医師監修

胃腸炎とは

胃腸炎とはノロウイルスやロタウイルス、大腸菌などの細菌やウイルスに感染したりすることによって起こるものが多く、寄生虫などほかの原因によるものもあります。胃や腸が炎症を起こし、下痢や嘔吐、腹痛などの症状が出ることが多いです。発熱や胃痙攣を起こす場合もあり、人によって様々な症状が出ます。ウイルス性、細菌性、寄生虫性などに分類されますが、非感染性のものもあります。

胃腸炎の症状

主な症状は、嘔吐や下痢、37〜38度の発熱、それに伴う悪寒や、胃痛や腹痛などです。人によっては頭痛や倦怠感があったり、血便が出る場合もあります。発熱からはじまり、徐々に腹痛や下痢の症状が見られたり、初めから腹痛と下痢の症状のみが出る場合もあり、痛みや症状には大きく個人差があります。激しい胃腸の痛みがある場合には、何日も食事が摂れなくなったり、水分も十分に摂取できないこともあり、体力や免疫力が低下を招きます。吐き気や痛みで睡眠が十分にとれないという場合も多いようです。

乳幼児や高齢者など、十分に体力がない方は、冷や汗をかいたり下痢や嘔吐をくりかえすことで、脱水症状を引き起こしてしまう場合もあり命の危機に瀕する場合もあります。ノロウイルスやロタウイルスなどによるウイルス性胃腸炎の場合、1〜3日の潜伏期間を経て発症します。病原性大腸菌など、細菌による胃腸炎は、早いもので12時間で症状が出始めます。通常は一週間ほどで回復しますが、感染した菌によっては、胃痛や腹痛が数週間続く場合もあります。

また、症状が治まった後でも、一週間ほどは便の中にウイルスが含まれている場合もあり、二次感染を引き起こしてしまう可能性もあります。

胃腸炎の原因

胃腸炎とは胃と腸に炎症を起こしている状態のことで、その原因はウイルスや細菌を通して感染するものが大半です。ウイルスや細菌の種類や症状は多岐にわたりますが、総称して感染性胃腸炎と呼ばれています。また、それ以外にも胃腸炎を引き起こす原因があります。

<< ウイルスや菌が原因の胃腸炎>>

● 胃腸炎の原因となる微生物

1) カンピロバクター属やサルモネラ属、腸管出血性大腸菌(O-157, H7)、腸管毒素原性大腸菌(旅行者下痢症の原因菌)
汚染された肉類などの食品や水、殺菌されていない牛乳の摂取、汚染されたプールでの水泳、特定のは虫類との接触が主な感染源です。カンピロバクター属や腸管毒素性大腸菌には抗生物質を投与すると回復までの期間を短縮できることが見込まれます。
2) 赤痢アメーバ
同じく汚染された飲食物が感染源。血性下痢などの症状のほかに肝臓など他の臓器に感染することがあります。
3) コレラ菌
同じく汚染された飲食物が感染源。無痛性の水様性下痢と嘔吐、ショックが起こることもあります。赤痢菌属の場合は人と人の接触、特にデイケアセンターで起こることが多く、軽度から重度まで症状は様々です。
4) ロタウイルス、ノロウイルス、アストロウイルス、腸管アデノウイルスなど
季節性の流行で感染するもので、抗生物質や抗ウイルス薬は投与しません。ロタウイルスは乳児用にワクチンが利用可能です。
5) その他>
汚染された食品が感染源の黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ウェルシュ菌、貝類にあるビブリオ属、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウム属などの微生物が原因となります。


● 経口感染
ウイルスや菌が付着した食品や飲料を摂取して感染すること。特に、ノロウイルスは少量でも感染力が強く、低温の状態でもき延びることができるため、食中毒の多く発生する夏だけではなく、冬でも感染しやすいのが特徴です。小児の胃腸炎の原因の多くがこのノロウイルスです。

●二次感染
既に胃腸炎を引き起こしている患者の吐しゃ物や便を介して感染すること。十分に掃除しきれなかった吐しゃ物や便が乾燥して、ウイルスが空気中に舞い上がってしまったり、掃除をする際、手に触れたウイルスが、洗浄しきれていない状態で残っていると感染の原因になります。公共のトイレのドアノブなどにウイルスが付着していて、それに触れた手を介して感染してしまう場合もあります。また、内臓に既にウイルスがある状態の牡蠣などの貝類などを、生の状態や、十分に加熱調理せずに食べることによって感染してしまう場合もあります。


<<薬物の副作用による胃腸炎>>
マグネシウムを主成分としている制酸剤や抗生物質など日頃から処方される薬をはじめ、化学療法薬や放射線療法又は痛風や心疾患の時に用いる薬にも副作用として嘔吐や下痢などの胃腸炎の症状が出る事があります。しかしながら、原因が薬によるものかどうかの診断は難しいため、一時的に原因が考えられる薬の服用を中止し症状が治まり、また服用すると症状が出るのであれば原因が分かります。症状が重たい場合には完全に服用の中止も検討します。制酸剤や抗生物質などを処方している時には、胃の粘膜を保護する薬などを一緒に処方する事で胃腸炎の症状を防ぐ効果を狙う事もあります。


<<ストレスが原因の胃腸炎>>
胃や腸の不調というと、ストレスによるものが考えられます。内視鏡での検査でも異常は見つからないにもかかわらず、胃や腸に痛みがあったり胃もたれや膨満感などのように違和感がある場合です。腹痛や下痢、嘔吐の症状を伴うこともあります。神経性胃炎、神経性胃腸炎、ストレス性胃腸炎と呼ばれてきましたが、臓器に炎症が見られないのに胃炎、胃腸炎と呼ぶと語弊があるなどの理由で「機能性胃腸症」「機能性ディスペプシア」と呼ぶことが増えてきています。揚げ物や辛い食べもの、冷たいものを避ける食生活だけではなく、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。企業で責任ある立場にある人や、仕事量が多く睡眠の不足している人に多い症状であることが特徴的です。それ以外でも心に悩みを抱えている人が陥ることが多いといわれます。ストレスの原因を探り自覚して、個別のストレス発散方法でストレスマネジメントを行うことが効果的です。心療内科などでのカウンセリングや、漢方の服用も症状を改善する選択肢となります。


胃腸炎の予防/治療法

胃腸炎には急性と慢性があります。

<<急性>>
食事や公共の場所からの感染性のものが多く、予防としては、流行りの場所やシーズンなどにおいてはマスクの着用や、こまめなうがいや手洗いが効果的です。もちろん、暴飲暴食は禁物なので、節度ある食生活が必要です。脱水予防に経口補水、ひどい場合は点滴をします。細菌が原因の場合は抗生物質も用いる場合があります。

●予防法
手洗いを十分に行うことです。帰宅後やトイレを使った後、調理や食事の前には、必ず手を洗いましょう。指輪や腕時計をしている場合は外し、せっけんやハンドソープを使い、指の股や爪の間、手首までしっかりと洗うことが予防に繋がります。殺菌効果のあるせっけんやハンドソープを使ったり、アルコールスプレーなどを使うのも効果があります。ただしノロウイルスはアルコールが効きません。キッチンハイターを薄めた次亜塩素酸0.02%もしくは0.1%で消毒しますが金属を腐食したり脱色したり皮膚や粘膜を傷めるので使用する場合は注意が必要です。洗った後は、清潔なタオルやペーパータオルできちんと拭いて乾かしましょう。爪を短く切って清潔な状態にしておくのも大切です。

●吐しゃ物の処理
・素手で直接触ることを避け、ゴム手袋、マスクやエプロンを使って行う。
・ペーパータオルなどで、外から内側にぬぐい取って、範囲を広げないよう丁寧に拭き取ります。
・拭き取りに使ったものは、すぐにゴミ袋に入れてきちんと口を縛って捨てます。
・拭き取った後の部分は、薄めた塩素系消毒剤をしみ込ませたペーパータオルなどで覆います。
・吐しゃ物は、広い範囲に飛び散っている可能性もあるので、消毒し残しのないように気を付けてください。
・部屋の喚気をしながら行うと、空気中のウイルスを外に逃がすことができます。
・下痢や腹痛などの症状が出ている家族がいる時は、トイレのドアノブを消毒すると感染の可能性を減らせます。


<<慢性>>
現代社会において厄介な精神的ストレスが原因となるものが考えられます。特に、職場においては過度な緊張下に置かれた仕事や周囲からのプレッシャー、上司や同僚との人間関係など悩みはつきません。体に出てくる現象としては、腸内にガスが溜まったり、下痢、胃もたれ、胃酸過多、げっぷなどがあります。予防や対策としては、オンオフのメリハリをつけてリラックスした時間を作って過ごすこと、休日には仕事の事を忘れられるくらい没頭できる趣味を持ち、ストレス解消に努める事なども効果的です。ただ、加齢と共に機能が弱まってくる部分でもあるので、医師から処方される漢方薬や整腸剤、胃酸を抑える薬を適宜コントロールしながら服用する事も予防や治療にも繋がります。精神面の安心を得るという点から、胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査を受けることで、病気の早期発見に繋がれば大事に至らずに済みます。
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