貧血というと、なんとなくふらついてしまうといったイメージを持っていることが多いですが、正直なところよく意味が解らないという人は多いです。

しかし、重大な病気であることも多く、しっかりと理解しておく必要があります。

そこで、今回は貧血についてご紹介します。

要チェック項目


□ほとんどの貧血症状は日々の生活の乱れによるもの
□時に鉄分不足以外の原因によるものがある
□貧血を改善させるためには日々の食生活の見直しが必須

貧血とは

貧血という言葉を聞くと、か弱い女の子が突然ふらついて倒れてしまうようなイメージがあります。

なんとなく、ふらついてしまうだけでそんなに危険性がないと考えてしまいがちですが、時に重大な病気にかかっている可能性もあります。

血液の中には、様々な役割を持つ成分を含んでいますが、その中に主に酸素を運ぶ赤血球の中にあるヘモグロビンが何らかの原因で減少することにより、全身が酸素不足に落陥ってしまう事を貧血と言います。

ヘモグロビンの基準値


赤血球の中のヘモグロビンの数値というのは、人によってさまざまですが、凡その目安としては、男性で、13.0g/dl未満、女性で12.0g/dl未満となると貧血であると診断することができます。

貧血の症状


貧血になると、動悸・息切れ・倦怠感・吐き気といった症状が起こりやすく、併発することも少なくありません。

貧血になってしまう原因

一般的に貧血というのは次のような原因であることが多いです。

生活習慣が原因によるもの


貧血の最も多くの原因としては、日常での生活習慣によるものが多いです。

・偏食家
・過剰なダイエット

上記のような理由により、生命活動において重要なたんぱく質、鉄分、ビタミン類などが体内で不足してしまう状態になると貧血症状を起こしやすくします。

妊娠・出産が原因によるもの


女性で貧血が多い原因としては、妊娠や出産、授乳によることによる原因もあります。これらの出産・育児活動によって母体の栄養分が子供に与えられ、貧血症状を起こすことがあります。

子供を育てる上で貧血症状が起こってしまうと、子供にわたる栄養分も不足してしまいますので早めの改善が必要となります。

月経が原因によるもの


子供を産まなくても、月経による出血により貧血になってしまうことがあります。普段から出血は少量であるか、多量であるかという事は関係なく貧血になることがありますので日々注意しておきましょう。

こんなにある! 貧血の種類

一言で貧血といっても、実は様々な貧血の種類があります。ここで、特に多い貧血の種類をご紹介したいと思います。

鉄欠乏性貧血


最も多く、よく言われる貧血症状というのは、この鉄欠乏性貧血です。健康診断などで、指摘される貧血もこの貧血であり、頭痛やめまい、吐き気、動悸、氷食症などの症状があります。

失血性貧血


これは、赤血球のヘモグロビンが少ないのではなく、血液自体が不足した時に起こる貧血です。血液が急激に減少することにより、血圧が低下しめまいや疲労感、引き切れを引き越します。

2次性貧血


これは、主に感染症や悪性腫瘍、腎不全等の病気により、鉄代謝が抑制されたり、エリスロポエチンという赤血球の成熟を促すホルモンが分泌されないことなどによって発生するものです。

ビタミンB12欠乏性貧血・葉酸欠乏性貧血


文字通りビタミンB12や葉酸が不足することにより発症する貧血です。偏食家に多く、倦怠感や息切れ、顔面蒼白などの症状が起こります。

溶血性貧血


何らかの原因で、自身の赤血球に抗体が作られてしまい、自分自身で赤血球を破壊してしまう症状です。このような自己免疫性の疾患は珍しいです。

貧血気味かどうかセルフチェック

貧血症状の場合、病院で精密な検査を受けなくとも、ある程度自己診断をすることが可能です。

これから紹介するチェック項目をセルフチェックして、当てはまる項目が多い場合は、貧血を疑いましょう。

□疲れやすい
□口内炎や口角炎ができやすい
□抜け毛が多い
□朝目覚めにくい
□肩こりが酷い
□頭痛が頻発する
□顔色が青い、もしくは青白い
□ダイエット中である
□朝食を抜くことがある
□ファーストフードやカップ麺が好き
□外食をすることが多い

貧血を解消するためには

貧血であると判断できた場合や、病院で診断された場合はしっかりと治療する必要性があります。ここでは、貧血を治療するための方法をご紹介します。

食事


貧血の多くは、鉄欠乏性貧血であることが多いです、そのため、日々の食生活を改善することで徐々に貧血症状を改善させることができます。

食事は、1日3食をできるだけ同じ時間に食べるようにして、間食をしないようにしましょう。鉄分は、動物性たんぱく質やビタミンCとともに食べると吸収効率がいいです。

錠剤


鉄欠乏性貧血が原因ではない場合は、食事療法だけでは改善させることができない可能性が高いです。その場合は、医師の指導の下、錠剤により鉄分を補給して改善を目指します。

また、鉄分が体内で変換されて蓄積されるフェリチンが減少することにより貧血症状を引き起こすことがありますので、鉄の補給するフェロミア錠を服用することで改善されることがあります。

楽観視しすぎてはいけない

今回は、意外に知らない貧血の症状や原因、その種類についてご紹介させていただきました。

貧血の多くは、鉄分が不足したことによるものですが、そのほかの原因であることもあり、楽観視しすぎてはいけません。

貧血症状を自己診断して、貧血だと判断できれば、医師の診断を仰ぐようにしましょう。

鉄欠乏性貧血の場合は、食生活の改善で治ることも多いですので、日々の食事をしっかりと摂るようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)