血友病A・血友病Bとは
血友病A・血友病Bは遺伝病で、遺伝子の異常で血液が凝固しないことにより、出血が起こった場合に重篤な状態となる可能性があります。しかし、自分の症状や出血の可能性のある行事などに対応して、血液凝固成分を含んだ薬剤を使用することによって普通の人と変わらない生活をおくることが可能になります。
血友病A・血友病Bの症状
血友病A・血友病Bの症状はいずれも同じで、血液を固めるタンパク質の一部が欠けていますから、血液が固まりにくくなります。出血の中でも特に筋肉の中とか関節の中のように体内の奥の方での出血が多いのが特徴です。
これが何回も出血を繰り返すうちに萎縮や拘縮を起こし、機能に障害が発生してきます。このほか、皮膚の下や鼻、口の中からも出血し、まれに頭蓋内で出血することもあり、この場合は深刻な症状になる場合もあるので、血液凝固因子が入った薬剤などによる治療が必要になってきます。
血が止まりにくいので、大きな外傷や手術などの場合はもちろん抜歯などでも止血が難しく、薬剤の使用など、特別な対応が必要になります。
血友病A・血友病Bの原因
血友病A・血友病Bの原因は遺伝によります。血液を固めるタンパク質の一部が欠損または機能低下していることが原因で、AとBの違いは11種類あるタンパク質のうち欠損または機能低下しているタンパク質の違いによるもので、AとBによる症状の違いはありません。症状の軽い、重いがでるのは、機能低下の度合いに差があるからで、機能低下の度合いが低い場合は症状も軽く、場合によっては抜歯などで血が止まらず、そこではじめて発見される場合もあるようです。
これをつかさどる遺伝子はX染色体上にあります。男性はX染色体が一本しかありませんから、遺伝子に異常があると血友病を発症しますが、女性の場合は2本あるX染色体のうちどちらかが正常であれば発症しませんから女性ではほとんど発生しません。
血友病A・血友病Bの治療法
血友病A・血友病Bは遺伝病なので発病そのものを予防することは不可能です。ただ、血友病の症状は血液が止まらないことによっておこるわけですから、出血時に血液凝固因子が入った薬剤を使用することによって、筋肉や関節の機能が悪くなることや症状を防ぐことができます。さらに、症状がひどく筋肉や関節の出血を繰り返す傾向がある場合は、血友病性の関節炎などになることを防ぐために定期的に薬剤を使用することも可能です。こうした対策を講じておけば、血友病の患者でも通常の生活をおくることが可能になります。
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