医師監修

更年期障害とは

女性の45歳から55歳頃の年齢を「更年期」と言います。
この期間は成熟期から老年期の間です。女性は平均的に50歳前後で閉経を迎えますが、その前後5年間の期間を指します。40代半ば頃から卵巣の機能が低下するにしたがって、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少します。それにより引き起こされる、のぼせや倦怠感などのさまざまな不調を更年期障害と言います。男性にも起こります。

更年期障害の症状

主な症状


加齢や閉経などで、からだが「曲がり角」にさしかかる40歳半ばから50歳後半。子どもの独立・親の介護・定年退職など、ちょうど社会的な変化も訪れます。そんなからだの変化と心のストレスが複雑にからみ合い、具体的な症状として現れるのが更年期障害です。からだと心には個人差があるので、更年期障害の主な初期症状もさまざまです。

●主な初期症状
・のぼせ、ほてり(いきなり身体がカーッと熱くなったり多量に汗が出る症状で、「ホットフラッシュ」と呼ばれています)
・頭痛
・めまい
・肩こり
・冷え
・頻尿
・発汗
・イライラ
・うつ状態
・倦怠感
・不眠
・抜け毛
・むくみ
・口の渇き
・動悸
・記憶力の低下

自立神経の乱れからこれらの症状をまとめて「不定愁訴」ととらえられています。症状が進行すると、食欲不振・手足の痺れや震え・知覚過敏などの症状も現れます。

※ 更年期に自立神経が乱れるのは、女性の場合、卵巣機能が低下して分泌される女性ホルモンが減り、自立神経中枢に影響を与えるためです。エストロゲンという女性ホルモンは、10代~20代で分泌量のピークとなり、その後卵巣機能の低下にともない徐々に減少していきます。エストロゲンの減少に身体が適応できず、自律神経の不調が生じ、更年期障害へつながるのです。症状の種類や程度は、人により様々です。代表的な症状としては、だるさや多汗、手足の冷え、めまいなどがあります。場合によっては耳鳴りや頭痛、腰痛など日常生活に支障があるような症状も発生します。またイライラや抑うつ、不眠、不安感などの精神的な症状が起きることもあります。更年期障害の症状が出たら、気のせいだと思い込まずに婦人科へ相談することが早期解決のポイントです。したがって症状を緩和する治療としては、ホルモン補充療法が一般的に行われます。ほかの治療法としては、漢方薬、ピルの飲用などもありますが、場合によっては規則正しい生活、適度な運動、バランスの良い食事などの生活習慣の改善で症状がおさまることもあります。また、ホルモンの変化に身体がなじめば、数年で自然におさまることも多くあります。しかし、更年期障害とよく似た症状は、内科・脳神経科・精神科・耳鼻咽喉科などの疾患でも現れるため、自己判断するのは禁物です。症状に気がついたら、まずは専門医の診断を受けるようにしましょう。




更年期障害と頭痛


更年期障害では、ストレスや自律神経のバランスが崩れることにより、緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)や偏頭痛が起こることがあります。もともと生理前には頭痛が起こりがちになりますが、女性の更年期障害の症状として、生理前以外にも、主にホルモンバランスの乱れが影響し、頭痛が起こる場合もあります。女性ホルモンであるエストロゲンが減少して、自律神経が乱れて、脳への血液がうまく行き届かないことが主な原因だと言えるでしょう対処法としては、市販の鎮痛剤を飲み、暗くて静かなところで休むのが一番効果的だと言えます。

● 緊張型頭痛
・こめかみから頭のまわり、首の後ろにかけてきつく締め付けられているような痛みがある。
・痛みが反復することもあれば、数日から数ケ月など慢性的に続くこともある。
・肩や首のひどいこりを伴うことが多く、それにより、めまいや体全体のだるさ、眼精疲労などを引き起こすことがある。

<<改善方法>>
動いたり温めたりすることで、症状が緩和されることが多い。→ 頭痛

● 偏頭痛
・片方や両側のこみかみから目にかけて、ずきずきと、脈打つような痛みになることが多い。
・音や光、においが刺激となって感じやすくなり、過敏になるため、頭痛時は明るいところがつらくなったりする。
・吐き気をともなうことも多く、嘔吐することもある。
・頭痛の前に、視野にチカチカした光が見えるなど、前兆を伴うこともある。
・数時間から3日程度続くことが多い。
・姿勢をかえたり動くことでひどくなることが多く、仕事や家事などが手につかなくなることもある。

<<改善方法>>
頭痛参照


更年期に限らず、これらの頭痛は要素が混じり合って起こることもあり、両方の症状が起こることもあります。

更年期障害とめまい



めまいには、3つの種類があります。

・回転性めまい:天井や壁がグルグル回っているように感じる
・浮動性めまい:体が宙に浮いてふわふわする感覚
・立ちくらみ、眼前暗黒感

めまいが起こる原因には「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンの減少が挙げられます。年齢を重ねるにつれて減少し、それに伴い様々な症状が発症します。
そして、このホルモンバランスの乱れと連なって、自律神経系の乱れも起きると言われています。

● 回転性めまい
急に天井や壁などが動き、ぐるぐる自分の周りを回転しているように見えます。その影響もあって嘔気を感じる方もいます。すぐに治るのですが、この症状が何度も繰り返されます。

<<予防策>>
カルシウムを摂取することです。その理由として、ホルモンバランスの乱れによって、カルシウムが減少し、それが耳の機能にも悪影響を与えてしまうからです。

● 浮動性めまい
足元が安定せず自分自身がフワフワ浮いているような感覚がします。回転性めまいとちがい、数時間継続する方もいます。
気をつけていただきたいのが、この症状は更年期障害者にかぎらず、脳疾患や視力障害など他の疾患が原因で引き起こる場合もあります。
更年期障害者が原因であれば、ご自身の心身を休めてあげることや、軽度な運動がいいでしょう。
なぜなら、先述したように自律神経系の乱れが原因だからです。

<<予防策>>
・軽い運動やストレッチをする
・規則正しい生活習慣
・十分な睡眠
・ストレスを避けたり発散するなど体調管理が大切
・精神的な面でもゆとりのある生活を心がける

● 立ちくらみ・眼前暗黒感
更年期に限らず、経験のある方もいると思いますが、立ち上がった瞬間に目の前がクラっときたり、長時間立っているとおこります。
これは、血圧が低い人に起きやすく、更年期障害者では貧血症状もあるため、その関連で発症すると考えられています。
<<予防策>>
貧血に対する食事管理などが必要です。


このように、これらの症状が発症した場合には、更年期障害者ではないこともある為、まずは病院へ行くのがよいでしょう。その症状や原因に対して適切な治療を行ってくれます。
更年期だからとあきらめず、毎日少しでも楽に、元気に過ごせるように、思い切って病院へ行くことも選択肢の一つとして、取り入れることをオススメいたします。

更年期障害と吐き気


更年期障害の症状である吐き気は、ホルモンバランスの変化が原因の一つとなっています。女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、自律神経の乱れを起こし、胃腸の作用へ悪影響を与えます。その結果、食欲不振や消化不全、吐き気が生じるのです。また吐き気はストレスとも関係しており、心理的な負担によって症状が増幅されることがあります。対処法としては、ホルモンバランスを調整し、自律神経の働きを正常に戻すことです。婦人科に相談しホルモン剤を処方してもらったり、エストロゲンに似た効果をもつ大豆を摂取したりすると効果的です。また心身の負担を軽減するため、規則正しい生活を送り、十分な睡眠を取り、ストレス発散を行うことも大切です。

更年期障害と耳鳴り


更年期にさしかかると、更年期障害による身体の不調に加え、感覚器官自体が加齢のために変化し、様々な症状が生じます。そのうちの一つが耳鳴りです。更年期障害の耳鳴りの原因は、主にホルモンバランスが崩れることで、自律神経に乱れが生じるためです。症状としては、周囲が静かなときに「キーン」「サー」という音が響くものが多いです。めまいを併発することもあります。更年期障害の耳鳴りは自然に治まるため、まずは規則正しい生活や十分な睡眠、適度な運動、ストレス発散を心がけましょう。もし症状が改善しない場合は、突発性難聴など他の病気の可能性があるため、耳鼻科へ相談してみましょう。

更年期障害の症状 汗(ホットフラッシュ)


女性は、40歳代を過ぎると徐々に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が少なくなるために、更年期障害の症状が現れてきます。50歳代女性では、2人に1人が更年期障害を自覚しており、更年期障害を自覚する人の3人に1人は、ほてりや多汗が気になっているというデータがあります。
更年期障害に特有のほてり・汗は「ホットフラッシュ」といい、エストロゲンの分泌低下により自律神経の働きが異常になっているために起こります。これは自分の意思で止められるものではなく、突然起こってしまうものです。

●夜間の寝汗
更年期障害の症状の一つとして寒暖に関わらずあらわれる「ひどい寝汗」というものがあります。寝汗も女性ホルモン分泌の低下による症状と考えていいでしょう。起きている時間帯であれば、ホットフラッシュと呼ばれる「ほてり」「のぼせ」といった症状で現れるのですが、夜間には「寝汗」という症状であらわれます。身体がほてってひどく寝汗をかき、それが原因で夜中に何度も目が覚めてしまったりします。症状が進行すると、睡眠障害に陥ってしまうこともあります。

<<対処方法>>
・自律神経のバランスが乱れにくくなるように毎日規則正しい生活をすることが大事です。
・あまり汗をかかない生活をしていると顔面やわきの下の汗腺ばかりに発汗が集中してしまうため、定期的に軽い運動をして全身の汗腺から汗をかくようにすることも効果的です。
・汗をかいてもすぐに吸汗するような材質の衣服を着るようにし、急にほてってきたら首元やわきの下を冷たいタオルやペットボトルなどで冷やすと良いでしょう。
・更年期障害では、ほてりのほかに冷えも感じることがありますので、カーディガンなどで重ね着をすると温度調節しやすくなります。

精神面に表れる症状


体だけでなく精神的な症状が出るケースもあります。
症状が重く、長く続くとうつ病と診断されることもあるほど、更年期の深刻な問題です。

情緒不安定になってしまったり、精神的な症状がひどくなると、うつ病やヒステリーを起こしてしまう場合もあり、本人だけでなく、家族や周りの人々も悩んでしまう可能性があります。
女性の40代後半から50代にかけては、自身の健康問題や子どもの進学問題、親の介護問題などさまざまな心配事や負担がかかりやすい時期です。実際のストレスも重なって重篤になりやすい面もあるかもしれません。

一方で更年期障害が原因と思っている「うつ」のような状態でも、身体表現性障害(仮面うつ病)のために不安や悩みが体調不良に現れる場合もあります。


更年期障害になると、気持ちをおだやかにさせる働きをもつホルモンであるエストロゲンが不足してしまうために、不安感が強くなったり、やる気がおきなかったり、ちょっとしたことで落ち込みやすくなったり、無性にイライラしやすくなったり、すぐに怒りやすくなったり、人に八つ当たりしてしまったりする、といった精神面での変化による症状がおこることが多くなります。

寝付けなかったり、途中で起きてしまう、といった不眠症状が起こることもあります。


<<イライラ・八つ当たりは更年期が原因!?>>
更年期障害になると、気持ちをおだやかにさせる働きをもつホルモンであるエストロゲンが不足してしまうために、精神面での変化による症状がおこることが多くなります。

・不安感が強くなる
・やる気がおきない
・ちょっとしたことで落ち込みやすくなる
・無性にイライラしやすくなる
・すぐに怒りやすくなる
・人に八つ当たりしてしまったりする

また、寝付けない、途中で起きてしまう、といった不眠症状が起こることもあります。

<<更年期障害と「重い精神不安」>>
卵巣機能の低下が起こる閉経前後時期、すなわち更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に低下しますが、心身がその新しい状態になかなか慣れることができずにさまざまな障害が起こります。多くの身体症状は、比較的有名ですが、不眠、イライラ、気分の落ち込み、訳の分からない不安感の増大などの精神症状も、更年期の症状の一部としてあらわれます。また、女性にとってこの時期は、子どもの巣立ち・夫の退職・介護問題の発生などで人生の大きな節目を迎えることがしばしばです。自らの「老い」を意識し始める時期でもあります。このため心のバランスが崩れて、うつ状態に陥ったり、そこまでいかなくても強い不安感じたりしやすくなります。更年期に心の変調を感じたら、婦人科や精神科・心療内科に相談してみることが必要です。婦人科の側面からエストロゲンを補充するホルモン補充療法を行うか、精神科な側面からのうつ状態の治療を行うか、あるいはその双方を組み合わせるといった治療で、症状が大きく改善する可能性があります。


<<症状を解消するために大切なこと>>
・リラックスする
・ストレスをためないようにしっかりと休息をとる
・心地よい温度でゆっくり入浴する
・適度な運動
・自分の好きな趣味に打ち込む時間を作る
・イソフラボンを含む、納豆や豆腐など大豆製品を食事にとりいれる
→ イソフラボンはイライラや更年期症状を改善させるのに効果的とされている

・好みのアロマなどでリラックスする
→ 香りは心身に影響を与えるといわれており、とても効果的です

・朝起きてしっかりと日光を浴びる
・不安やイライラが強い場合は、漢方や抗不安薬などで改善を図る



医師からワンポイントアドバイス


更年期障害は、全ての更年期の方に症状が見られるわけではありません。
症状の出方や程度にも個人差があります。不調が続く期間も体質による差が非常に大きいです。1~2年で終わる人もいれば、長い方では5年以上続くというケースもあります。




更年期障害と生理不順


40代半ばの女性の生理のパターンが突然変わってしまったら、更年期による生理不順かもしれません。一般的な更年期の生理不順は、生理の周期が予想よりも短くなったと思ったら今度は何カ月も来ないというような不規則な期間を経て、やがて全く来なくなり、閉経を迎えるケースです。1年間以上の月経がない場合には閉経とみなされます。また、出血量も生理の度に量が極端に多くなったと思ったら、一転してほとんど無くなってしまうという具合に、乱れた状態になります。月経前に少量の出血があったり、逆に月経後も出血がだらだらと続く場合も見受けられます。このような更年期の不正出血や不規則な生理は、衰えつつある卵巣機能の乱れが原因で、そのうちに閉経を迎えるのが普通です。しかし、ときには出血の原因が子宮筋腫子宮体がん・子宮内膜がんなどの病気である可能性もあります。不自然な出血が気になる人は、必ず婦人科を受診しましょう。

若年性更年期?


20代~30代の若い女性にも、生理が不順になったり、月経が無くなることで更年期障害と同じような症状を訴える人が増えてきました。「若年性更年期障害」と呼ばれることもあります。
43歳以前に閉経を迎えることを「早発閉経」と言います。この影響のために更年期障害のような症状が現れることはあります。しかし、20代~30代に見られる更年期障害に似た症状の多くは、無理なダイエットや不規則な生活を続けることで起こる自律神経のバランスの乱れに起因します。その結果、卵巣機能が低下します。

更年期障害のような症状が自律神経失調症や月経前症候群(PMS)の場合が多いと考えられています。
※若い女性で著しい卵巣機能低下が疑われるときな病気が隠れているかもしれません。症状がひどかったり続いたりする場合は、医師に相談してください。

男性の更年期障害


男性も、男性ホルモンである“テストステロン”が減少することによって、女性の更年期障害と同様の症状を含め、様々な症状がでることがあります。


<<様々な症状>>
・集中力の低下と無気力
・様々なことが億劫になる
・やる気がなくなる
・日中だるかったり、疲れやすくなる
・疲れがとれにくいと感じるようになる
・以前より神経質になる
・不安を感じやすくなる
・イライラしてすぐに怒りやすくなる
・人にあたってしまったり、パニックになりやすくなる
・理由もなく悲しくなったりする
・寝付けなかったり途中で起きてしまうといった不眠の症状
・体や顔がほてったり、のぼせたりする
・特に心臓に問題がなくても、胸が痛くなったり、胸の不快感や動悸を感じることがある
・頻尿
・性機能に問題が生じることある
・性機能減退や性欲の低下、勃起不全に陥り、男性不妊の原因となることもある
・めまいや、頭がぼーっとしたような感じを感じることもある
・男性ホルモンが減ることによって、筋肉が減り、筋力が落ちてしまったり、太ることもある。

予防

更年期が近づくと、それまで生理周期が順調であった人でも、生理不順が起こりやすくなります。この生理不順が起こってから数年以内に多くの女性は閉経を迎え、徐々に更年期障害の症状が体に現れ始める人が多くなります。更年期症状が出る前の生理不順が始まったら、少しでも症状を軽くするために、体の負担をかけないように生理時の過ごし方を考えることが必要です。

更年期が楽になる方法


・卵巣機能の低下を招くので、生理中に体を冷やすことは避ける。更年期前の生理不順の時期には特に注意をして、生理中には腰を温めるようにすると生理の負担が少なくなり、血行も良くなります。
・以前に比べて疲れがたまりやすくなっているので、生理の時には意識をして体を休めることも大切です。無理をして疲労を蓄積させてしまうと、更年期症状が重くなる原因となるので、注意が必要です。
・体の負担を少しでも減らし規則正しい生活を行うことが更年期前の生理の時期に一番大切なことです。

生活リズムを整える



● 日々の運動
ウォーキングや水泳などの有酸素運動は更年期障害の症状緩和と予防に有効です。有酸素運動には、日々の生活やホルモンの分泌によって乱れた「自律神経を整える作用」があり、呼吸器や循環器などの内臓の働きを促し、活発化させる効果があります。他にも適度な運動によって、快適な睡眠も得ることができ、無理のない範囲での有酸素運動を生活に取り入れることで心身のリフレッシュに繋がるでしょう。

● 睡眠
適度な時間の睡眠は、疲労を回復させ、心身共に良い影響を与えます。そして、質の良い睡眠はストレス解消に繋がるほか、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって心身の老化を緩やかにすることができます。毎日の睡眠サイクルを決めれば、生活リズムも整います。ホルモン分泌の乱れによって自律神経が乱れがちになるので、意識をして自律神経を整えるようにしましょう。

● 寝る前の時間の過し方
就寝2時間前のパソコンや携帯電話操作を避け、脳に刺激を与えないよう習慣づけたり、お風呂にゆっくりと浸かるなどが、自律神経を整える習慣を作ることになります。


食べるものに気を付ける


大豆を積極的に取ることも予防と考えられます。

大豆に含まれる大豆イソフラボンは、エストロゲンに似た働きをすると言われています。また、大豆にはサポニンという成分も含まれていて、エストロゲンの分泌を促す効果があります。大豆が含まれる食品を日常的に摂取するよう心がければ、予防に効果がありそうです。
・みそ
・豆乳
・きな粉
・納豆


甘いものや脂っこいものなど偏った食事は極力避け、大豆イソフラボンを多く含んだ大豆やビタミン群が豊富な緑黄色野菜、ナッツ類を摂取するよう心がけると効果的です。大豆イソフラボンは更年期にさしかかってから減少するエストロゲンと同じ働きをみせ、ビタミンEに関しては老化を予防し、血液の循環を促し、ホルモンバランスを整える働きがあります。また、カルシウムが不足するとホルモンの分泌量が減るというデータがあります。

治療法

どんな検査を行うの?


更年期障害は個人によって症状やその程度が大きく異なります。医師に症状について正直に伝え、個人にあった方法で治療を行うようにしましょう。

まずは婦人科を受診することをおすすめします。
婦人科では、問診に加えてエストロゲンをはじめとするホルモンを含む血液検査、子宮や卵巣の状態をみる超音波検査や子宮がん検診、閉経後の女性に起こりやすいとされる骨粗鬆症のチェックなどで、総合的に状態を判断します。

軽度のものであれば、様子観察でも大丈夫です。しかし、生活に支障が出るほどに重症化した場合には、治療を行うことが必要となります。

≪主な治療≫
・ホルモンを補充する
・不眠や不安に効果がある安定剤を内服する
・痛みがあれば痛み止めを飲む
・経験を元に症状が出やすい状況を避けるようにする行動療法
・漢方による治療


ホルモン補充治療


加齢によって、卵巣からの分泌が少なくなり体内で不足した女性ホルモン(エストロゲン)を補充する事により症状の改善を目指す「ホルモン補充療法」を主体にして進行します。子宮がんなどで摘出手術を受けた方にはエストロゲン製剤のみを単体で処方し、そうでない人には子宮内膜を保護する為に黄体ホルモン製剤も併せて処方されます。ホルモンバランスの崩れによって出る症状の為、不足したホルモンを適切に補充することによって顔のほてりやのぼせ、汗が多く出る、肩凝りや憂うつ状態の軽減など、不快な症状からの回復を目的として実施されるものです。
補充療法なので、錠剤の経口投与、皮膚薬の塗りこみ、湿布薬の貼付などが医師の処方により指示されますが、経口投与の場合は肝臓への負担も考慮する必要がある事から、以降の定期的な診断の中で、利尿剤や抗うつ剤など、別の症状への対応も考慮した薬剤が追加で処方される場合もあります。また、服用してから体内に吸収されるまでに時間差があり、血液中のホルモン濃度が安定しないことがあります。服用後が濃度が高く、時間により腎臓で尿として排出され濃度も下がる為、服用の時間帯は厳密な規定が掛かる事がほとんどです。服用直後は濃度が特段高い状態を長い時間維持する事になり、乳がん発病のリスクも併せて持つことになります。補充療法の実施中は、自分勝手な判断で市販薬に頼る様なことはせず、医師の定期的な診断からの指示に従うことが重要です。この為、診断や検査の際に少しでも不安に思う事は、医師へ確認するようにしましょう。

漢方での治療


漢方は西洋医学の薬のように直接何かの症状を和らげるというよりは、体質改善をして状況に慣れていくという方法です。全身の血流やリンパ、気の流れを適切に調節して、ホルモンバランスの崩れからくる症状を全体的に改善することができます。

漢方は複数種類のものをうまく混ぜ合わせることで、複合的な効果を狙います。 例えば、更年期障害は身体の冷えと大きく関わっているため、全身の血流の流れをよくし、身体を温めるような漢方の調合が効果的です。具体的な組み合わせについては、その人の性格や体質、症状、月経の状況などによってさまざま考えられるので、医師に相談が必要です。

更年期障害との向き合い方


薬だけでなく、自分で対処することもある程度可能です。
どういった場面で、ホットフラッシュや発汗、痛みなどが起こるかを覚え、そのような状況を避けるように行動する方法が有効です。『行動療法』と言われるものです。

ほかにも、いろいろな趣味を見つけ、自分の精神的に楽な状況を作ることも重要です。
リラックス時間や、趣味に没頭できる時間を持つことで更年期障害の症状を気にしすぎずに過ごせます。

原因

女性ホルモン『エストロゲン』の減少が原因


更年期障害が起こる原因は、女性ホルモンのバランスの崩れです。
女性ホルモンである『エストロゲン』の分泌をコントロールするのは、脳の視床下部にある下垂体と呼ばれる部分です。 「エストロゲン」が体内で減ってしまうことに体が順応できずに起こるのが更年期障害です。


エストロゲンは、女性らしい体を作ったり、排卵や月経などを起こすために必要なホルモンです。18歳から40歳頃に最も盛んに分泌されます。その後は分泌量が徐々に減少していき、閉経前後で激減してしまいます。更年期にさしかかり、減少したホルモンをカバーしようと、視床下部からエストロゲンを分泌させるための性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。この働きにより分泌がされ、正常に卵巣の機能が働いていればエストロゲンは分泌されます。

ところが年齢により卵巣の働きが低下している場合、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が増えることはありません
閉経を迎えるころ(個人差はありますが45歳を過ぎるころ)から、いくら下垂体がエストロゲンを分泌するように指令を出しても、エストロゲンは出にくくなります。卵巣機能が低下しているためです。これを受けて、下垂体はさらに分泌の指令を出すのですが、分泌されません。このために脳が混乱して身体を整える自律神経も乱れるので、のぼせや冷えなど様々な不調が起きます。


エストロゲンの量が増えないことが繰り返されると、ホルモンバランスや自律神経のバランスが崩れてしまいます。閉経前後の5年間は、ホルモンの変化が急激に起こるので、エストロゲンの減少に順応できません。それが原因で、体や精神にさまざまな症状が出ます。これが更年期障害の原因です。


医師からワンポイントアドバイス


更年期障害は、初潮年齢、出産の回数、その他栄養状態などによって症状が現れるタイミングは異なります。一概に閉経が始まる年齢を特定することはできません。
体質により、早期閉経(通常よりも早く閉経)した方は、更年期障害も早い年齢から始まることもあります。



最後に

更年期を前向きに考える


「更年期障害」と病気のように考えると、不安や恐怖を感じることもあるかもしれません。
しかし、現在の日本では女性の平均寿命が85歳、特に80歳以上の女性は男性の2倍以上というデータもあります。女性の更年期は「終わり」ではなく、これからに向けた「ひとつの節目」です。つらい時には無理をせずに休んだり、「何がつらい」のか考えてどうしたらそれが安らぐかと試してみたりしてはいかがでしょうか。「つらい!」だけじゃなく、ゆっくりと和らげられるようにしましょう。婦人科に相談するのもひとつの方法です。

更年期障害の薬の上手な選び方・使い方

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更年期障害の症状について悩まされているなら、婦人科のクリニックで相談する方法が適しています。症状に合わせて内服薬を処方してもらえるからです。体調を考慮して内服薬が処方されますから、詳しく説明することが大切です。アレルギーなどの疾患を抱えている場合にも、正直に伝えるべきです。

更年期障害の内服薬を薬局やドラッグストアで購入したい場合には、薬剤師に相談することが大事です。さまざまな内服薬が販売されていますが、火照りやめまいなど、症状に合わせて購入するべきだからです。薬剤師ならば、内服薬の効能や成分について説明をすることができます。さらに、通信販売のサイトを利用して更年期障害の内服薬を入手することも可能です。ただし、症状や体調を自分で念入りにチェックすべきです。通信販売のサイトにチェックシートが掲載されているならば、あらかじめ確認しましょう。

尚、更年期障害の内服薬は、水もしくは白湯で服用する方法が適しています。必ず水か白湯を用意しておきましょう。ほかの飲み物で服用すると、体調不良を発症する危険性があります。内服薬のラベルには説明書が載っていますので、服用する場合には、飲み物に関する注意書きも念入りに確かめることが重要です。
  • このコーナーは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
  • 専門家の皆様へ。病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください

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    更年期障害・倦怠感

    私の場合は、ずっと仕事をしてきたので、更年期障害を自覚することはほとんどなかったのですが、疲れや倦怠感がひどく、特に休日はほとんど何もできませんでした。 母や友人から更年期障害の話を聞いていましたが、最初は倦怠感の原因もわからず、休日だと思って自分が怠けていると感じていました。仕事を休むまでにはいたらず、ただ休みの日になると、身体がしゃきっとしなくて、何をするのもおっくうで、だらだら過ごしていま…続きをみる

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