更年期障害の症状のひとつである「異常な発汗」。暑くもないのに、汗びっしょりになってしまうのは非常に不快な症状です。
今回は、この更年期障害によっておこる発汗やのぼせや発汗について、医師に話を聞いてきました。

更年期障害の症状「ホットフラッシュ」

更年期障害は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの減少によって、多くの症状が引き起こされます。ホルモンバランスが乱れると、交感神経と副交感神経という2つの自律神経の均衡が崩れます。

自律神経は、暑くなったら汗をかいて熱を放出する、寒くなったら震えによって熱を産生するといったコントロールをしています。更年期障害では、それらの機能がうまく調節できなくなってしまうために、やみくもに汗が出てしまう現象が起こるのです。特に顔など上半身に多い、ほてりやのぼせの症状、多量の発汗などをまとめて「ホットフラッシュ」といいます。

大量発汗におすすめの4つ対策

この大量発汗を、根本的に止める方法はありません。しかし、快適に過ごすための対策はいくつか挙げられます。

1.吸湿性が高い、風通しの良い下着を選ぶ
最近では、着用中も汗が乾きやすい、サラサラ素材のものが販売されていますので、そういったものを利用するといいでしょう。

2.こまめに汗を拭う
ガーゼのハンカチなどでこまめに汗を拭いましょう。あるいは清涼感がある顔にも使えるウェットティッシュを使うと、手軽で便利です。ご自身で、ペパーミントなど清涼感のあるアロマを取り入れたおしぼりを作るのもおすすめです。

3.活動量を抑えない
更年期障害の時の体調の悪さも相まって、汗をかきたくないからと活動量を抑えてしまうと、むしろ逆効果です。身体を動かさず、汗の分泌を活発に行わない状態になると、気になる顔面や、わきの下など、汗をかきたくない箇所に集中して汗をかくようになってしまうことがあります。

4.休養をとる
体が疲れていたり、心配事などがあると更年期の症状は強くなりがちです。おしゃれをして出かける予定があるときは、ぜひ前日に休養をたっぷりとって、化粧崩れや汗ジミを避けましょう。

医師からのアドバイス

更年期障害でつらい時期こそ、快適になる工夫が必要です。不快な状態を放置していると、ストレスがたまって、更年期障害が重くなってしまうかもしれません。そんな負のスパイラルに陥らないよう、少しの工夫で毎日を心地よく、前向きに過ごしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)