細菌性下痢症とは
細菌性下痢症は、下痢などの症状を伴う病気の総称です。消化管に細菌が感染することに起因しています。 食中毒のような形態になることもあり、Oー157に代表されるような、大規模な集団発生を引き起こすこともあります。コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症は、三類感染症に指定されていて医師による届け出が必要で、学校や職場への出席停止措置が取られます。
細菌性下痢症の症状
細菌性下痢症は、短いものでは数時間、長いものでは5日程度の潜伏期間の後、腹痛や、嘔吐、発熱、水様便、粘血便などの下痢症状などがみられるようになります。O-157などの場合は、腹痛が強く認められ、鮮血便が出ることもあります。合併症を発症することもあり、溶血性尿毒症症候群などになることもあります。
その場合、下痢が始まってから5日から6日程度で、顔色が悪くなったり、黄疸が出たり、出血斑、浮腫、血尿、尿量減少、頭痛、不眠などの症状があらわれることがあります。
発熱や腹痛、下痢などが続き、血便の疑いがある場合は、細菌性下痢症の可能性があるので、速やかに医師に相談して、便の細菌検査を行う必要があります。
細菌性下痢症の原因
細菌性下痢症の原因になる菌には様々な種類があります。特に3つの重要な細菌は、サルモネラ菌・病原大腸菌・カンピロバクターです。これらの菌に感染した場合は、血便がみられることが多いです。その他の細菌としては、エロモナス菌、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌、プレシオモナス菌、エルシニア菌などが挙げられます。
また、海外旅行に行った場合などは、赤痢菌やコレラ菌などに十分注意する必要があります。ブドウ球菌による食中毒の場合は、産生された毒素にて、嘔吐や腹痛、下痢などを生じます。赤痢菌や病原大腸菌は、微量の菌でも感染してしまうため、人から人へ感染する恐ろしい病原菌として認知されています。
原因となる菌の特定には、便の細菌培養を行うことにより行います。
細菌性下痢症の治療法
細菌性下痢症は細菌感染が原因となるため、その予防法としては細菌を体内に入れないことが重要になります。夏場に多い食品からの感染を防ぐには、肉の場合は充分な加熱が必要です。また、食肉や卵などに付いては長期保存を避けることも重要です。また、調理の際に人の手から細菌が混入する可能性もあるので、調理の際には手指を十分に洗うことが必要です。
また、日常生活においても、外出後の手洗いうがいを必ず行うように心がけることも必要です。海外旅行に行った際は、水道水などは危険なので、水道水を飲まずに販売されているミネラルウォータを飲むなどの配慮も必要です。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください