血管拡張性肉芽腫の症状

血管拡張性肉芽腫は、男女ともに発症し、子どもや若年層の割合が比較的多い疾患です。妊婦にも多くみられ、高齢者はほとんど発症しません。大人では四肢や体幹に多く、子どもでは唇や顔に多くあらわれます。
鮮赤色や暗赤色の小さなしこりが突然生じ、2週間~数週間で急激に増大した後、大きさが一定になります。大きさは5~15mmくらいで、柔らかく隆起しています。幹部がくびれているものもあります。薄い膜に覆われた腫瘤のため、少しの傷で出血します。表面がかさぶたになっていたり、湿ってジクジクとしていたりするものもあります。

血管拡張性肉芽腫の原因

血管拡張性肉芽腫は、小さな傷や細菌感染などがきっかけとなって発症します。小さな傷などにより毛細血管が反応性に、拡張・増殖してできたものです。
動静脈吻合(動脈と静脈が毛細血管を介さないでつながっている部位。体温調節や血液量の調節をおこなう)がある部分や、動静脈吻合の機能が発達していない小児に多くみられることから、動静脈吻合の機能不全に伴う血管の増殖であると考えられています。
また、妊婦にも多いことから、エストロゲン(女性ホルモン)によって血管が拡張して生じるとも考えられています。肝機能障害がきっかけになることもあります。

血管拡張性肉芽腫の治療法

血管拡張性肉芽腫は、傷などがきっかけで生じる毛細血管の増殖によっておこり、予防する方法は特にありません。血管拡張性肉芽腫になると、自然に治癒することはほとんどありません。したがって、何らかの処置が必要となります。
治療は、電気メスで焼き取ったり、切除をおこなったりします。この場合、局所麻酔が必要となります。また、液体窒素で凍らせ壊死させて、新しい皮膚が再生するのを待つ方法もあります。いずれの場合も、確実に除去できないと再発する可能性があります。