ターナー症候群の症状

ターナー症候群の症状はいくつかあり、患者によって出現する症状が異なります。
  
よく見られる症状の一つが低身長です。新生児の頃から47cm未満の低身長である場合が多く、出生後の成長もゆっくりです。治療を受けずに成長すると、思春期の間もゆっくりと成長を続けるため、同年齢の女の子と比べて身長に開きが出ます。
  
性的発達が見られないというのも、ターナー症候群に多い症状の一つです。卵巣の発達が不十分であるため、月経が起こらないこともあります。また、乳房が発達しないこともあります。新生児期には、手足のむくみや耳介の変形、低位付着、翼状頸といった症状とともに、心血管奇形の合併症もみられます。

ターナー症候群の原因

ターナー症候群は、先天性の疾患で、染色体の異常が原因です。人間は体の細胞に46本の染色体があります。44本の常染色体と2本の性染色体です。性染色体は、男性の場合X染色体とY染色体が1本ずつ、女性の場合は、2本のX染色体をもって生まれてきます。
  
しかし、ターナー症候群の場合、受精前か受精後にX染色体が欠けてしまいます。X染色体がまるごと1本ない場合と、部分的にない場合があります。つまり、染色体の数が45本しかないという状態です。またX染色体が2本揃っていても、そのうちの1本が不完全であったり、変化してしまったりしていることもあります。この現象は、受精直後に起こります。

ターナー症候群の治療法

ターナー症候群は先天性の疾患のため、あらかじめ予防することはできません。罹患した場合には、全身の症状を小児科、小児内分泌科、循環器科などを中心に診て行きます。低身長の場合は、成長ホルモンを投与する治療が行われます。成長ホルモンを投与すると、骨の成長板に働きかけることで、骨が成長していきます。骨の成長板が閉じてしまうまで継続的に行える治療法です。
  
治療を始めてから3か月ほどで身長の変化が見られ始め、1年から2年で目に見えて効果を実感できるようになります。治療に慣れてくると、自分で成長ホルモンを注射できるようになります。成人するまで継続的に投与することが大切です。