食事は健康的で幸せな生活を送る上で非常に重要なものです。

ですが、時に熱いものを冷まさずに食べてしまい、火傷をすることがあります。

今回は、その症状や処置方法についてご紹介したいと思います。

症状

口の中の火傷は、経験したことがある人は多いはずです。

痛みや水ぶくれを伴って、口の中に入れるのも嫌ですが、食事をしないわけにもいきません。口の中を火傷した際には、カタル性口内炎の原因になります。

カタル性口内炎


カタル性口内炎は、しびれるような痛みや水ぶくれ、皮のめくれというような症状が出ることが多いです。

また、舌を火傷して腫れてしまった場合、味覚をつかさどる部分である味蕾の機能が鈍ってしまい、一時的に味覚が悪くなることがあります。

回復までの期間


唾液などの成分により、他の部位に比べると回復は早いです。

症状が軽い場合は数日で回復し、ほとんどの場合は治癒までに2週間もかかっていませんが、症状がひどい場合は1ヶ月以上の期間がかかることがあります。

火傷の度合い

大きく分けて、3つの症状に分けることができます。

1度


最も軽い症状です。皮膚の表面が火傷を負った程度で、ほんの少し痛みを感じたり、腫れたりします。回復が良ければ、1日ですぐに回復することができます。

2度


皮膚の表面だけではなく、その下の層にまで火傷を負ってしまった状態です。強い痛みを伴うだけでなく、皮が破れたり水ぶくれになることがあります。水を飲むだけでも染みて痛いです。

3度


皮膚の奥側にまで、火傷が侵食してしまった状態です。皮膚の表面が白くなったり、黒くなったりしてしまいます。この状態になると刺すような痛みを伴うか、まったく痛みを伴わないかのどちらかになってしまいます。

応急処置法

基本的には冷やすという事以外にはありません。1度レベルであれば、応急処置だけで十分な回復を狙う事ができます。

応急処置方法


軽度の場合は次の応急処置を行ってください。

・口をゆすいで食べ物を流す
・冷水にあてて数分間冷やす
・氷を口に含んで冷やす
・砂糖、はちみつを舐める

以上の一連の応急処置を行いましょう。特に冷やした後の砂糖やはちみつは、痛みを和らげる、エンドルフィンというホルモンを分泌する効果があります。

また、はちみつは粘度が高く、その後の口内炎を治療してくれる効果もあります。

改善が見られない場合


上記の方法で、改善を見られない場合は中度以上の火傷であることが多いです。医療機関での投薬治療が必要となります。

治療法

応急処置で回復が見込めない場合は、火傷の深度が深いということで、病院での治療をおすすめします。市販の薬でも治療することは可能ですが、病院の方が適切に診断をしてくれます。

受診する病院


どこの病院に行けばいいのかと悩む人が多いです。口の中といえども、皮膚ですので皮膚科でも受診することができます。

ただ、口腔内はある程度の専門性が必要なことから、耳鼻咽喉科や歯科で治療を進められます。

治療


病院では薬を使った治療がメインになります。

炎症を予防するための抗生物質を含む軟膏での治療が一般的です。大学病院などに行くと、最新の火傷シートを使用した治療法もありますが、医療費が高額になるケースがあるので治療前に確認をするようにしましょう。

予防法

口の中の火傷は日々の食事にも影響を与えてしまいます。ですので、ふだんから予防しておく必要があります。

温度をよく確認する


猫舌の人と猫舌でない人がいますが、この違いは温度をしっかり確認するかしないかと、温度を上手く逃がすことができるかということです。

口に入れる前に、温度を把握することができていれば、自然と火傷をしないように口を動かします。

慣れるまでは、失敗もあるかもしれませんが、すぐに口に入れるのではなく温度を感じながら口に運ぶようにしましょう。

レンジを使用した後はよく混ぜる


お弁当などを電子レンジで温めた後に火傷をしてしまうというケースが多いです。

電子レンジを使用すると、構造上偏った温められ方をすることがあります。確認をせずに食べると大火傷をすることがありますので、しっかりと混ぜて冷ますようにしましょう。

最後に

口の中の火傷は、比較的早く回復するので、軽度であれば適切な応急処置で早期の回復を望むことができます。

もし、中度以上であるのならば、耳鼻咽喉科や歯科を受診して、適切な処置をしてもらいましょう。

ぜひ皆さんも、予防法や処置方法を把握しておきましょう。

(監修:Doctors Me 医師)