尿路感染症の症状

尿路感染症は発症部位によって症状が異なります。
  
「上部尿路感染症」は腎臓から尿管で感染するものです。主な症状は、38℃以上の高熱が続く、背中や腰に痛みがあり腰の左右を叩くと鈍い痛みがある、尿が濁っている、吐き気や嘔吐で食欲減退する、などがあります。
乳幼児は原因のはっきりしない発熱が続くことが多いため、風邪や突発性発疹、下痢嘔吐症と判別しにくいことがあります。

一方、膀胱から尿道で感染する「下部尿路感染症」の症状は、排尿時の痛み・頻尿・おねしょ・残尿感・血尿・尿が濁っている・などがおこることがあります。

尿路感染症の原因

細菌などの病原体が尿路に侵入することで「尿路感染症」は起こります。
  
尿路に病原体が侵入する原因としては、「血行性」と呼ばれる細菌が血液中から腎臓などに入るパターンと「上行性」と呼ばれる細菌が尿道から膀胱などへ逆流することで侵入するパターンがあります。
  
尿路感染症を引き起こす病原体の代表的なものは大腸菌で次いで多いのが腸内細菌です。便に含まれる大腸菌が原因となることが多いのが特徴です。特に女性は尿道が短いため便の中の大腸菌が尿道に入りやすいことにより起こりやすいです。また男性では陰茎の包皮と亀頭の中に垢が溜まって細菌が入りやすいと言われています。

尿路感染症の治療法

尿路感染症の一番の予防策はお尻周りを清潔にすることです。特に乳幼児でオムツをしている子どもの場合、便を長時間オムツの中に放置しないことが大切です。また、排便をした後は尿道に細菌が侵入するのを防ぐために、前から後ろに拭くことも有効です。
また、逆流などがある場合繰り返しやすいので、必要に応じ検査をすることが大切です。
高齢者の場合は、下半身を冷やさないこと、尿意を我慢しすぎないこと、不必要なオムツの使用を控えること、日中の水分は多めにとって夕方からの水分摂取は控えめにすること、などが予防策として効果があるとされています。