年々、増加傾向にある糖尿病の患者数。糖尿病の改善・予防には食事療法が欠かせません。
今回は糖尿病の食事療法について考察していきたいと思います。
1. 血糖値の急激な上昇を抑えるために「1日3食バランスよく」が鉄則
2. 標準体重と活動量から1日に必要なエネルギー量を知る
3. 食べる順番は「野菜→肉・魚→ご飯」の順
1日1食や2食にしてしまうと、1回の食事量が増えてしまいます。そうすると食事をしたあとの血糖の上昇が高くなるのです。
糖尿病の食事療法は過食を避け、同じエネルギー量のご飯を3食、バランス良く食べることです。もっとも悪い食事の摂り方は朝食を抜いて、夜にたくさん食べること。このような食事の摂り方はしないようにしましょう。
医者から食事の量を指示されている方はその量を守ってください。そうではない方、もしくは糖尿病の予防のためにも、食生活を改善したい方は以下のことを確認しましょう。
まずは自分の標準体重がどれぐらいなのかを知りましょう。標準体重は次の公式で調べることができます。
「標準体重=身長(m)× 身長(m)× 22」
例えば身長が165cmの方の場合「1.65 × 1.65 × 22 = 59.895(標準体重)」となります。身長をm(メートル)にするのを忘れないようにしてください。
次に1日どれくらい活動するかを調べます。活動量は下記の3項目を目安にしてください。
・事務や家事などの軽い仕事(25〜30kcal)
・立ち仕事や軽作業など普通の仕事(30〜35kcal)
・力仕事や肉体労働など重い仕事(35kcal〜)
自分の1日の活動量がどれぐらいなのかを決めましょう。そして、標準体重と活動量を使って1日のエネルギー量を算出します。先ほど例に挙げた165cmの方の場合で考えてみましょう。
59.895(標準体重)× 30(軽い仕事)= 1796.85kcal
身長165cmの方が軽い仕事をする場合、1日の必要エネルギー量は約1800kcalとなります。この1800kcalを目安に1日の食事を摂ることになります。
しかし、バランスの良い食事と言われても、栄養分を考えた献立を毎日考えるのは至難の技です。
バランスの良い食事を摂るのがもっとも良いのですが、慣れない方はまず、食べる順番を変えましょう。
具体的には下記のような流れで食事をするようにします。
1. サラダ・海藻類・キノコ類など、ミネラルや食物繊維を多く含む食材を最初に食べる。
2. 次に肉・魚・卵など、たんぱく質を含んだ食材を食べる。
3. 最後にご飯やパンなど、炭水化物を多く含む食材を食べる。
この食べ方のメリットとしては、食べ過ぎを防ぐ効果があります。私たちが食事によって満腹感を得るまでには、最低でも約20分間かかると言われています。
ご飯やパンを最初に食べると満腹感を得る前に食べ終わってしまい、おかわりしてしまう可能性が高くなります。食べ過ぎを防ぐためにもサラダや海藻類を先に食べ、空腹感をなくしていきましょう。
またご飯やパンなどの炭水化物は血糖値を急激に上昇させてしまいます。肉や魚を先に食べると、インクレチンと呼ばれるホルモンが分泌され、血糖値の上昇を抑えるとも言われています。
アルコールはエネルギー量が高く、糖質も高いため控えた方がいいです。また、お酒はついつい飲みすぎたり、おつまみを食べ過ぎたりする場合があるため、なるべく飲まない方がいいでしょう。
外食は基本的に味が濃く、エネルギー量も高くなりがちです。最近はメニューに栄養素が記入されているものが多いので、食事をするときは栄養素を考えたメニューを注文するようにしましょう。
お菓子は炭水化物と脂質が高く、ジュースはブドウ糖と果糖が多く含まれています。糖分が少ないと思われているスポーツドリンクも種類によっては糖分が含まれているため、飲みすぎには注意です。
濃い味つけの料理だと、ご飯が進みがちです。なるべく薄味にすることで食べ過ぎを防ぐことができます。また、塩分の取りすぎは高血圧の原因にもなるので注意しましょう。
毎日、完璧な食事メニューを摂り続けるのは難しいと思います。
しかし食生活を意識し、改善できるところを少しでも増やしていけば、あなたの体の健康は随分と変わることでしょう。
いきなり全部とは言わず、ひとつずつ自分の食生活を改善していくことが大切です。
(監修:Doctors Me 医師)
今回は糖尿病の食事療法について考察していきたいと思います。
糖尿病の食事療法、3つのポイント
1. 血糖値の急激な上昇を抑えるために「1日3食バランスよく」が鉄則
2. 標準体重と活動量から1日に必要なエネルギー量を知る
3. 食べる順番は「野菜→肉・魚→ご飯」の順
「1日3食バランスよく」が鉄則
糖尿病には1日3食の規則正しい食生活が良いと言われています。理由は血糖値です。1日1食や2食にしてしまうと、1回の食事量が増えてしまいます。そうすると食事をしたあとの血糖の上昇が高くなるのです。
糖尿病の食事療法は過食を避け、同じエネルギー量のご飯を3食、バランス良く食べることです。もっとも悪い食事の摂り方は朝食を抜いて、夜にたくさん食べること。このような食事の摂り方はしないようにしましょう。
1日に必要なエネルギー量を知る
糖尿病の食事療法には規則正しい1日3食の食生活が大切なのですが、単に1日3食の食事をすればいいというわけではありません。1日に必要なエネルギー量の食事を摂ることが重要になります。医者から食事の量を指示されている方はその量を守ってください。そうではない方、もしくは糖尿病の予防のためにも、食生活を改善したい方は以下のことを確認しましょう。
標準体重を調べる
まずは自分の標準体重がどれぐらいなのかを知りましょう。標準体重は次の公式で調べることができます。
「標準体重=身長(m)× 身長(m)× 22」
例えば身長が165cmの方の場合「1.65 × 1.65 × 22 = 59.895(標準体重)」となります。身長をm(メートル)にするのを忘れないようにしてください。
1日の活動量の目安を出す
次に1日どれくらい活動するかを調べます。活動量は下記の3項目を目安にしてください。
・事務や家事などの軽い仕事(25〜30kcal)
・立ち仕事や軽作業など普通の仕事(30〜35kcal)
・力仕事や肉体労働など重い仕事(35kcal〜)
自分の1日の活動量がどれぐらいなのかを決めましょう。そして、標準体重と活動量を使って1日のエネルギー量を算出します。先ほど例に挙げた165cmの方の場合で考えてみましょう。
59.895(標準体重)× 30(軽い仕事)= 1796.85kcal
身長165cmの方が軽い仕事をする場合、1日の必要エネルギー量は約1800kcalとなります。この1800kcalを目安に1日の食事を摂ることになります。
食べる順番を変えてみる
糖尿病の食事療法では適切なエネルギー量の食事を1日3食摂り、さらにビタミン・ミネラル・カルシウムなどを意識したバランスの良い食事をしなければいけません。しかし、バランスの良い食事と言われても、栄養分を考えた献立を毎日考えるのは至難の技です。
バランスの良い食事を摂るのがもっとも良いのですが、慣れない方はまず、食べる順番を変えましょう。
具体的には下記のような流れで食事をするようにします。
食べる順番、3ステップ
1. サラダ・海藻類・キノコ類など、ミネラルや食物繊維を多く含む食材を最初に食べる。
2. 次に肉・魚・卵など、たんぱく質を含んだ食材を食べる。
3. 最後にご飯やパンなど、炭水化物を多く含む食材を食べる。
この食べ方のメリットとしては、食べ過ぎを防ぐ効果があります。私たちが食事によって満腹感を得るまでには、最低でも約20分間かかると言われています。
ご飯やパンを最初に食べると満腹感を得る前に食べ終わってしまい、おかわりしてしまう可能性が高くなります。食べ過ぎを防ぐためにもサラダや海藻類を先に食べ、空腹感をなくしていきましょう。
またご飯やパンなどの炭水化物は血糖値を急激に上昇させてしまいます。肉や魚を先に食べると、インクレチンと呼ばれるホルモンが分泌され、血糖値の上昇を抑えるとも言われています。
糖尿病の食事療法で気をつけたいこと
糖尿病の食事療法で注意したいのは食べる順番や1日のエネルギー量だけではありません。他にも注意したいポイントがあります。飲酒は控える
アルコールはエネルギー量が高く、糖質も高いため控えた方がいいです。また、お酒はついつい飲みすぎたり、おつまみを食べ過ぎたりする場合があるため、なるべく飲まない方がいいでしょう。
外食に注意
外食は基本的に味が濃く、エネルギー量も高くなりがちです。最近はメニューに栄養素が記入されているものが多いので、食事をするときは栄養素を考えたメニューを注文するようにしましょう。
お菓子やジュースは要注意
お菓子は炭水化物と脂質が高く、ジュースはブドウ糖と果糖が多く含まれています。糖分が少ないと思われているスポーツドリンクも種類によっては糖分が含まれているため、飲みすぎには注意です。
自炊も外食も基本は薄味に
濃い味つけの料理だと、ご飯が進みがちです。なるべく薄味にすることで食べ過ぎを防ぐことができます。また、塩分の取りすぎは高血圧の原因にもなるので注意しましょう。
食生活を意識することで健康的な体へ
考え尽くされた栄養素にエネルギー量、1日の活動量の目安にアルコールやジュースを控えるなど、糖尿病の食事療法はとても大変です。毎日、完璧な食事メニューを摂り続けるのは難しいと思います。
しかし食生活を意識し、改善できるところを少しでも増やしていけば、あなたの体の健康は随分と変わることでしょう。
いきなり全部とは言わず、ひとつずつ自分の食生活を改善していくことが大切です。
(監修:Doctors Me 医師)