本態性血小板血症とは
本態性血小板血症とは、造血幹細胞の異常による血液腫瘍疾患です。血液中を流れる赤血球、白血球、血小板は、骨髄の中で、この造血幹細胞から生成されます。この造血幹細胞の遺伝子異常により、必要以上の量の血小板が生成されてしまう疾患を、本態性血小板血症といい、血栓ができやすくなります。
本態性血小板血症の症状
本態性血小板血症は、発症率は大変低く、まれにしかみられない病気です。発症は50代~60代が多く、どちらかといえば女性に多い傾向があります。本態性血小板血症では、自覚症状がこれといってない場合も多く、健康診断の検査結果などで判明する場合も多いです。また、頭痛やめまい、耳鳴りなどの症状を訴える人もいます。本態性血小板血症で血小板の数が増えすぎると、血栓ができやすい状態になります。このため、心筋梗塞や脳梗塞などの合併を起こす場合もあります。また、血小板が多すぎるために、逆に血小板の機能が弱くなり、血液が凝固しにくくなって、鼻血や歯茎からの出血、あざ等が生じやすくなります。
本態性血小板血症の原因
本態性血小板血症の原因は、造血幹細胞の異常で起こり、血小板の生成に関与する巨核球の著しい増加も認められます。この、造血幹細胞の異常は後天的なものであり、遺伝的要素はないとする見方が有力です。また、他の血液腫瘍疾患で見られるJAK2遺伝子の異常が約半数で見られ、関連性を指摘する声もあります。本態性血小板血症の診断は、血液中の血小板の濃度が、持続して高い数値を示す場合にまず疑われます。しかし、血小板が増加する疾患は多く、それら疾患との判別、特に慢性骨髄性白血病ではないことを明確にする必要があります。このため、骨髄検査や遺伝子検査、血小板凝集能検査等を実施します。
本態性血小板血症の治療法
本態性血小板血症の治療は、血小板数をコントロールしたり、血小板の働きを抑制したりする等して、血栓症のリスクや出血傾向を抑えることが主眼となります。程度が軽い場合には、特に治療を行わずに経過を見る場合もあります。リスクが中程度の場合は、血小板の機能を抑えるために、抗血小板薬を投与します。リスクが高い場合には、抗がん薬を投与します。もし発症した場合には、定期的に血液検査を受け、管理が必要となります。
生活上の制限は特にありませんが、脱水症状や出血に注意が必要です。
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