脳炎の症状

急性脳炎の症状は、突然の高熱、悪寒、けいれん、意識障害などが表れます。その後、四肢のマヒや昏睡状態に陥り、やがて死亡します。病原に対する抗体反応による免疫介在性炎症、単純ヘルペスウイルスなどによるウイルス性炎症や、ネコひっかき病などの細菌性炎症などが代表的なものです。
  
慢性のものの症状は、頭痛、悪心、健忘、言語障害などが徐々に表れ、軽いマヒ、けいれん発作、やがて意識障害、失語症状などを起こし、昏睡状態に陥って死に至ります。亜急性硬化性前脳炎、進行性多巣性白質脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病などがあります。

脳炎の原因

急性の免疫介在性炎症では、感染後・予防接種後に起きる抗体反応、脳の興奮性神経伝達物質のグルタミン酸受容体などに対する抗体反応、細胞内抗原に対する抗体反応などが原因です。
  
急性のウイルス性炎症では、単純ヘルペスウイルス、日本脳炎ウイルスなど、様々なウイルスが原因となっています。急性の細菌性炎症では、マイコプラズマ、ベルトネラ・ヘンセラ菌(ネコひっかき病)などが原因です。
  
慢性のものでは、亜急性硬化性前脳炎の場合は体内に潜伏する麻疹ウイルス抗体の増加、進行性多巣性白質脳症は体内に潜伏するJCウイルスの活性化、クロイツフェルト・ヤコブ病は異常プリオンタンパク質の摂取が原因とされています。

脳炎の治療法

日本脳炎にはワクチン接種という予防方法がありますが、その他の脳の炎症については発症後の治療が重要です。急性症状が出ている場合は、すぐに入院し髄液検査や頭部CT・MRI検査などを行い、原因を確かめて治療をします。
  
ウイルス性炎症に対しては抗ウイルス剤が、細菌性炎症に対しては抗生物質が有効です。慢性脳炎には効果的な薬があまりなく、対症的な治療をし、体力維持や免疫力維持による回復を待つことになります。