていないことが挙げられます。

通常、口から摂取された食物と水分は胃液などと合わさり、1日で9Lもの水分となって小腸へ送られます。小腸で7Lの水分を吸収し、残り2Lが大腸へ行き、ある程度吸収されながら便の形が形成されます。

正常な腸では「ぜん動運動」と呼ばれる動きで肛門まで便を運び、通過中に水分を吸収します。このとき、何らかの原因で「ぜん動運動」が過剰に働き、便が通過するスピードが速くなると十分に水分を吸収できません。そのため、便が軟便もしくは下痢便となるのです。

ほかにも、腸内の水分量調節機能に障害が起きたとき、便の水分を吸収できなくなり下痢便となります。正常な便は、食べ物を口に入れてから大体24時間ほどで便として排泄されるのに対し、下痢便は早くて10時間ほどで体外に排泄されてしまいます。

この状態では十分に栄養が吸収されていないだけでなく、水分も大きく失われてしまうため、ひどい状態では脱水症状も起こしてしまいます。

食べ物によるもの




● 運動亢進性下痢
これは腸管の運動が異常に活発になることによる下痢で、消化された食べ物に十分に水分が吸収されないまま腸を通過し、体の外に排出されることで起こります。主な原因として精神的ストレス、暴飲暴食、消化不良や冷えなどが挙げられます。下痢で一番多いのはこのタイプともいえます。

下痢になる可能性のある食べ物は人によって異なりますが、よく原因として挙げられるのは脂肪分の多い食べ物です。天ぷらや豚カツなどの揚げ物、油分の多い料理もまた下痢になる要因となっております。

● 浸透性下痢
腸の中の浸透圧が上昇することで水分・電解質などの吸収が十分にできなくなることが要因となります。牛乳を飲むと下痢になる方もいらっしゃいますが、これは牛乳や乳製品に含まれる乳糖を消化する力が弱いために、浸透圧が上昇してしまうことにより起こるものです。

また、虫歯予防用のガムや飴、ダイエット食品などで糖のかわりに使用されているキシリトールなどの人工甘味料でも浸透性下痢は起こることがあります。

ウイルスや細菌によるもの


色々な菌やウイルス
● 分泌性下痢
食あたりや水あたり、食物性アレルギーなどが原因となって引き起こされる下痢です。これは腸管内の塩類と水分の分泌が過剰になることで起こります。簡単にいえば、腸内の分泌物が増えすぎたことが原因の下痢です。

腸(小腸・大腸)は普段、栄養分や水分を吸収し、必要のないものを排出するのが主な役割ですが、同時に分泌物も出しています。細菌やウイルスなどの毒素が身体に入ると、この分泌液が過剰に増加するため下痢が起きやすくなります。原因となる毒素やウイルスをいち早く体の外に出そうと水っぽい下痢が続くのが特徴といえます。

食あたりやO-157、牡蠣や貝類などを食べることによって起こる食中毒、コレラ菌やある種のウイルスなどが原因ですが、絶食しても治ることがないため、少しでも異常を感じた場合は病院に行き、医師の診断を仰ぐことが大切です。特に梅雨時は細菌が増加するので食材管理・体調管理に気をつける必要があります。

体調が原因


体調が悪くうつ伏せになる人
体調が原因となって下痢が起こる場合、食物を消化する能力が落ちてしまっていることが考えられます。

体調の良いときであれば、下痢を起こすことのない食事の種類や量であっても、体調がよくないときには消化管そのものの機能が低下ため、うまく消化吸収ができずに不消化便、下痢便となってしまうことがあります。

また、極端に緊張していたり、大きなストレスを感じているときなどは、交感神経と副交感神経と呼ばれるふたつの自律神経のバランスが乱れて、下痢を起こしやすくなることも知られています。

私たちはよく「ストレス」とに一口に言いますが、「ストレス」の範囲は多岐にわたり、例えばよく「ストレス」といって思い浮かべる人間関係や仕事のノルマなどによるストレスだけでなく、疲労や睡眠不足といった身体的な状況も大きな意味ではストレスに含まれます。

こういった条件によっても自律神経のバランスが悪化して下痢となることが十分に考えられます。

下痢の治療法

治療法


暴飲暴食や消化不良による下痢は、腸の機能が低下しているサインでもあるため、下痢止めを使用する前に生活習慣を見直し、食物繊維を含んだ果物などを摂取し腸内環境を整えましょう。また食物アレルギーの疑いがある下痢は、病院にて血液検査を行い原因となる食物を突き止めることが大切です。

感染性による下痢の場合は食中毒の可能性があるため、下痢止めを服用することは注意が必要です。腸が細菌やウイルスを排出しようと働いているため、下痢止めを服用し止めてしまうと悪いものを出しきれずに症状が悪化してしまう可能性があります。

対処法


下痢になると水分補給に特に気をつけなければいけません。

特に子供やお年寄りは、下痢によって脱水症状が急に進むことがあります。水分補給を心がけ、一口ずつの水分補給が無理であれば「ひと匙」からの水分補給をしていきましょう。水やお茶より水分と電解質(塩)の入っているスポーツドリンクや、経口補水液が良いでしょう。

下痢を発症している人の世話をした場合は、手についた細菌やウイルスを腸に入れないための手洗い・うがいは必須です。

下痢は体にとって害あるものを排出しようとする働きでであり、腸内環境や心理状態を訴える体のシグナルとなっている場合もあります。下痢の状態を見極め、医療機関で適切な処置を受けることが大切です。

下痢の薬の上手な選び方・使い方

詳細をみる
下痢止めには幾つか種類があり、腸内の水分量を調節し腸管運動を正常化する薬や、蠕動運動と水分を抑制する薬、食あたりに有効な殺菌効果のある薬や腸粘膜の炎症を鎮める収れん剤などが市販薬にあります。他には漢方薬や、腸内環境を整える整腸薬などもよく利用される薬です。下痢症状には多くの原因が存在するため、薬のバリエーションの中から症状に合うタイプを選択して服用することが大切です。基本的に下痢止めとは、食べ過ぎや飲み過ぎなど症状の原因が瞭然である場合や、ストレス性などで突発的に始まるひどい下痢症状を抑えたい場合に使用する薬です。また、長く続く過敏性腸症候群の場合には効果的では無いため、整腸剤と併せて服用するなど、腸内環境のバランスを整えながら長期間をかけて症状の改善を促します。下痢は基本的に出して治療するとされますが、これはO-157やノロウイルス等の細菌やウイルス感染による下痢症状に主に当てはまり、細菌を体外に排出するためにも下痢止め薬の安易な服用は避けましょう。しかし症状の重度により、体力の消耗や脱水症状が懸念されるため、医師や薬剤師などの専門家に相談をし、症状緩和に適した薬を選びましょう。このように下痢は止めるだけでなく、症状に合わせた服用の仕方も重要です。
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