多発性硬化症とは
多発性硬化症は、脳、視神経、脊髄などの中枢神経系が炎症などにより破壊され、寛解と再発を繰り返すことにより脱髄にいたる脱髄疾患の一種です。 日本では指定難病として特定疾患指定されています。
多発性硬化症の症状
多発性硬化症は神経系の様々な位置に脱髄と呼ばれる異常な病変が発生し、どこに問題が起こるかによって様々な症状が現れます。最初に現れる症状としては、見え方の問題、歩きにくさ、手足の動かしにくさ、痛みなどが多いと言われています。良くなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。脳に脱髄病変ができた場合の症状
体の動きや感覚の異常、歩きにくさ、震え、記憶力低下や計算力低下など
脊髄に脱髄病変ができた場合の症状
排尿排便のコントロールが難しくなる、しびれ、痛みなど
視神経に脱髄病変ができた場合の症状
視力が下がる、視野が欠ける
一旦悪くなっても回復することもあるのですが、元通りには回復しきらずに、何年もの長い視点で見ると、徐々に不得意なことが増えていくこともあります。
多発性硬化症の原因
原因不明と言われていますが、何らかの免疫機能の異常により、自分の体を異物として攻撃してしまう自己免疫疾患ではないかと考えられています。20代の女性に多く、女性の罹患率は男性の3倍と言われています。
多発性硬化症の治療法
症状が現れ悪化している急性期には、神経に炎症が起こっていると考えられ、炎症を抑えるステロイドを多量に注射するパルス治療が行われることが多いです。症状が落ち着いている時期には、再発を予防し進行を抑制する治療が行われます。免疫系の働きを調整する様々な薬が開発されており、注射薬や飲み薬があります。その他にも症状に応じて、痛み止め・神経に作用する薬・排尿の神経に働きかける薬などを対症療法として使用します。
参考資料
『多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)』 難病情報センター
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