ダウン症候群とは
ダウン症候群は染色体異常によって起こる最も多い遺伝性疾患で、日本での患者数は約5万人です。発症頻度は妊婦の年齢によって異なり、35歳で300人に1人、40歳で100人に1人と言われています。
ダウン症候群の症状
ダウン症候群は、染色体が1本多いためにさまざまな症状が出現しますが、症状は人によってさまざまですべて出現するわけではありません。身体的な特徴として、丸くて起伏が少なく、目がつり上がって目と目の間が広いといった特有の顔立ちになります。また、首が短い、手の幅が広い、指が短い、舌が長いなどの特徴も見られます。筋肉が柔らかい筋緊張低下や関節過進展(関節が伸びすぎる状態)などから、成長や運動機能の発達がゆっくりになります。
ダウン症候群の合併症としては、先天性心臓疾患、てんかん、消化器疾患、口唇裂・口蓋裂、白血病、難聴、眼科疾患、頸椎の不安定などがあります。多くの場合、知能の発達の遅れも伴います。
ダウン症候群の原因
ダウン症候群は、染色体が分裂する際にうまく分かれないことが原因と言われています。染色体の分かれ方によって3つの方に分類できます。「標準トリソミー型」は、通常22本の常染色体が1本多くなります。突然変異によって起こるもので、両親は正常な数の染色体を持っています。
「転座型」は3~4%の割合でみられます。21番目の染色体のうちの1本が他の染色体に付着しています。半数は染色体の不分離により生じ、半数は遺伝性のものです。
「モザイク型」は1~2%にみられ、21番目の染色体が正常なものと1本多いものが混在したものを指します。モザイク型は、トリソミー型や転移型よりも症状が軽いと言われています。
ダウン症候群の治療法
ダウン症候群は、染色体異常によって起こる病気のため予防や根本的な治療はできません。しかし、早期から療育を開始することでほとんどの人が学校生活や社会生活を送れるようになります。ダウン症候群の子どもは、できるだけ早い時期からの集団生活が望ましいとされています。一般的には、保育士や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訓練をおこないます。また、合併症のある場合は、合併症に対する治療を同時におこないます。
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