非結核性抗酸菌症/非定型抗酸菌症の症状

非結核性抗酸菌症はヒトの身体のいろいろな部位で感染を起こし、特に呼吸器感染症が多いのが特徴です。自覚症状がないため、胸部の検診や結核の治療中に偶然見つかるケースも少なくありません。
  
主な症状は、咳と痰です。その他には、血痰・喀血、全身の倦怠感なども症状としてあらわれます。病状が進行すると肺の破壊が進み、呼吸不全になることもある危険な病気です。発熱、食欲不振、やせなどの症状があらわれる場合もあります。
  
一般的に進行は緩やかですが、薬物治療の効果が弱く、長期にわたり服用しなければなりません。回復には時間がかかり、数年を要すこともあります。

非結核性抗酸菌症/非定型抗酸菌症の原因

非結核性抗酸菌症の原因は、非結核性抗酸菌です。非結核性抗酸菌は土壤や水など身近な場所に存在、吸い込んだり、飲み込んだり、傷口から菌が進入することにより感染します。
  
非結核性抗酸菌には多くの種類があり、ヒトに感染するものだけでも数十種あるとされています。その中で感染率が高いのがMAC菌(マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス)で、肺感染症を引き起こします。発症のタイプは以下の2つです。

1.エイズ患者に併発
2.肺に異常がなかった健康な人に発症(中高年の女性に多いといわれています)

非結核性抗酸菌症/非定型抗酸菌症の治療法

通常、健康な人であれば非結核性抗酸菌が体内に入っても影響はなく、非結核性抗酸菌症になることはありません。しかし、免疫力が特に低下した人には重大な感染源となります。
  
感染リスクを抑えるためには、免疫が低下しないような生活習慣を身につける必要があります。加齢などによる免疫低下は避けられませんが、食生活や適度な運動などを心がけ、規則正しい生活を送ることが大切です。
  
また、自覚症状がないため、胸部の健診を定期的に受けて早めの発見が早期治療につながります。