IgA血管炎(旧ヘノッホ・シェーライン紫斑病)とは
IgA血管炎は、アナフィラクトイド紫斑やへノッホ・シェーライン紫斑とも呼ばれていた病気です。 主に下肢に点々とした紫斑が多数出現し、発熱や腹痛、関節痛やむくみなどの症状を伴います。悪化すると腎炎も併発します。治療は、対症療法で様子をみます。
IgA血管炎(アナフィラクトイド紫斑)の症状
IgA血管炎は、主に学齢期前の小児において、かぜや溶連菌感染症に続発して発症する傾向にあります。症状は、下肢を中心に点々とした出血性の紫斑が多数出現することが特徴です。下肢以外にも臀部や上肢に出る場合もあります。紫斑は、時間の経過と共に増えたり大きくなったり、周囲と融合して硬化したりする場合もあります。
紫斑に伴い発熱と腹痛、手足の関節痛、手足のむくみなどの症状が現れます。また、下血や血尿、タンパク尿が見られる場合もあります。タンパク尿が続くと、紫斑病性腎炎を合併する場合があります。通常は安静と治療により、発症後1か月前後で軽快していきます。
IgA血管炎(アナフィラクトイド紫斑)の原因
IgA血管炎の原因は、かぜや溶連菌感染症に続発して発症する傾向にあることから、細菌やウイルスとの関係性が指摘されていますが、はっきりとはわかっていません。血管がなんらかの原因でアレルギーを起こして炎症反応を起こす、免疫反応の異常であると考えられています。症状が紫斑となって現れる原因は、毛細血管の先端が破けて出血することにより、皮下に透けて見えるためです。紫斑性腎炎では、毛細血管が密集している腎臓で同様の症状が起こることが原因と考えられます。
また、IgA血管炎では血管透過性が亢進するため、各所にむくみが生じます。腹痛も腸管壁がむくみを起こすことが原因とされています。
IgA血管炎(アナフィラクトイド紫斑)の治療
症状が紫斑だけで合併する症状が見られない場合は、安静のみで経過観察を行います。紫斑の状態や他の合併症状に合わせて、血管強化薬や止血薬、副腎皮質ステロイド薬などが使われます。IgA血管炎では、予後もしばらく腎炎発症の可能性があるため、定期的な受診を行い、尿検査を行うことが必要です。
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