症状

雪目は長時間直接紫外線に角膜がさらされることにより発生する目の炎症症状です。
通常雪目は、すぐには症状が現れません。紫外線を浴び角膜が傷つき数時間経過してから、症状が出ることが一般的です。直接紫外線を浴びなくても、反射して目を傷つけ症状が出ることもあるのです。目が炎症反応を起こすと、初期には角膜の充血や目がゴロゴロするといった症状が出ます。また目がゴロゴロするために目がシバシバする、また涙が出たり、目やにが出ることもあります。また角膜が傷ついた状態であるために、目が痛い、まぶしさを強く感じるといった人も多いです。痛みが強い人は立っていられないほどの痛みを味わうと言います。そのまま経過してしまうと眼病を併発し、手術が必要になる場合もあるのです。
もし症状がある場合は、曇りの日でも紫外線はあるので、症状が出ている間は目の保養が必要です。そのまま屋外で紫外線を考慮することなく酷使すると、炎症反応はひどくなる可能性もあります。
一般的に高地の場所は紫外線が強いということは知られています。そのような場所は短時間であっても角膜を傷つけ炎症を起こす可能性が高くなるので、紫外線を浴びる時間にも注意が必要です。


医師からのアドバイス


冬場は紫外線対策を油断しがちですが、夏よりもずっと対策が必要なんです。目の日焼けしてしまったらどうすればいいのか対策を見てみましょう!
冬の紫外線は夏より危険!「雪目」って何?


原因

雪目は正式には「雪眼炎」と呼称します。ウィンタースポーツや登山などを行う際に長い間に渡って雪を見続けるのが原因で発症します。強力な紫外線を目の角膜部分に長時間浴び続けたために角膜に障害が起こり、その結果として炎症が発生した状態になるのです。夏場には紫外線による肌の日焼けに気をつけますが、冬場の雪山でも同じように紫外線によって目の角膜が日焼けしてしまうのです。
雪目の原因は端的に言って強い紫外線ですが、冬の雪山は夏の砂浜より紫外線を三倍以上の確率で反射していますので、目には雪山のほうが大きなダメージを与えると考えるべきです。特に山が一千メートル高くなると紫外線の量は十パーセント増加すると言われていますし、新雪の紫外線反射率は八十パーセントにも及びますので、山の高度や雪の降り方や積もり具合にも注意が必要です。
雪目は紫外線が目に当たって十時間程度の時間が経過してから痛みだすケースが多く、日中は全く問題が無かったのに夜になって急に目が充血したり痛んでくることがほとんどです。初期の段階で適切な処置をとらないと症状が悪化し、手術に至るケースもあります。冬山でレジャーを楽しむ際はサングラスやゴーグル等で目を保護するよう注意しましょう。

予防・治療法

雪目を予防するためには、紫外線を避けるためにUVカットのサングラスや、ゴーグルを使用することが効果的です。スキーやスノーボードなどで雪山に行く時は、忘れずに用意しましょう。また、海面による紫外線の反射も雪山と同様に注意が必要なので、海に行くときも着用するようにしましょう。サングラスをしていても、長時間紫外線を浴び続けることは刺激になるため、室内での休息時間もとるようにします。
応急処置の方法としては、市販の鎮痛剤を服用したり、保冷剤などで目を冷やします。角膜が傷ついている状態なので、目をこすったりしないように気をつけます。病院での治療方法としては、まず点眼麻酔薬によって痛みをとります。感染予防のために、抗生物質や角膜保護薬の眼軟膏をいれ、眼帯、冷湿布などを行います。
ほとんどの場合、症状は一晩で収まり、長くても数日で軽快します。しかし、重度になると、激しい痛みを感じたり、目が開けられないほどの状態になります。痛みや刺激症状が強い場合には、緊急外来での処置をうけるとよいでしょう。
雪目は慢性化しやすい症状のため、予防を心がけます。必ず治る病気のため、なってしまった場合も慌てず応急処置をするようにします。