反社会性人格障害という言葉をご存知でしょうか。
あるいはサイコパスという言葉ならご存知の方も多いかもしれませんね。
いったいどんな障害なのでしょうか。治療することは可能なのでしょうか。
□反社会性人格障害は社会のルールを守らないことが多い
□幼児期から行為障害を発症していることが多い
□薬などはないが本人の意思次第で改善していくことは可能
とにかく社会のルール(法律や校則)に則った行動ができないのが特徴です。ルールを破ることに一切の罪悪感を持たず、倫理観や道徳心にかけるところも見られるので、人をだましたり傷つけたりするたりすることもあります。
別の言い方では「サイコパス」と呼ばれていることも。こちらの言葉なら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
むかし学校の先生のいうことが全然聞けなかったという子が身近にいたかもしれませんが、もしかしたらこういった事情があったのかもしれません。
ただしこの反社会性人格障害に悩んでいる人も多く、改善に向けて努力をしているという方もいるので、決して差別的な捉え方をしないようにしましょう。
・社会的なルールに従うことができない
・人をだますことに抵抗がない、またそれによって貶めようとする
・行動が衝動的、計画性のないことが多い
・すぐにカッとなって相手を攻撃してしまう
・周囲の安全を気にかけない、他人だけでなく自分の安全すら疎かにしてしまう
・自分の行動に対して無責任、すぐに他人に責任を擦り付けようとする
・口が上手で、表面上は他人から慕われている人もいる
もちろん全員がすべての項目に当てはまるというわけではなく、人によって程度の差はあります。ですが特に注目してほしいのは一番下の項目「口が上手で表面上は他人から慕われている人もいる」という点です。
彼らは常に自分本位であるため、自分の言っていることがすべて正しいと思っています。
たとえそれが嘘のことでもまるで本当のことのように語り出すため、周りからは「すごい人」のように思われていることだってあるのです。
しかも普通の人がしないような発想力を持っていることもあり、他の人には魅力的に映っていることも。これが単なる暴力的な人との最大の違いとなります。
やはり社会のルールを逸脱するような暴力的な行為、あるいは放火や窃盗(万引き)のように決して子供のいたずらでは済まされないような行為が見られることもあります。
そしてこういった行動に対して一切の罪悪感がないというのも、反社会性人格障害と共通していますね。これらは小児期後期~青年期にかけて発症していくといわれており、女児よりも男児の方の割合が高いのが特徴。
また遺伝的要因と環境的要因のどちらも影響していることが多く、親も少年期にこういった反社会的な行為があった、あるいは現在進行形でこういった行為がみられることも少なくありません。
行為障害を発症しても、半数ほどは成長するにつれて治まっていきます。しかし中には青年になってもこういった症状が治まらないことがあり、18歳以上になるとそれが反社会性人格障害として診断されるようになるのです。
人格障害は「奇妙で風変わりな」A群、「感情的で移り気なタイプ」のB群、「不安で内向的である」C群の3タイプに分けられ、反社会性人格障害はこのうちのB群ですね。
B群の人格障害には他にも「境界性パーソナリティ障害」や「自己愛性パーソナリティ障害」などがあります。
境界性パーソナリティ障害では、とにかく感情の波が激しいのが特徴の人格障害です。
感情のブレーキが効かないため、ちょっとでも不安なことがあるとヒステリックな振る舞いをしてしまいます。またギャンブルやアルコールに依存したり、衝動的な買い物による浪費癖が見られることも。
対人関係でも感情のコントロールが効かないため、基本的には人の話が聞けません。しかし依存できる相手が見つかると、どっぷりと依存してしまうことだって珍しくありません。
この自己愛性パーソナリティ障害は、自分が「特別な存在」であると認識しているのが特徴です。しかし心の奥底では自分に自信がなく、常に他者と自分とを比べ、自分の方が優れていると認識することで平静を装っています。
とにかく自分が他者よりも優れていることを示したいため、自分の行いに対して過剰な賛美を求めたがったり、あるいは特別扱いをされたがるという特徴も見られます。
しかしその一方で自分に対する低い評価を受け入れることができず、ちょっと批判をされただけでひどく落ち込んでしまうこともあります。
上記のようにさまざまな人格障害がありますが、もしあなた自身が他人と少し違っているからといってそれを悲観することはありませんし、また他人が少し変わりものだったとしても、
できることならそれを否定するのではなく、(適切な距離感を取りながらでいいので)個性として受け入れてあげてください。
といっても、患者が自ら医療機関へ相談に来るのではなく、何かしらのトラブルがきっかけでカウンセリングを受けるところから始まることがほとんどみたいです。
また特効薬があるというわけではなく、症状が改善するかどうかも本人の意思次第。治療といっても治療らしいことはほとんどできません。
しかし本人がこの症状に悩んでいればいるほど症状が改善する可能性も高くなってきますので、最後はあきらめないことが肝心です。
もしかしたらこの記事をお読みになっている皆さんの中には、自分が他人と違うことに悩んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが決して悲観しないでください。自分の意識や努力次第では十分に改善可能なのです。
(監修:Doctors Me 医師)
あるいはサイコパスという言葉ならご存知の方も多いかもしれませんね。
いったいどんな障害なのでしょうか。治療することは可能なのでしょうか。
要チェック項目
□反社会性人格障害は社会のルールを守らないことが多い
□幼児期から行為障害を発症していることが多い
□薬などはないが本人の意思次第で改善していくことは可能
反社会性人格障害とは
反社会性パーソナリティ障害とも言われています。これを簡単に表すと「問題児」あるいは「自己中心的」という言葉がイメージに合うでしょうか。とにかく社会のルール(法律や校則)に則った行動ができないのが特徴です。ルールを破ることに一切の罪悪感を持たず、倫理観や道徳心にかけるところも見られるので、人をだましたり傷つけたりするたりすることもあります。
別の言い方では「サイコパス」と呼ばれていることも。こちらの言葉なら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
むかし学校の先生のいうことが全然聞けなかったという子が身近にいたかもしれませんが、もしかしたらこういった事情があったのかもしれません。
ただしこの反社会性人格障害に悩んでいる人も多く、改善に向けて努力をしているという方もいるので、決して差別的な捉え方をしないようにしましょう。
反社会性人格障害の特徴
先ほども言った通り、反社会性人格障害の人は社会的なルールを守らないことをはじめとして、様々な特徴があります。それらをまとめると以下の通りです。・社会的なルールに従うことができない
・人をだますことに抵抗がない、またそれによって貶めようとする
・行動が衝動的、計画性のないことが多い
・すぐにカッとなって相手を攻撃してしまう
・周囲の安全を気にかけない、他人だけでなく自分の安全すら疎かにしてしまう
・自分の行動に対して無責任、すぐに他人に責任を擦り付けようとする
・口が上手で、表面上は他人から慕われている人もいる
もちろん全員がすべての項目に当てはまるというわけではなく、人によって程度の差はあります。ですが特に注目してほしいのは一番下の項目「口が上手で表面上は他人から慕われている人もいる」という点です。
彼らは常に自分本位であるため、自分の言っていることがすべて正しいと思っています。
たとえそれが嘘のことでもまるで本当のことのように語り出すため、周りからは「すごい人」のように思われていることだってあるのです。
しかも普通の人がしないような発想力を持っていることもあり、他の人には魅力的に映っていることも。これが単なる暴力的な人との最大の違いとなります。
幼児期から行為障害を発症している
反社会性人格障害を診断される人は、15歳以前に「行為障害」が発症していることがほとんどです。行為障害とは簡単にいえば「非行」ですね。やはり社会のルールを逸脱するような暴力的な行為、あるいは放火や窃盗(万引き)のように決して子供のいたずらでは済まされないような行為が見られることもあります。
そしてこういった行動に対して一切の罪悪感がないというのも、反社会性人格障害と共通していますね。これらは小児期後期~青年期にかけて発症していくといわれており、女児よりも男児の方の割合が高いのが特徴。
また遺伝的要因と環境的要因のどちらも影響していることが多く、親も少年期にこういった反社会的な行為があった、あるいは現在進行形でこういった行為がみられることも少なくありません。
行為障害を発症しても、半数ほどは成長するにつれて治まっていきます。しかし中には青年になってもこういった症状が治まらないことがあり、18歳以上になるとそれが反社会性人格障害として診断されるようになるのです。
さまざまな人格障害
実は反社会性人格障害は、数ある人格障害の中の1つです。人格障害は「奇妙で風変わりな」A群、「感情的で移り気なタイプ」のB群、「不安で内向的である」C群の3タイプに分けられ、反社会性人格障害はこのうちのB群ですね。
B群の人格障害には他にも「境界性パーソナリティ障害」や「自己愛性パーソナリティ障害」などがあります。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害では、とにかく感情の波が激しいのが特徴の人格障害です。
感情のブレーキが効かないため、ちょっとでも不安なことがあるとヒステリックな振る舞いをしてしまいます。またギャンブルやアルコールに依存したり、衝動的な買い物による浪費癖が見られることも。
対人関係でも感情のコントロールが効かないため、基本的には人の話が聞けません。しかし依存できる相手が見つかると、どっぷりと依存してしまうことだって珍しくありません。
自己愛性パーソナリティ障害
この自己愛性パーソナリティ障害は、自分が「特別な存在」であると認識しているのが特徴です。しかし心の奥底では自分に自信がなく、常に他者と自分とを比べ、自分の方が優れていると認識することで平静を装っています。
とにかく自分が他者よりも優れていることを示したいため、自分の行いに対して過剰な賛美を求めたがったり、あるいは特別扱いをされたがるという特徴も見られます。
しかしその一方で自分に対する低い評価を受け入れることができず、ちょっと批判をされただけでひどく落ち込んでしまうこともあります。
上記のようにさまざまな人格障害がありますが、もしあなた自身が他人と少し違っているからといってそれを悲観することはありませんし、また他人が少し変わりものだったとしても、
できることならそれを否定するのではなく、(適切な距離感を取りながらでいいので)個性として受け入れてあげてください。
反社会性人格障害は治療可能?
さて、この反社会性人格障害は治療することができるのでしょうか? 基本的にはカウンセリングの治療が行われます。といっても、患者が自ら医療機関へ相談に来るのではなく、何かしらのトラブルがきっかけでカウンセリングを受けるところから始まることがほとんどみたいです。
また特効薬があるというわけではなく、症状が改善するかどうかも本人の意思次第。治療といっても治療らしいことはほとんどできません。
しかし本人がこの症状に悩んでいればいるほど症状が改善する可能性も高くなってきますので、最後はあきらめないことが肝心です。
反社会性人格障害は決して怖いことではない
いかがだったでしょうか。もしかしたらこの記事をお読みになっている皆さんの中には、自分が他人と違うことに悩んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが決して悲観しないでください。自分の意識や努力次第では十分に改善可能なのです。
(監修:Doctors Me 医師)