胃腸に症状があらわれる、流行しやすい風邪を俗に「胃腸風邪」と呼びます。
この胃腸風邪をにかかったら、どのように対処すればいいのか、医師に詳しい話を聞いてきました。

胃腸風邪の原因

胃腸風邪も病原性を持つ微生物が原因ですが、体のどこで増殖しやすいかは、微生物により異なります。食品や汚染した手などに病原体が付着して、口から入り胃腸に取り付く病原体は、胃腸炎、胃腸風邪を引き起こします。

胃腸風邪を引き起こす病原体としては、
・ノロウイルス
・ロタウイルス
・アデノウイルス
・カンピロバクター
・ビブリオ
などが有名です。

しかし、はっきり病原体が原因とは特定できないことが多いようです。一般的にウイルスが原因の場合は比較的短期間で治癒し、細菌が原因の場合は強い腹痛や血便を伴い重症・長期化する傾向があります。

胃腸風邪にかかったら、病院に行くべき?

原因によって症状は様々ですが、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが主症状です。
症状がひどく、以下のような場合は消化器内科受診を検討してください。
・激しい下痢、嘔吐、強い腹痛がある場合
・症状が長引き、つらい感じが強い場合


また、医療機関に出向く際、待合室で嘔吐したりトイレを使用してほかの患者に感染拡大させるリスクを減らすために、受診前に電話であらかじめ症状を伝えましょう。待機のための別室を用意されたり、空いている時間帯を案内されるなど、対策を取ってもらえる場合があります。

自宅での過ごし方

胃腸風邪は、原因によって回復に要する時間は異なります。その間、水分補給が重要です。尿が1日4日程度出ているようなら水分は足りています。
自宅でできる水分・栄養補給として以下のようなものがあります。

1.水分
冷えた水は胃腸に負担になるので、常温か少しぬるい程度の「経口補水液」を少量ずつ飲みます。経口補水液はドラッグストアなどで販売されていますが、水1リットルに対し塩3グラム(小さじ1/2杯)と砂糖40g(大さじ4杯半)を混ぜたもので代用できます。
市販のスポーツドリンクは甘みが強いようなので、水で半分に薄めて飲むとよいでしょう。

2.食事
水分とは違い、食事は数日とれなくてもすぐに影響はありません。特に嘔吐、下痢が強い段階で無理に食事をするとかえって回復を遅らせることがあります。
・栄養を取りたい場合は、ゼリードリンクなどから始め、薄い塩味をつけたおかゆや軟らかく煮たうどんなど、茶碗に半分ぐらいから試しましょう。
・食物繊維の多い野菜、肉、脂っこいものは避けましょう。
・乳製品やアイスクリームも脂肪分が負担になる場合があります。
・タンパク質を取りたいときは卵や豆腐がおすすめです。

医師からのアドバイス

特にウイルス性胃腸炎は感染力が強く、気を付けていても感染してしまうことがあります。感染した場合の対策について知識を持っておくと安心ですね。

(監修:Doctors Me 医師)