学習障害(LD)の症状

学習障害の症状には、一体どんなものがあるのでしょうか。学習障害と一言で言っても、その症状は人によって様々です。
文字を読むのが困難な人、文字を書くのが困難な人、算数への理解がどうしても困難な人、計算するのが困難な人、推論が困難な人などがいます。そのほとんどの人が知的発達の面で遅れはないとされています。目や耳も正常、そして話せるし相手の話していることも理解ができる、もちろん本人も読めない・書けないということに対して何とかしようと努力はしている…それでも困難なのです。

学習障害の特徴的な症状としては、いろいろなものがありますが、代表的なものを挙げていきたいと思います。文字を読むのが困難という点で見てみると、文章を順番通りに読むことができない、文字を1つ飛ばしで読んでしまう、勝手に文末を変えてしまうということがあります。続いて文字を書くのが困難という点で見てみましょう。一番特徴的なのは文字が鏡文字になってしまうというところです。算数への理解と計算するのが困難という点では、数の概念が理解できない、つまり算数への理解ができていないため、それを根底にして行う計算は困難になってきてしまいます。
細かく見ていけばもっとたくさんの症状がありますが、代表的なものを紹介しました。

学習障害(LD)の原因

知的な部分に遅れはないのに、何故か読めない、書けない、算数ができない…。それ以外のことはできるのにどうしてそうなってしまうのでしょうか。ここでは学習障害の原因とは何かについて見ていきたいと思います。
まず、そもそも学習障害に原因というものはあるのでしょうか。学習障害の原因、それは簡単に言えば、生まれつきの脳の障害が原因と言われています。
ではこの脳の障害がどんなものなのかを掘り下げて見ていきましょう。近年の研究により、脳の中枢神経系に何らかの機能障害があることが原因で発生しているらしいというところまではわかっています。しかし、現在わかっているのはそこまでです。何らかの機能障害の「何らか」の部分の原因まではわかっていません。視覚障害・聴覚障害・知的障害・情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではないとされております。つまり、知的障害には該当しないけれども、読む・書く・計算する・推測する・話すなどの特定分野において、1つかそれ以上の困難を伴うということが言われています。

現代の医学をもってしても原因が解明されていない学習障害ですが、もちろん治療法も一部の症状を除き、ないとされています。

学習障害(LD)の予防・治療法

ここまで発達障害の一種として考えられている学習障害について症状・原因と見てきましたが、予防法はあるのでしょうか。答えを先に言いますと、現在ではまだ、学習障害の発生を予防することはできないとされています。それは、原因も解明されておらず、治療法も一部の症状についてしか存在していないという部分から見ても納得の答えです。

では、少し視点を変えてみましょう。もし学習障害だと診断されたら、完治させるのは難しいにしても、改善させる方法はないでしょうか。もっと言えば、症状が重くなるのを予防することはできないのでしょうか。続いてはその視点から予防法を見ていきたいと思います。
学習障害と診断されると治療が始まります。この治療というのは、多くの場合が本人のペースに合わせて学習をしていくというものになります。これは、治療と予防の両方を兼ね備えていると言えます。学習障害は、焦らず、繰り返し学習を重ねることで個人差はありますが、できるようになる部分もある障害なのです。
予防法はないかもしれませんが、性格を理解し、環境調整を行っていくことによって軽減させることは十分に可能です。また、有名人の中にも学習障害をカミングアウトしている人がいます。その人達はきちんと集団に溶け込み、生活を送ることができています。障害とつくからと言って、悲観的にならず、前向きに付き合っていけると良いかもしれません。