生活の中でのちょっとした無理が膀胱炎を引き起こします。

とくに女性に多いとされる膀胱炎は、放っておくとさらに病状が悪化するため早めのケア、膀胱炎予防が非常に大切です。

この膀胱炎について見ていきましょう。

要チェック項目


□忙しい女性は要注意。膀胱炎の症状と原因とは
□膀胱炎になったらどうする? 膀胱炎の治療とケアとは
□膀胱炎の予防策で膀胱炎にならない生活を送ること

膀胱炎のつらい症状

膀胱炎の代表的な症状


膀胱炎の代表的な症状として挙げられるのは、残尿感、頻尿、血尿や白濁尿などといった普段とは違う排尿時の症状です。

残尿感とは、その名の通り排尿を済ませたにも関わらずまだ膀胱に尿が残っている感じ、まだトイレに行きたいような感じがずっと続くことです。

膀胱が炎症を起こしているために、神経過敏になって残尿感を感じてしまいます。

頻尿とは


また、頻尿とは排尿後すぐにまたトイレにいって排尿を催したくなる状態を言います。これもまた膀胱が炎症によって神経過敏になって排尿を促すよう大脳に誤って指令を送っているためとされています。

血尿、白濁尿


そして血尿、白濁尿ですが排尿にほんの少量の出血を伴います。また、尿のなかに白いモヤモヤした尿がにごって出ることがあります。その他として排尿時に痛みを感じたり、尿の臭いが普段よりも臭く感じることがあります。

膀胱炎の種類


膀胱炎は大きく2つ、急性膀胱炎と慢性膀胱炎とに分けられます。慢性膀胱炎は細菌が膀胱内に住みつき慢性的に繰り返す状態をさします。

膀胱炎になる原因

トイレを我慢する


膀胱炎の原因の一番は、トイレ(排尿)を我慢することにあります。これが一番多い原因ですね。仕事を中断出来ない忙しさなどから、トイレを我慢すると膀胱のなかで溜まった尿に細菌が繁殖してしまいます。

この繁殖が膀胱の炎症に繋がります。とくに女性に多いのはこの原因が大きいとされています。

性交渉によるもの


また、不衛生な性交渉なども膀胱炎の原因となりますから注意が必要です。女性は膣と肛門、尿道口が近いためにとくに急性膀胱炎罹患率がとても高いのです。

不衛生な状態で性交渉をすることで、性器周辺、膣内には多くの大腸菌、細菌などが存在し、これら細菌を尿道へと移してしまいます。

膣、肛門、尿道口が近いといった同じ理由から女性は、普段の排便によっても細菌が尿道へと入ってしまうことがあります。女性に膀胱炎が多い理由はここにもあります。

身体が冷えるとあぶないかも?


身体を冷やすことも膀胱炎の原因となるほか、男性では前立腺炎や前立腺肥大症、尿路結石や尿路にできる腫瘍などが膀胱炎の原因になることがあります。年配男性に多い膀胱炎はこれらが原因のことが多いです。

膀胱炎の治療とケア

急性膀胱炎


残尿感や排尿痛などといった症状が急に現れる場合は急性膀胱炎とされます。

この急性膀胱炎、軽度であれば身体を温める、トイレを我慢しないなどといった生活改善で自然と症状が回復することがありますが、重度や症状が辛い場合は専門医療の受診と治療が望ましいです。

薬による治療


膀胱炎の主な治療は薬物による治療が基本です。細菌、大腸菌による膀胱炎に対しては、抗菌剤などの薬物を処方してもらいます。医師による処方箋で投薬治療を3~7日ほど続けることで完治していきます。

ニューキノロン系


大腸菌に特に有効とされています。1日1回の薬なので負担がかかりにくいといえるでしょう。クラビット、シプロキサンが良く使われています。

セフェム系


抗菌スペクトルが広く副作用がおだやかなのが特徴です。第一世代から第四世代まであり種類が豊富です。フロモックス、メイアクトが有名です。

ペニシリン系


グラム陽性菌に良く効きます。古い薬なので耐性菌が増えてしまっているのがデメリットですがサワシリンカプセルは今でもよく使われています。

内服治療で改善がみられないときは、薬の耐性化が考えられるので医師に相談して薬を変えてもらう必要があります。

悪化させると危険な膀胱炎

膀胱炎の症状に加えて、38度以上の高熱や悪寒などの症状が現れたら注意が必要です。

腎盂腎炎になると大変


膀胱炎の原因となる細菌が腎盂へと侵入してしまうことで腎盂腎炎を引き起こします。さらにこれらを放置してしまうと、敗血症など重篤な状態にまで至ってしまうのでその都度治療と経過観察がとても重要です。

腎盂腎炎の治療


膀胱炎と同じようにニューキノロン系、セフェム系、ペニシリン系の薬を使って治療します。この他に症状の重度を問わず水分をたくさんとって尿を出すことを意識しましょう。

膀胱炎にならない予防策

膀胱炎は日々の生活のなかで改善、もしくは予防することが出来ます。膀胱炎に1度なると、再度発症しやすい病気と言われています。薬による治療も十分期待できます。

水分をしっかりと摂ること


細菌を排尿によって排出するためにも普段からたくさん水分を摂る習慣を付けましょう。

トイレを我慢しないこと


排尿を膀胱内に溜めることで細菌が繁殖します。これが膀胱炎の一番の原因ですから極力我慢しないことです。

足や腰を冷やさないこと


冷やすことであっという間に膀胱炎を引き起こします。また、症状が出た際も身体をとにかく温めるだけで症状が和らぎます。

性交渉は清潔な状態で


とくに女性は尿道が短いこともあり、とにかく陰部は清潔に保つことを心がけましょう。

薬による治療


ニューキノロン系、セフェム系、ペニシリン系の薬剤がよく処方されます。医師が処方した日数分はかならず飲むようにしてください。

抗生物質は日数分飲み切ることで効果を表します。症状が落ち着いたとしても、また新たに菌が繁殖してしまう可能性があるため用法用量は必ず守りましょう。

膀胱炎にならない予防が大切

とくに若い女性に多いと言われる膀胱炎は、日々の生活のなかで予防出来る病気ですから自分の身体を大切に自分で守るといった意識を持つことが大切です。

急性膀胱炎、慢性膀胱炎ともに再発、繰り返しやすい病気ですから日々の生活スタイル、就業スタイルなどを見直し改善する必要がありますね。

そして、少しでも気になる症状が出てきたら専門の医療機関を受診しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)