音響外傷とは
音響外傷とは、予想外の強大音に耳がさらされることにより、聴覚を司る内耳の蝸牛が瞬間的に衝撃を受け、発症する難聴のことです。予期していた大音響により起こる「急性音響性難聴」と区別されており、耳元で銃が暴発する程の音の大きさ、130dbで起こるとされています。
音響外傷の症状
音響外傷は、強大音を聞いた直後からさまざまな自覚症状にみまわれます。はじめに襲ってくるのは、耳が詰まった感じになり、自分の声が耳の中で反響する閉塞感です。閉塞感が治まると、頻度や程度には個人差がありますが、耳鳴りや難聴の症状が現れます。耳鳴りは、音がしていないにもかかわらず音が聞こえる状態で、特に外界が静まりかえる夜や早朝に強く感じます。耳鳴りや難聴は、左右どちらかの耳に生じるケースがほとんどですが、両耳で起こることもあります。
音響外傷は、一時的なものとして自然に症状がなくなることもありますが、障害として残るケースもあります。
音響外傷の原因
音響外傷の原因はその名の通り、音によるものです。通常耳にするレベルの音ではなく、銃火器の暴発やコンサートなどでスピーカーの間近にいたために、耳が強大音にさらされることで起こります。音響外傷は130dbで生じるとされており、音を主とする職場の労働安全基準である85dbと比べても大きい音であることが分かります。音響外傷は予期せぬ爆音によって一瞬で生じますが、ヘッドホンなどを使用し、100db以上で音楽を聴き続けることで難聴になる場合もあります。
携帯音楽機器の普及により、特に若年層の間で増加傾向にあります。適正音量であっても、長時間使用することで音響外傷発症のリスクを高める可能性もあります。
音響外傷の治療法
音響外傷は、偶発的な強大音によって突発的に起きることが多く、突然音が起こった場合は自分で音量調整ができるわけでもなく、突如として大きな音にさらされるため、避けることは困難です。しかし、強大音の発生が予測可能なコンサート会場や仕事場などの場合、スピーカーから一定の距離を置いたりすることで、発症リスクを軽減することができます。また、遮音効果のある耳栓を使用することも予防につながります。イヤホンやヘッドホンなどで大きい音を継続して聞くことで発症する場合もあることから、耳を休めながら適正音量で音楽を楽しむことも予防として効果的です。
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