肝硬変という病気の名前は聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
お酒が好きな方はアルコール性肝炎に関連するので知っている方もいるかもしれません。
今回は肝硬変の原因や検査、治療方法についてご紹介します。
□肝硬変は肝炎や代謝異常疾患が原因
□検査方法は血液検査や画像診断
□治療方法は原因となる病気を治すこと
肝臓は傷を修復しようとするのですが、このとき線維というタンパク質がつくられます。慢性的な状態であれば、肝臓全体に傷ができるので、いたるところで線維がつくられます。
線維化が進むと、肝細胞が線維で囲まれ、肝臓全体がでこぼこして硬くなってしまいます。これが肝硬変と呼ばれる理由です。肝硬変になると肝臓の機能は当然落ちますし、線維化が進むと自然に修復されることはありません。
B型肝炎やC型肝炎が原因の場合です。特に慢性肝炎になった場合は肝臓が長期的に傷つくことになり、肝硬変になる可能性が高いようです。また、肝炎ウイルスは主に輸血や針刺し事故など血液や体液を介して感染します。
自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆肝炎(PBC)が原因になる場合です。無症状のままが多く、気づかないうちに進行していることがあるようです。さらに、原因もはっきりしていないため治療も難しいとされています。
肥満や糖尿病が原因で発症する非アルコール性脂肪肝炎も肝硬変の原因の一つです。食生活を見直し、運動をして生活習慣病の予防をするのが大切です。
アルコールの過剰摂取が原因の場合です。アルコールを摂りすぎると、アルコール性肝炎をはじめとするさまざまな肝臓の病気を発症するとされています。肝硬変はその病気の中でも最終段階に位置するもののようです。
ヘモクロマトーシスやウィルソン病といった代謝異常の病気も原因になります。遺伝性疾患ですが治療は可能なので、早期発見することが重要です。
血液中にビリルビンという色素が増加している状態です。皮膚や目が黄色くなり、この症状が出てくることはかなり病気が進行しているサインでもあります。
お腹に水がたまってふくらんだ状態のことです。肝硬変の代表的な症状とされており、重症化の目安にもなっています。
首や胸、頰などにくもの巣状の毛細血管が浮かび上がった状態です。この症状が出てくる場合は病態が進行している可能性があるので、早めに血液検査を受けてみるのが良いようです。
手のひらの両側が真っ赤になった状態のことです。
他にも、合併症として肝性脳症や腹壁静脈拡張などが挙げられます。
一番よく行われるのが血液検査です。血液中のASTやALTといった生化学物質の値を調べることで肝臓の状態や肝硬変の進行度知ることができます。
他にもアルブミンやコリンエステラーゼ、総ビリルビンなどの値も参考にされています。
肝硬変になると肝臓がでこぼこになるので、それを確認します。また、シャントと呼ばれる異常血管の発達や腹水の程度を見ることもできます。
CTスキャンでも肝臓のでこぼこの程度を見ます。造影剤を使えば、シャントの様子がよくわかるようになります。
肉眼で肝臓を観察することで肝臓表面の状態から判断します。
肝臓に細い針を刺して、一部を採取します。採取した細胞から顕微鏡用の標本をつくって細胞を確認します。肝硬変の場合は肝細胞のまわりに線維が見られ、肝硬変であることがわかります。
肝臓に振動波を当てることで肝臓の硬さを測る方法です。検査による痛みはなく、経過観察の利用などが期待されています。
ウイルス性肝炎の場合は抗ウイルス薬の服用、アルコール性肝炎の場合はお酒を控えるようにしましょう。また、非アルコール性肝炎の場合はバランスのとれた食生活と適度な運動をすることが重要です。
さらに、一般的な治療では黄疸や腹水が改善しない場合は肝移植を行うという手もあります。
肝硬変の原因となる肝臓を傷つける要因としては肝炎や代謝異常疾患が挙げられます。血液検査や画像診断で肝硬変と診断された場合は、それらの原因となる病気を治療することが肝硬変の治療にもつながります。
アルコール性肝炎や非アルコール性肝炎は、アルコールを控えたり食生活を見直したり、適度な運動をすることで予防することができます。肝硬変の予防にもつながるので是非実践していきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
お酒が好きな方はアルコール性肝炎に関連するので知っている方もいるかもしれません。
今回は肝硬変の原因や検査、治療方法についてご紹介します。
要チェック項目
□肝硬変は肝炎や代謝異常疾患が原因
□検査方法は血液検査や画像診断
□治療方法は原因となる病気を治すこと
肝硬変とは?
B型肝炎やC型肝炎といったウイルス性肝炎やアルコール性肝炎になっていますと肝臓が傷ついてしまいます。肝臓は傷を修復しようとするのですが、このとき線維というタンパク質がつくられます。慢性的な状態であれば、肝臓全体に傷ができるので、いたるところで線維がつくられます。
線維化が進むと、肝細胞が線維で囲まれ、肝臓全体がでこぼこして硬くなってしまいます。これが肝硬変と呼ばれる理由です。肝硬変になると肝臓の機能は当然落ちますし、線維化が進むと自然に修復されることはありません。
肝硬変につながる病気
肝臓が傷つくことで肝硬変になります。傷つく原因になるものとしては大きく5つあります。ウイルス性
B型肝炎やC型肝炎が原因の場合です。特に慢性肝炎になった場合は肝臓が長期的に傷つくことになり、肝硬変になる可能性が高いようです。また、肝炎ウイルスは主に輸血や針刺し事故など血液や体液を介して感染します。
自己免疫性
自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆肝炎(PBC)が原因になる場合です。無症状のままが多く、気づかないうちに進行していることがあるようです。さらに、原因もはっきりしていないため治療も難しいとされています。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
肥満や糖尿病が原因で発症する非アルコール性脂肪肝炎も肝硬変の原因の一つです。食生活を見直し、運動をして生活習慣病の予防をするのが大切です。
アルコール性
アルコールの過剰摂取が原因の場合です。アルコールを摂りすぎると、アルコール性肝炎をはじめとするさまざまな肝臓の病気を発症するとされています。肝硬変はその病気の中でも最終段階に位置するもののようです。
代謝性
ヘモクロマトーシスやウィルソン病といった代謝異常の病気も原因になります。遺伝性疾患ですが治療は可能なので、早期発見することが重要です。
肝硬変の症状
では、肝硬変になるとどのような症状がでてくるのでしょうか。順番に見ていきましょう。黄疸
血液中にビリルビンという色素が増加している状態です。皮膚や目が黄色くなり、この症状が出てくることはかなり病気が進行しているサインでもあります。
腹水
お腹に水がたまってふくらんだ状態のことです。肝硬変の代表的な症状とされており、重症化の目安にもなっています。
くも状血管拡張
首や胸、頰などにくもの巣状の毛細血管が浮かび上がった状態です。この症状が出てくる場合は病態が進行している可能性があるので、早めに血液検査を受けてみるのが良いようです。
手掌紅斑
手のひらの両側が真っ赤になった状態のことです。
他にも、合併症として肝性脳症や腹壁静脈拡張などが挙げられます。
肝硬変の検査
肝硬変の検査方法には血液検査と画像診断の二種類があります。さらに画像診断には超音波検査やCTスキャン、腹腔鏡、肝生検、肝硬度測定(フィブロスキャン)があります。血液検査
一番よく行われるのが血液検査です。血液中のASTやALTといった生化学物質の値を調べることで肝臓の状態や肝硬変の進行度知ることができます。
他にもアルブミンやコリンエステラーゼ、総ビリルビンなどの値も参考にされています。
超音波検査
肝硬変になると肝臓がでこぼこになるので、それを確認します。また、シャントと呼ばれる異常血管の発達や腹水の程度を見ることもできます。
CTスキャン
CTスキャンでも肝臓のでこぼこの程度を見ます。造影剤を使えば、シャントの様子がよくわかるようになります。
腹腔鏡
肉眼で肝臓を観察することで肝臓表面の状態から判断します。
肝生検
肝臓に細い針を刺して、一部を採取します。採取した細胞から顕微鏡用の標本をつくって細胞を確認します。肝硬変の場合は肝細胞のまわりに線維が見られ、肝硬変であることがわかります。
肝硬度測定(フィブロスキャン)
肝臓に振動波を当てることで肝臓の硬さを測る方法です。検査による痛みはなく、経過観察の利用などが期待されています。
肝硬変の治療法
肝硬変を直接治す方法はありません。そのため、肝硬変になる原因となる肝炎や代謝異常の治療をすることが肝硬変の治療につながることになります。ウイルス性肝炎の場合は抗ウイルス薬の服用、アルコール性肝炎の場合はお酒を控えるようにしましょう。また、非アルコール性肝炎の場合はバランスのとれた食生活と適度な運動をすることが重要です。
さらに、一般的な治療では黄疸や腹水が改善しない場合は肝移植を行うという手もあります。
肝臓に負担をかけないようにしよう!
肝硬変は傷ついた部分を修復する際につくられる線維というタンパク質が増えていくために起こります。線維化した肝臓は硬くなり自然に治癒することはありません。肝硬変の原因となる肝臓を傷つける要因としては肝炎や代謝異常疾患が挙げられます。血液検査や画像診断で肝硬変と診断された場合は、それらの原因となる病気を治療することが肝硬変の治療にもつながります。
アルコール性肝炎や非アルコール性肝炎は、アルコールを控えたり食生活を見直したり、適度な運動をすることで予防することができます。肝硬変の予防にもつながるので是非実践していきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)