劇症肝炎の症状

劇症肝炎の初期症状は他の急性肝炎と同様の症状が出ます。
・発熱、筋肉痛など風邪に似た症状
・倦怠感や食欲不振
・吐き気、嘔吐
・尿が黄色くなり黄疸が出る
劇症肝炎の特徴はこれらの症状が出た後、8週間以内に肝性脳症といわれる意識障害が現れることです。また高度の肝機能不全を表すプロトロンビン時間が長くなり、出血しやすくなります。
意識障害が現れるまでの日数が10日以内のものを「急性型」、それ以後に発現するものを「亜急性型」といいます。急性型のうち特に2~3日で出現した場合を「超急性型」といいます。
劇症肝炎は肝臓の細胞が短期間で破壊されてしまう病気です。疑わしい症状が出たら速やかに病院での診断と処置が必要です。

劇症肝炎の原因

劇症肝炎の主な原因は次のようになっています。
・肝炎ウイルス性
・薬物療法の副作用
・自己免疫性
なかでも肝炎ウイルスはA型、B型、C型、D型、E型の肝炎ウイルスがほとんどで、特に日本では血液を介して人へと感染するB型肝炎ウイルスによるものが多くなっています。A型肝炎ウイルスは発展途上国での感染が多いです。
劇症肝炎が発現下時にはまず血液生化学検査が行われます。ここで肝機能の検査をはじめ腎機能検査、血液凝固検査、そしてプロトロンビン時間の測定がなされます。肝機能の検査数値は急性型と亜急性型で違いが出るためどちらのタイプであるかの判断をすることができます。
劇症肝炎は特定疾患に指定されていて治療費の自己負担分には公費による補助が受けられます。

劇症肝炎の治療法

劇症肝炎の主な原因であるウイルスは人を介して感染します。A型肝炎にはHAワクチンが有効です。
また汚染された飲料物を飲まないなど海外へ旅行や長期滞在する場合は生水や生ものの摂取を避けることが大切です。
B型肝炎は血清肝炎といわれ、血液を介して感染します。性交渉での感染も少なくありませんので、不特定多数との性交渉をさけるのと、コンドームの着用を心がけましょう。
A型とB型肝炎にはウイルスワクチンがあります。しかしC型、D型、E型にはワクチンはいまだ開発されていません。輸血が必要となる機会を少なくすることも予防の1つです。