床ずれ/褥瘡の症状

床ずれの初期段階は持続する皮膚の赤みから始まります。
もう少し進行すると赤みが強くなり、内出血や水ぶくれ、びらんを生じます。この段階を「急性期」といいます。褥瘡ができた直後から1、2週間くらいです。
急性期を過ぎると回復するパターンとさらに進行して「慢性期」に移行するパターンがあります。
慢性期に移行しても、傷の深さが浅く赤みや水ぶくれなど比較的症状が軽い場合は、新しい皮膚が再生して比較的短い期間で治癒します。
赤みが黒ずみに変わり皮膚が壊死した状態になると、死んだ組織を取り除かないと皮膚が再生されません。治療には数ケ月から1年以上要します。

床ずれ/褥瘡の原因

寝たきり、栄養状態が悪い、皮膚が弱くなっている、むくみが強い、薬の副作用等で免疫力が低下している、痩せていて骨が突出しているなどの人は床ずれになりやすいといえます。
床ずれになるリスクの高い人は、骨が突出している部分に長時間負荷がかからないようにすることが大切です。
そのためには、適度に体の姿勢や向きを変えて負荷がかかる時間を短くします。また、皮膚にかかる力を分散させるために、「体圧分散マットレス」などを使用するとよいでしょう。
床ずれを予防するためには、栄養管理やスキンケアも重要です。

床ずれ/褥瘡の治療法

治療は多面的治療を要します。新しい肉や皮膚ができるためには十分な栄養と亜鉛が要るとされます。そのためしっかりと栄養を摂っていただいたり点滴したりします。また初期や治ってきた段階の赤い肉芽という状態に対しては肉芽がより早く大きく成長する塗り薬を洗浄後に塗ります。黒や黄色に壊死してしまっている組織は血流がないのでそのままにしておいてもなにもいいことがないのでできる限り綺麗に除去します。また細菌感染を伴ったような状態では抗菌作用のある塗り薬を洗浄後に用います。
寝たきりの方の場合はエアマットレスで体重を分散し、定期的な体位交換で体重がかかる体の部位を変えるようにします。