腸性肢端皮膚炎の症状

腸性肢端皮膚炎は、遺伝性と後天性に分かれます。遺伝性の場合は生後数週間後の赤ちゃんや離乳期、また6歳までの幼児に見られ、脱毛や下痢と肢端皮膚炎の症状が表れます。乳児の場合には、成長障害や性腺発育障害、精神障害も起こります。

後天性の腸性肢端皮膚炎は、未熟児や肝硬変、慢性アルコール中毒、クローン病や潰瘍性大腸炎などによって起こり、下痢や脱毛、肢端皮膚炎のほかに爪の形が変形したり角膜炎や口内炎などの症状が起こります。皮膚症状としては、四肢の先端や口周囲、肛門周囲、眼の周囲鼻腔入口の周囲に小水疱やびらん、のう胞、丘疹などが表れます。

腸性肢端皮膚炎の原因

腸性肢端皮膚炎は、遺伝性と後天性とがあり、どちらの場合によるかで原因も異なります。
遺伝性の場合は、常染色体劣性遺伝により腸からの亜鉛の吸収障害が原因となり、この場合一生、硫酸亜鉛の内服が必要です。
また後天性の場合は、アルコールの過度摂取による慢性アルコール中毒の患者や、肝硬変、クローン病、そのほかには潰瘍性大腸炎や未熟児などが原因となり起こります。病気により消化管を切除したり、先天性銅代謝依存症であるウイルソン病でぺ二シラミン療法を行った際にも、腸性肢端皮膚炎が起こる場合があります。
体内には300以上の亜鉛含有酵素があり、体内に必要不可欠な成分のため、亜鉛が欠乏することはさまざまな障害や不調を起こす要因となるのです。

腸性肢端皮膚炎の治療法

腸性肢端皮膚炎は亜鉛の欠乏や吸収障害により起こる病気です。
遺伝性の場合は予防することは難しいですが、生体に必要不可欠な金属成分である亜鉛を常日頃から摂取するように心がけることで、皮膚炎は予防できる場合があります。
亜鉛の含まれている食品としては、レバーや赤身の肉、卵などが挙げられます。
また、アルコールの分解酵素が機能するためには亜鉛が必要であり、アルコールの過剰摂取は控えるようにしましょう。喫煙による活性化酸素を除去するためにも亜鉛が必要です。お酒と煙草を控えることが、亜鉛欠乏の予防にもつながるのです。